2008/05/31に言及した教育振興基本計画が閣議決定されたそうなので、報道その他、覚え書き。
毎日新聞 2008年7月1日 東京夕刊『
教育振興基本計画:10年で世界最高学力に いじめ、不登校に対応−−閣議決定』から
(以下および以降、強調などは引用者による) 政府は1日、改正教育基本法に基づく教育振興基本計画を閣議決定した。教育に関する初の基本計画で、「教育立国」を宣言し、「公教育の質を高め、信頼を確立する」など今後10年を通じて教育が目指すべき姿を提示。
したんだそうだ。
今後の五年で取り組む77の施策として示されたものの一部は、「世界最高水準の卓越した教育研究拠点の形成」「いじめ、不登校、自殺などへの対応の推進」「子どもの体力を85年ごろの水準に回復することを目指す」「各大学で教育内容・方法の改善を進め、厳格な成績評価システムの導入を目指す」などがあげられている、という。また、
計画は冒頭で「子どもの学ぶ意欲や学力・体力の低下」「少子化の進行」などを課題として明示した。10年間で世界トップの学力水準を目指し、教育内容、教育条件の質の向上を図るとした。
…で?
と思った例の件は
文部科学省は当初、「教育予算をGDP(国内総生産)比5%超にする」「教職員定数を約2万5000人増員する」との数値目標記載を目指したが、財務省などの抵抗で実現しなかった。教育予算は「諸外国における状況を参考の一つとしつつ、確保していくことが必要」、教職員数は「定数の在り方などの条件整備について検討する」との表現に後退した。また、「私学助成を充実する」などの記載も目指したが、「私学助成その他の支援を行う」との記載にとどまった。
………他の報道も当たってみる。
中日新聞7月2日付社説『
基本計画決定 名ばかりの「教育振興」』から
閣議決定された教育振興基本計画は原案にあった財政支出を伴う記述が削られたうえ「国の財政は厳しい」との文言が加わった。十年先を見通すという触れ込みだが、名ばかりの「教育振興」だ。
(略)
決定では、国内総生産(GDP)に占める公的教育投資の比率を現在の3・5%から「経済協力開発機構(OECD)諸国の平均5・0%を上回る水準を目指す」という記述が原案から削られた。
3・5%で約十七兆二千億円だから、5%にするには約七兆四千億円上積みしなければならない。(中略)財務省が猛反対した。
文科省はこの財政支出によって公立の教職員定数を二万五千人程度増やす記述も原案に盛り込んでいた。(中略)これには総務省が反対に回った。
計画をみると、その二カ所が削除されただけでなく、具体的な施策では「拡充」「充実」との字句が「支援」「推進」に直され、新たに「国の財政状況は大変厳しい」という文言が加筆された。
財務、総務両省の主張が通ったかたちだが、今回の各省協議は年度ごとの予算折衝ではなく、これからの教育のあり方を決める話し合いだった。そこでの結論が財政再建優先では、基本計画の上に乗る「教育振興」の名が泣く。
(略)
現場の先生たちの多忙ぶりが問題視されて久しいが、熱意や使命感だけに頼るにはもはや無理がある。教育投資の大半は教職員予算だが、計画で厳しい見通しが示されたのだから、現場の仕事は増えることになりそうだ。
これで公教育の立て直しは図れるのか。十年先、暗たんとした状況に陥っていないか。
…なんだか、乾いた笑いが浮かんでくる。
山陽新聞7月2日付社説『
教育基本計画 本当に投資拡充できるか』から
(略) 国の発展の原動力となる人づくりのため「教育立国」を宣言し、「欧米主要国を上回る教育の実現を図る」との到達目標を掲げたが、具体的な道筋は不透明と言わざるを得ない。
基本計画は、二〇〇六年の改正教育基本法で策定が義務付けられた教育政策の柱となるものだ。しかし、その裏付けとなる教育予算や教員定数に対する数値目標は盛り込まれなかった。計画の実効性が担保されるのか疑問である。
(略)
授業時間数を大幅に増やす改定学習指導要領の導入に伴い、小中学校の教職員定数を約二万五千人増やすとの数値目標も見送られた。「教職員定数の在り方などを検討」といった抽象的な表記に変更された。新指導要領の全面実施は小学校で一一年度、中学校で一二年度に迫っている。予算や教員増の裏付けがなければ、しわ寄せを受けるのは教育現場であることは間違いあるまい。
(略)
結果的に数値目標が盛り込まれなかったことで、文科省は毎年の予算確保に苦心することになろう。緊縮財政の下では、予算獲得は容易ではあるまい。教育現場の実態を踏まえた上で主張の根拠を強め、説得力ある議論を深めることが必要ではないか。「教育立国」宣言をお題目で終わらせてはなるまい。
読売の報道は懸念の表明もなく淡々としたものなのでお持ち帰り略で、リンクのみ『
「教育振興基本計画」を閣議決定、道徳教育推進を明記』。
実に「らしい」報道をしたのがMSN産経2008.7.1 10:54『
教育振興基本計画を閣議決定 数値目標盛り込まれず (魚拓は無し)』から一部のみ
道徳教育推進の教材について国庫補助制度の導入を検討するほか、伝統・文化や武道、宗教教養教育の推進を図ることなどが明記された。
さすが、独創的である。この二社は、道徳教育の路線が盛り込まれたことが最大の注目点らしい。
脱力したので、今回出た他の報道とか、ストックしていた情報とかを、以降で軽くリンク貼りなど;
・信濃毎日新聞7月2日付社説『
教育基本計画 実現の道筋が見えない』
・2008年7月2日(水)「しんぶん赤旗」『
無制限な教育介入に道 石井副委員長 教育基本計画で談話』
・京都新聞(共同通信)2008年6月12日(木)『
支援怠れば「教育亡国」 高等教育投資拡大求め声明』
高等教育への支援を怠れば、日本は「教育亡国」の道を歩むことになる−。慶応大の安西祐一郎塾長ら中教審委員の4人が12日の会合で、教育振興基本計画の策定を進める政府に、大学や大学院など高等教育への財政支出拡大を訴える緊急声明を発表した。(略) 声明は「高等教育のグローバル化で人材の獲得競争が激化している」と指摘。世界最高水準の教育研究環境を整備して優秀な学生を引きつけ、教育の成果や質を向上させるためには、政府による教育投資の数値目標設定や財政支出の強化は重要と主張している。
・
社団法人 国立大学協会2008年6月19日『
教育振興基本計画策定に向けた緊急アピール(リンク先はPDF)』
1、 政府は、教育振興基本計画に明確な資金投入の目標額を盛り込み、速やか
に高等教育への公財政支出をGDP比0.5%からOECD平均の1.0%を上回る規模へ拡充すること。
2、 政府は、公財政支出の拡充に加え、民間・個人から大学への資金調達を促すための抜本的な税制改正を行うこと。
なお、緊急アピールには、こんなグラフが付いていた。

ご本家;
文部科学省・教育振興基本計画(概要や本文へのリンク)
なお、この本文は、例えば教育基本法改定に反対の意思を持った方は、一通り、読んだ方がいいのではないかと、ちょっと思った。どうも、微妙な表現が多々あるようだ。
例えば、本文の26ページ目にこんな一節があった。
(4)教育委員会の機能を強化するとともに,学校の組織運営体制を確立する
改正教育基本法第16条第1項において,教育は,不当な支配に服することなく,この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり,教育行政は,国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下,公正かつ適正に行われなければならないことが明確化された。各地方公共団体における教育行政については,この趣旨にのっとり,合議制の執行機関である教育委員会と,その構成員である教育委員が,自らの責任を十分に果たし,住民の期待に応えつつ,公正かつ適正に行われることが必要である。
このため,地方の自主性や自立性を尊重し,適切な役割分担を踏まえつつ,教育委員会の機能の強化と,学校の組織運営体制の確立に向けた積極的な取組を促す。
以下、メモ。
6月6日に衆参両院で
全会一致で採択された「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」と、採択直後に政府の公式見解として公表された
『アイヌ民族について』の官房長官談話をふまえた措置として、30日に「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」の委員が決定されたそうで、7月1日午前中の記者会見にて、町村官房長官がメンバーを正式発表した、との報道がでた。
政府側が当事者であるアイヌ民族を懇談会に入れたがらなかった件については、道ウタリ協会が粘り強く働きかけた結果、アイヌ民族代表として道ウタリ協会の加藤忠理事長が入ることになったようだ。結局、委員数は8名で、これは、1995年に当時の五十嵐広三官房長官が委員7人で設けた有識者懇を基準に、アイヌ民族代表を加えた数なのだと報じられている。1995年以上の措置が必要のはずなのに、なぜ前例にならうのか、どうもよく解らない。
有識者懇は官房長官の私的懇談会の位置付けであり、初会合は8月上旬予定(北海道新聞の早朝の報道では7月となっていたが、それ以外の報道は8月上旬で一致)。『懇談会はアイヌ民族の権利や地位向上を議題とし』、議論内容としては
《1》アイヌの生活状況や差別などの実態調査
《2》従来の政策の評価
《3》諸外国の先住民族政策の整理
があげられており、報道によっては『先住民族と認定する対象者や先住権の内容などの具体論』もあげられている。1年後をめどに新たなアイヌ政策の提言をまとめる、のだそうだ。
また、内閣官房に「アイヌ政策推進室」が新設されるそうで、これは懇談会の補佐機関であり、内閣府の審議官級を室長に職員八人前後の体制と報じられている。
メンバーは、以下の通り。
「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が衆参国会で採択されたことを報じた
中央日報日本語版の2008.06.08付記事には、2007年9月に国連総会で採択された「先住民族の権利に関する宣言」に関して、以下の説明があった。
(「先住民族の権利に関する宣言」は)先住民にすべての人権と基本的自由を保障する。また、同意なしに没収された土地と資源は返還し、固有文化の維持・復興、民族自決権を保障する、となっている。
日本は「民族自決権が国家からの独立を意味するわけではない」という点を強調しながら賛成した。米国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドなど4カ国は国内法と合わないという理由で反対した。
反対した4ヶ国のうち、
オーストラリアは2008年の2月にラッド首相によるアボリジニへの公式謝罪がおこなわれており、
カナダでは1998年に曖昧な、
今月12日には正式な政府による公式な謝罪がおこなわれている。
アメリカの場合は、公式謝罪は行っていないが、土地の賠償は行ったらしい。
そして。
さっき、こんな報道がでているのを見つけた。
asahi.com 2008年6月26日1時32分付の『
NZ政府、先住民に土地返還 英国人の奪った森林』と、U.S. FrontLine News 2008年06月25日 13:25米国東部時間付の『
先住民に327億円の補償 NZ政府、過去最高』。
さらに探して見つけた『
和訳練習帳』さんによる2008年06月25日付記事『
BBC ニュージーランドがマオリ族と歴史的な土地の交渉に署名』もあわせて話をまとめると、
マオリ族の人達は1980年代から、英国領となった1840年以降に入植者に取り上げられたり、不当に買いたたかれたりした土地の返還を求める交渉を、政府に対して続けていたそうだ。そしてこの度、北島中央部にある森林地帯;約17万6千ヘクタールの所有権が、マオリ族の約10万人ほどの人からなる7部族に返還される合意が成立し、25日に議会で調印したという。さらに、過去20年間の借地料として2億2300万ニュージーランドドル(約180億円)も支払われるそうだ(U.S. FrontLineによると、あわせて総額4億2千ニュージーランドドル、日本円だと約327億円相当)。
英国政府とマオリの間では1840年に、主権を英国に渡す代わりにマオリの土地権利保護を約束するワイタンギ条約というのが調印されており、この度のはそれに基づく措置と報じられている。条約を無視する土地の取り上げ等が相次いだために、マオリからの請求が相次ぎ、NZ政府は1990年代以降、過去の不正な土地没収を認め、たびたび補償を支払っては来たそうだが、今回の補償額は過去最高だという。
返還される森林は、年間、約1300万NZドルの収益がある大規模な商業用の松の植林地で、所有権を得たマオリ7部族は共同で土地を管理するという。そして、それを部族の、特に若い世代に恒久的で持続的な経済力をもたらすために運営したい、とマオリの指導者の一人は語ったそうだ。
ニュージーランド人口約420万人の約15%を占めるマオリ族は国内の最貧層であり、他のニュージーランド人より失業率は高く、健康状態や教育、居住条件に恵まれていない、とBBCは報じたそうだ。
ヘレン・クラーク、ニュージーランド首相は
"It's a historic journey we are on," Prime Minister Helen Clark said. "We came into politics to address injustice and seek reconciliation. Thank you for walking that road with us on this historic day," she added, according to AP news agency.
「これは、我々が続けている歴史的な歩みの一つだ。我々は、不正義を正して和解を求める政策に入った。この歴史的な日に、和解の道を我々と共に歩んでくれたことに感謝します。」(AP電由来のBBC原文から勝手訳)
と述べたという。
ニュージーランド政府は「先住民族の権利に関する宣言」に反対しても、一貫して先住民族との和解の道を模索し、この度さらに大きな一歩を踏み出した訳だ。
ちなみに、日本の場合。
アイヌ民族に関する国会決議を受け、政府がアイヌ民族を先住民族と認識している見解を示したのにもかかわらず。
そのための「有識者懇談会」を設置する事が決まっても、当事者のアイヌ民族の皆様を懇談会に入れる入れないで駆け引きが始まる始末。
政府が警戒するのは、先住民族認定が国連宣言に盛り込まれた土地や資源、自治など46項目に及ぶ権利要求につながることだ。町村信孝官房長官は6日の記者会見で「ウタリ協会の方は国会の議席がほしいとか、土地をどうかしてくれとか、そんなことまで要求していないと聞いている」とけん制してみせた。
という。
(以上の引用は、毎日新聞2008年6月7日付『アイヌ国会決議:懇談会参加めぐり、駆け引き』から) また、あるいは、
国連は昨年の総会で「先住民族の権利に関する宣言」を採択した。日本政府はここでも、先住民族の集団的権利や財産権を事実上認めないという条件付きで採択に賛成した。
先住民族と認定すれば、政治的自決権、土地・資源の返還や、それに代わる補償措置など多くの問題と向き合わねばならないからだろう。
一方、アイヌの人たちは長い差別の影響で、所得水準や進学率などが低いという現実を抱えている。アイヌ民族に対する政府のかたくなな姿勢が、生活向上につながる施策づくりにもブレーキをかけている。
という。
(以上の引用は、北海道新聞2008年5月25日付『先住民族決議 次は政府が応える番だ』から)もしかして、あらかじめ条約を結んでないから、なんて主張するのだろうか?
大変なのは確かであっても、ニュージーランド・カナダ・オーストラリアの前例をふまえ、国際社会は見守っているだろう。…日本政府は、アイヌ民族に対し公式謝罪もしていない。
1, 理事国再選状況 21日に国連総会にて、47ヶ国で構成されている理事会の一部改選が行われた。アジア枠の改選議席は4で、日本、韓国、パキスタン、スリランカ、バーレーン、東ティモールの6ヶ国が立候補。スリランカ、東ティモールが落選し、日本は最多という155票を集めて再選された。任期は今年6月から3年。
今回アジア枠で落選したスリランカの他、パキスタン、バーレーン、ガボン、ザンビアの各国は「組織的な人権侵害」が指摘されるとして、民間人権団体などが否定的な評価を下していたそうだが、パキスタンなどはイスラム諸国が支持、アフリカ地域は事前に候補国が調整された結果、ガボンとザンビアが議席を獲得という。
西欧枠では改選議席2に対して、フランス(123票)とイギリス(120票)が再選。イギリスは落選したスペインと1票差だったそうだ。今回当選した理事国はほかに、韓国、ガーナ、ブルキナファソ、スロバキア、ウクライナ、チリ、ブラジル、アルゼンチン。
また、アメリカは、『理事国選出基準が甘く「人権侵害国」でも理事国になれる』等の批判を表明しており、理事国への立候補も見送り続けている上に、6月6日には「今後は国益に密接にかかわると判断した問題のみ(アメリカ政府は)関与する。これまでより(関与の範囲を)縮小する」と政府報道官が述べ、同日、同盟・友好国に人権理の活動から事実上離脱する意向を非公式に伝えたとロイター電が伝えているそうだ。
参考(魚拓は撮ってない);
・日経ネット2008年5月22日付「
国連人権理事会、日本が再選」
・MSN産経2008年5月22日付「
国連人権理事会 日本が再選、スリランカは落選」
・US FrontLine2008年06月07日付「
人権理から事実上離脱か 「関与縮小」と米報道官」
2, 決議に関する報道二件・MSN産経2008.6.19 10:24付『
「社会権」侵害で個人通報 国連人権理が採択』
国連人権理事会は18日、国際的な人権保障の基本となる国際人権規約のうち、労働や教育などの権利を保障する「社会権」を侵害された個人による通報制度を新設することで合意した。
・共同通信2008/06/19 10:35付『
差別撤廃へ決議採択 ハンセン病で日本提案』
国連人権理事会は18日、日本が提案したハンセン病患者に対する差別撤廃を求めた決議案を全会一致で採択した。(中略)決議案は日本が主導し、最終的には非理事国を含め58カ国が共同提案国となった。
3, 死刑制度撤廃に関して・MSN産経2008.6.13 11:28付『
死刑存続方針を再確認 国連人権理で日本』
国連人権理事会は12日、日本を対象とする普遍的審査(UPR)の成果文書を採択した。この日の会合で日本政府の代表は、5月の対日審査作業部会で各国から「勧告」があった死刑制度の見直しについて、国内の世論動向などを背景に「死刑を廃止する立場にはない」と存続方針を再確認した。(後略)
…これが、どうもどういう事か今ひとつ解らなかったのだが、こんな情報があった。
swissinfo.chの 2008/06/16 付『
人権審査、日本は死刑制度維持を再確認』から一部引用、
(強調は引用者による)受け入れるか否かを国際社会で宣言
(略)日本は、6月12日代表の宮川眞喜雄 ( まきお )大使が他国からの26の勧告に返答する形で冒頭演説を行った。人権教育を初め始め、児童、女性、障害者などの人権問題で多くの改善を行ってきたことや、今後の努力を表明した結果文書が数カ国から高い支持を得た。
しかし、ヨーロッパ十数カ国から勧告を受け、焦点の1つとなった死刑制度廃止問題では、
「日本政府は死刑制度の廃止も、モラトリアム ( 一時停止 ) も受け入れる立場にない」
と表明した。
死刑廃止を支持してきた日本弁護士連合会 ( 日弁連 ) の代表としてスピーチを行った大谷美紀子氏は
「これほどはっきり宣言されるとは思わなかった」
と落胆の色を隠さなかった。UPR の結果文書で今回受け入れないと宣言された項目は、次回4年後の審査の対象にならないからだ。
…なんか、人権意識のとっても低い国と宣言してきたのではないかと不安になってしまった。
4,日本軍『慰安婦』問題 死刑制度廃止に関して報じたMSN産経の報道で
作業部会で「誠実な対応」を求められた従軍慰安婦問題についても、「今後とも対話を続けていきたい」などと述べるにとどめた。
とあっただけで、日本では報じられない。
…では、韓国の報道から拾った報道を、自動翻訳なんちゃって大まか訳で保存。
CNBニュース 2008-06-15 13:17:35付より、
「
유엔 인권이사회, '정신대' 보고서 채택 (国連人権理事会「慰安婦」報告書採択)」、
サブタイトルで「일본군‘위안부’ 문제에 대한 각국의 권고와 질의 담은 실무그룹 보고서 정식 채택 (日本軍「慰安婦」問題に対する各国の韓国と質問を入れた実務グループ報告書正式採択)」
現地時間12日、ジュネーブで開かれた国連人権理事会8次定期会議で、日本政府に「慰安婦」問題の解決を促す各国の声を入れた報告書が正式に採択された。
国連人権理事会の普遍的定期審査制度により、先月、日本の人権状況を検討した実務グループ会議第二次セッションでは、フランスをはじめとするオランダ、韓国、北朝鮮、中国、フィリピンなどが日本政府に「慰安婦」問題の解決を促した。
各実務グループ国家の意見を入れた「実務グループ報告書」が今回の定期会議で採択されることによって、日本政府は日本軍「慰安婦」問題に対する国連の特別報告官や、国連人権機構などの勧告に対して、誠実に対応しなければならない義務を国際社会から要請されることになった。
しかし、実務グループ会期に続いての、報告書採択を控えた今回の定期会議のける冒頭演説で、日本政府代表はアジア女性基金に言及し、これまでの法的責任を回避する既存の立場を守った。これに北朝鮮は、再度、歴史わい曲問題と「慰安婦」問題に対して日本政府の誠実な努力を強く促した。
またNGOからは、「反差別国際運動(IMADR)、反拷問世界機構(OMCT)、アジア女性資料センター(AJWRC)、女たちの戦争と平和資料館(wam)等関連団体らが、共同声明をだして国際人権機構の勧告に応じて「慰安婦」問題に対する措置を取ることを促した。
実務グループ会期においては、今回初めて「慰安婦」問題に対する公式意見を表明したフランスは、「慰安婦」問題が第二次世界大戦中に起こった強制売春である認識を明確にし、その後に数度にわたって発せられた国際社会の勧告に応じて「慰安婦」問題に対する「恒久的な解決策」を模索することを促した。
オランダ政府も、国連人権条約機構など国際社会の関連勧告に従うために、日本政府がどのような措置を取ったかを質問した。なお、オランダ議会は2007年11月に「慰安婦」問題の解決を促す決議案を採択している。
北朝鮮は「慰安婦」問題はもちろん、過去に日本政府から被害を受けた国家に対して具体的な措置を取ることを強力に促し、韓国政府も「慰安婦」問題に対する、国連女性差別撤廃委員会 (CEDAW) と国連拷問禁止委員会 (CAT) そして特別報告官の勧告を、誠実に履行することをより強力に要求した。
フィリピンは「過去と現在の人身売買被害者ら」の人権保護と賠償のための計画を強化することを要請し、中国も国連特別報告官と国連拷問禁止委員会が注目した通りに、日本には解決しなければならない「歴史的問題」が残っていることを指摘した。
…ただし、2008-06-13付の「
国連人権理事会本会議におけるUPR審査に対する日本政府の対応についての日弁連コメント」によると、
5,これに対して、日本政府が受け容れあるいは検討を約束しなかった勧告は、警察における取調べをモニターする方法について検討し、代用監獄制度のもとにおける警察での長期勾留の利用について再検証することあるいは従軍慰安婦問題について国連のメカニズムの勧告に真摯に対応すること等、9項目(別紙3)の勧告である。
というので、死刑制度廃止のように「受け容れない」と宣言したわけではない、という程度のようだ。
…まだまだ、ということらしい。
追記;
トラックバック下さった『
Stiffmuscleの日記』さんが『
UPR 日本の検討結果文書が採決された・・・最悪!』で、国連人権委:非公式プレスリリースを紹介してくださっています。
gegenga師匠が、魚拓を届けて下さいましたので、エントリにて
自慢 展示。
共同通信 2008/06/19 18:21付で、
『
敗戦後、慰安婦を看護婦に 旧軍の命令、文書で初確認』
関東学院大の林博史先生は四月にも、
旧軍が重要書類焼却を命じた暗号通達を、連合軍側が解読していた史料を英国立公文書館で発見なさっていた訳だが、今度の件もそういう暗号通達が連合軍に解読されていて、英公文書として保存されていたという話(^^;
第2次大戦での日本の敗戦直後、旧海軍が日本人慰安婦を、軍病院の補助的な看護婦として雇用するよう命じた通達が19日までに、連合国側が暗号解読して作成した英公文書で判明した。研究者らは、慰安婦が看護婦に雇用された際の身分が軍属だった可能性が高いとみている。敗戦時に軍属雇用するという配慮から、軍が戦中に慰安婦管理に事実上深くかかわっていたとする見方を補強する貴重な史料としている。(後略)
…現時点では、日本では共同通信からのみ発信されているのみ。
しかし、この報道、韓国や中国から、注目されている。
2008-06-20 09:09:34付のマイデイリーコリア、『
일본군, 종군위안부 개입 문서 발견 (日本軍,の従軍慰安婦介入文書発見)』は、日本で報道された共同通信報と同じ内容。2008/06/19付の蘋果動新聞の『
日軍曾僱 慰安婦當護士』は、日本で報道された共同通信報より短い。
日本の報道より詳しかったのは、以下の韓国の2紙と中国の新華網。ソースは日本における報道と同じく共同通信らしいのだが。
・2008.06.20 10:02:30 付連合ニュースの
『
日, 2차대전 직후 위안부를 軍간호보조사로 전환 고용 (日本、第二次大戦直後に慰安婦を軍看護補助士として転換雇用)』
・2008-06-20付Voice of peopleの
『
日, '위안부'를 군병원 보조 간호사로 채용 (日本 「慰安婦」を軍病院補助看護婦として採用)』
・2008年06月20日 12:24:01付新華網の
『
文件顯示日軍曾命令“慰安婦”轉成護士 (文書が日本軍命令の「慰安婦」を看護士への転換を顕かに示す)』
ここでは、一番詳しかったVoice of people記事から日本の共同通信報となるべくかぶらない箇所を自動翻訳で保存。
過去に日本が、日本軍「慰安婦」を軍病院の補助看護婦として雇用するよう命令した文書が発見された。
20日共同通信は、「連合国側が暗号解読して作成した英文公文書を通じ、このような事実が明らかになった」として「研究者らは『慰安婦』が看護婦で雇用された時、身分が軍属だった可能性が高いと見ている」と伝えた。
(略)
この文書によれば、東南アジア方面に派遣されていた第1南遣艦隊司令官が、サイゴン第1特別根拠地隊などを受信者として、1945年8月18日付で送った通知において「シンガポール海軍の慰安施設で仕事をした少女らが海軍第101病院で補助看護婦で雇用された」と連絡し「サイゴンでも同じ措置をするよう」指示している。
また8月20日付で、第8通信隊から海軍民政部全責任者に送られた通知には「全地域の日本女性を看護婦の身分として病院に配置するよう」命令している。通知は最後に「通知内容を完全に理解した後に焼却するよう」明記されていた。
共同通信は、「従軍慰安婦問題と関連して、日本政府の謝罪や補償の根拠となる当局の関与程度が問題になっており、この史料は、今後の議論に大きな影響を及ぼす」としながら、「看護婦として『慰安婦』を雇用することによって、政府当局が慰安婦の存在を連合国に隠蔽しようとした可能性も指摘されている」と報じた。
(注;文中の「看護婦」の表現は、当時に用いられていた用語として使用しています)…連合ニュースには「共同通信は、通信内容の中にある日本女性には韓半島出身も含まれていると考えられる、と付け加えられていた」、との一節もあるようだ。
デイリースポーツ6/6付『
東京トップで通過 16年五輪第1次選考』やら、読売新聞2008年6月5日12時09分付『
五輪1次選考通過、「坂の上の雲」つかむつもりで…石原知事』やら、日経ネット6月5日付『
2016年夏季五輪1次選考通過、石原都知事「自明の結果」』やらによると。
6月4日の国際オリンピック委員会がアテネで開いた理事会で、2016年夏期のオリンピック開催地の候補として、東京・シカゴ・マドリード・リオデジャネイロが残り、ドーハ(カタール)プラハ(チェコ)バクー(アゼルバイジャン)は落選したという。最終的には、来年10月2日の国際オリンピック委員会総会で投票によって決まるという話。
この開催候補地第1次選考で残った4都市で、東京がトップ通過というのだが。。。デイリースポーツの記事によると、
(略) IOCから得たトップの総合評価に、東京都の石原慎太郎知事は表情を引き締めた。5日午前、都庁で会見し、“1位通過”の吉報に「妥当な結果。これからが勝負だ」と、余裕のコメントを口にしながら意気込みを語った。(略)
都の環境行政も評価を受けたと分析。1次選考を通過した4都市に対する世論調査では、招致支持が59%と東京が最も低かった点を問われると「それはメディアが引っ張るから。君らが協力してくれたらいいんだよ」と苦笑交じりで応じた。
のだそうな。
この報道があってから、
当ブログにおける2008/06/17付の記事で、東京オリンピックに東京都民の支持が低いことに関するトチジの発言を取り上げたわけだが。
毎日新聞2008年6月18日付、都内版の『
都議会:定例会、荒れ模様の展開 与野党から厳しい質問 /東京』によると、五輪招致について、
(以下、強調等は引用者による) 民主党、大沢昇議員の「都の理念が弱く都民の心に届かないのか、東京の招致機運が高まらない」との指摘に対し、石原知事は「(都民は)開催が決まればこぞって応援してくれる」と反論した。
さらに石原知事は、民主党を含む超党派の国会議員が五輪招致の推進連盟を結成したことを強調。昨年4月の都知事選で民主党支援の候補、浅野史郎・前宮城県知事が五輪招致に反対したことに触れ、「あの方は反対なんですか、あなたがたも反対なんですか、都民に代わってお聞きしたい」と声を荒らげた。大沢議員は再質問で「きわめて無礼な発言」として、知事に撤回と謝罪を求めた。
のだそーだ。都民からの東京五輪誘致への支持が低いことに不満をしきりと述べている癖に「
都民に代わって」とは図々しい話もあったものだ。
そして、さらに共産党の小竹紘子議員がインフラ整備費について追求したのだそうだが。
これを別の報道から引用してメモ。
2008年6月18日(水)「しんぶん赤旗」の『
五輪整備費1兆3000億円超 シカゴ、リオの3倍にも 東京都議会で小竹議員追及』によると、
(略)
小竹氏は、都オリンピック招致委員会が立候補申請にあたりIOC(国際オリンピック委員会)に提出した申請ファイルによると、都のインフラ整備費が一兆五百八十億円に上ると指摘。東京と同じく候補地となったスペイン・マドリードを上回り、米国シカゴ、ブラジル・リオデジャネイロの三倍だと述べました。
競技施設整備費は二千四百六十三億円と四都市の中で最も高く、都が掲げる「世界一コンパクトな五輪」とは正反対の実態となっています。
小竹氏は、これだけではなく、申請ファイルで除いた外環道路などに二兆六千億円が必要だと指摘。オリンピックスタジアムやメディアセンターの用地取得費、同センター建設のための築地市場の移転予定地である豊洲の土壌汚染除去費などを含めると施設の整備に二兆円近くかかるとし、全容を明らかにするよう追及しました。
(後略)
…報道タイトルの「1兆3000億円」というのは、控えめに計算してもって事らしい。そして、トチジの答弁は「オリンピックの有無にかかわらず、
国際都市間競争に勝つための必要な投資」だけで、総額に言及することはなかったとの報道だった。…「
国際都市間競争」とやらのために必要なのだとするなら、その「
国際都市間競争」が何なのか、なぜ勝つ必要があるのかを明確に説明すべきだろう。
という訳で。
個人的に、
東京オリンピック誘致に反対します。 なお後先だが、先の毎日の報道によると、都議会ではその他にも、中央卸売市場豊洲移転について
公明党の東村邦浩議員は、(略)「白紙に戻し、都民の不安と不信を払しょくすべきだ」などと石原知事に迫った。
東村議員は、築地市場は経済活力や観光エネルギーの源でもあると述べ、「移転ありきの議論は一切やめ、先入観やバイアスを排した再検討が不可欠」と指摘した。石原知事は「豊洲への移転は、これまで議論を尽くした結果だ」などとして都の汚染対策に理解を求めた。
新銀行東京について
(略)08年3月期で1016億円に膨らんだ累積赤字を資本金などで解消する「減資」について、石原知事は「過去の負の遺産である繰り越し損失を一掃して財務体質の改善を図るもので、提案があれば前向きに受け止める」と述べ、同意する姿勢を明らかにした。経営や再建の状況の四半期ごとの公表について、佐藤広産業労働局長は「経営に影響を及ぼさない範囲で可能な限り開示、報告する」と述べた。
とのこと。
そしてその後、2008年6月20日(金)「しんぶん赤旗」で『
新銀行東京 都の介入は明白 清水都議 会議の録音示し追及』で、
日本共産党の清水ひで子都議は十九日、東京都議会の経済・港湾委員会で、新銀行東京の経営破たんの元凶となった東京都の無謀なマスタープラン(基本計画)の押し付けの実態を、共産党都議団が入手した録音CDを元に明らかにし、責任を追及しました。
とか、同日の報道で『
新銀行東京 “倒産企業にも融資を” 録音CD 生々しく』といった報道もでていたりする。

じつは、このネタは6月6日にMSN産経に出ていた都知事会見詳報で見ていたのだが、今日このニュースを見つけて改めて腹が立った。
2008年6月17日06時01分付 スポーツ報知で、
『
石原都知事が「都民は贅沢」…五輪招致の支持率低迷に』での報道。
石原都知事が16日に、日本記者クラブで会見した内容の報道だが、都知事は
2016年の五輪招致にあたり、都民の支持率が低いことについて「都民は何があっても当たり前になっちゃってぜいたく。なかなかやっかいだ」とぼやいた。
石原知事は「小泉(内閣)時代は、拉致問題やサッカーW杯日韓大会で、いい意味でのナショナリズム、民族意識が高まって日本人の心情が高揚していたけど、そのうちに消えちゃった」と分析する一方で、「(都民の)意識を変えないといけないが、実際に決まればワーッと盛り上がると思う」とも語った。
(ここ、および以降の引用箇所の強調等は、引用者による)…はぁ?
この人物は、都民を贅沢呼ばわりできる立場なのか?
それに、なんで、都知事に意識を変えられなきゃいけないのだ?
そして、これまでに発言していた「五輪招致できなかったら責任を取る」について、真意を問われて答えたそうな。
「大変失礼な質問で、それに答える方がバカ。そりゃ責任は感じるが、東京が崩壊するわけじゃない。それ以上は聞かないで」とかわした。
…なんか、もう、つっこみを入れるのも脱力する台詞だ。
では、見送っていた6月6日付でMSN産経に出ていた都知事会見詳報『
「世論はそっぽ向いていない」東京五輪招致』から、
「東京五輪に対する国民の支持率の低さを実感することはあるか?」に対する、イシハラトチジのお答え。
「ありますね。だいたい日本人の人情っていうかね、東京の人のメンタリティってのは、非常にぜいたくになってるからね。あの、やるならやれと、見に行ってやるからってな所があってね。あのむしろ東京以外の地方の人たちの支持率が高い。
…「東京以外の地方の人」の支持が高いイベントをやるんだったら、東京でやる必然がないのでは? この人、東京都の知事じゃなかったっけ?
これはやっぱり残念なことですよね。みんなその他人事って思って、自分はこう、シラっと眺めてる、肩越しに。やっぱりね、国民全体のお祭りなんだから。町でいろいろ夏祭りがこれから始まるけどさ、おみこし担ぎに行くときにね、やっぱりおれ知らんって、家の中でテレビ見てるってのはね、やっぱり、町内練り歩く、テレビ出てさ、拍手もして見送るのが非常にそれがさ、人情ってもんじゃないのかな」
この人の言う「人情」って、自分が言い出したイベントに乗ること?
どこかの「愛」とよく似ているな。
「これはね、まあ、一部のメディアなんかが『国民がそっぽ』なんて書いて、そっぽじゃないんだこれ。そういう足の引っ張り方するなよ、ほんとに。ほんとに腹立たしいね。
…私、ニュースをほとんど見てませんけど、そっぽ向いてますが。東京でオリンピックやる必要があるとは思ってないから。
同じ日本人がやろうとしてることじゃないか。
いきなり、日本人全体の話に持って行かれてもね。
しかもだね、技術的にはやっぱり最高の点がついたってことはね、この東京だけじゃなしに、首都圏全体がやってる環境の行政なんかでも評価を受けたってことでしょ。東京が従来やってきてる水道の水だけど、世界中にこんなきれいな水ないんだ。だから東京水って売ってる。同じホテルでも安く売ってるんでね、東京では売れてますよ」
…んじゃ、東京以外の首都圏でオリンピックすればいいのでは? (ご近所の皆様は嫌がると思うけど(^^;)
「で、こういうものをね、みんなそれぞれ努力して、まあ頂いてる税金を有効に使っているんだから。やっぱり相対的に眺めて、満足して評価してもらいたい。そういうものの上に東京の評価ができてるんでね。まあ、オリンピックやるなら勝手にやれってもんじゃないと思うんだなあ。
勝手にやれ、じゃなくて、勝手にやろうとするな、と、ここにいる都民は思っている。
そういう連中は、オリンピック開催されたら、テレビ見ないわけじゃないでしょ。だからね、メディアもね、国民がそっぽじゃないんだよ。そっぽじゃないんだよ、これは。みんな関心を持ってみてるんだよ。ただ、どうやって手を貸そうかなって事で。これから機運が高まって、必ずそれはやっぱり東京の人も日本人もみんなでやろうって事になりますよ。僕はそういう意味で日本人を信じている。メディアはあんまり信じてないけどな」
…勝手に脳内日本人を信じられても、ね。
という訳で。
個人的に、
東京オリンピック誘致に反対します。…そしてもう一件。
少し前に報じられていたこの件もついでに。
6月1日10時0分配信 日刊ゲンダイ、
『
石原都知事カンヌで笑い者になる』から。
●なんでこんなところに移転するの?
来日していたのは、米テキサス州のテレビ番組クルー「ARTS+LABOR」のスタッフ。環境基準の4万倍のベンゼン、900倍のシアン化合物などの猛毒地帯にわざわざ市場を移すことが信じられないというのだ。
…普通、そう思うだろうなぁ。
撮影に立ち会った「築地市場を考える会」の野末誠氏がこう言う。
「彼らは世界に4台しかないという貴重なカメラ1台を持ち込み、マグロのセリ、仲卸など、市場のすみずみを熱心に撮影していた。海上から築地や、問題の豊洲地区を丹念に写して『築地がなくなったらどう思うか』『築地の街の魅力とは』などと聞いてきました。豊洲地区では『なぜこれほど汚染がヒドイ場所に移転するのか。何か裏があるんじゃないか』とも言っていた。『米国ではこんな場所の移転は考えられず、大問題だ』とも。取材内容は2時間程度にまとめてカンヌ映画祭に出品するそうです」
…はぁ。
という訳で。
個人的に、
やっぱり、中央卸売市場築地市場の豊洲移転に反対します。
当ブログ内での先行エントリ;
・2008/05/19付『
中央卸売市場築地市場の豊洲移転に反対 』
・2008/05/20付『
中央卸売市場移転予定地・江東区豊洲の土壌汚染調査結果報道メモ 』
(某所の毒にあたって追記終了が遅れたけど、とりあえず追記済み@6/14、これに伴ってエントリ日付も6/12 12:30から6/14 12:30)。
2008/02/02付のエントリ;『各国政府によって出された公式謝罪の数々』に、
ゴンベイ様より『カナダが再び公式謝罪?』と題してお知らせいただいた情報。
上記エントリでは1998年にカナダがネイティブアメリカンやイヌイットの皆様に公式謝罪していたはずではあるのに、Stephen Harperカナダ首相
(*)が6月11日に公式謝罪をしたとのこと。
ゴンベイ様よりお知らせいただいたURLは以下の通り。
guardian.co.uk, UK - PM to apologise for Canada's treatment of native Americans
Bloomberg - Harper Apologizes for Abuse of Canada's Aboriginals
Globe and Mail, Canada - Canada apologizes
Xinhua, China - Canadian PM delivers official apology for native residential ...
National Post, Canada - Residential schools ‘a sad chapter in our history,’ Harper tells ...
そして、ざっと検索しただけでも、ぞろぞろ報道が続いているので、ちょっと情報収集の後、このエントリは書き直し予定(^^;
(以下、追記6/13分)
もちろん期待していたが(笑)、おこじょさんがThe New York Timesの報道で紹介してくださっていた。
『
おこじょの日記』さんの『
先住民に謝罪する、ハーパー首相』
カナダ政府の情報と、「首相の演説に応えた、先住民代表のフィル・フォンテーヌ氏の演説」のリンクもあり。
(以下、追記6/14分)
謝罪の概要と、1998年にあったはずの謝罪との違いに重点を置いて報道をいくつか読んでみました。
以下、オタワ発のLos Angeles TimesでJune 12, 2008付、
『
Canada's native people get a formal apology (カナダ先住民は公式謝罪を得た)』から、下手な訳で保存。
カナダのステファン・ハーパー首相はこの水曜に、1世紀の間、寄宿学校での強制同化の期間に発生した身体的な虐待と文化的な破壊を認め、「我々の国の歴史における悲しみの章」を、国内の先住民族に謝罪した。「今日、我々はこの同化政策が間違っており、重大な被害を引き起こし、我々の国になんの価値もなかったことを認める」との彼の言明は拍手で迎えられた。
先住民の指導者と元寄宿学校の生徒達、11人は、下院でハーパー首相の前に輪になって座り、その内の幾人かは政府の最初の公式謝罪を送られたときに涙した。期待で満たされた議場で、ハーパーは慎重に練られたスピーチを読み上げながら、子ども達を両親やその文化から引き離したことや、生徒達を虐待に晒したこと、何世代にわたる問題の種をまいた事への許しを求め、頭を下げた。
1世紀以上、およそ15万人のカナダ先住民の子ども達が、市民化やキリスト教化のために、政府や教会によって経営された学校に送られた。先住民の継承された表現は禁じられた。多くの子ども達が、性的な、あるいは身体的な虐待に苦しみ、伝統的でも文化的な主流でもない育てられ方をし、家族や共同体からの結びつきを解かれた。
「『インディアン寄宿学校』政策は完全に間違っており、その政策は先住民族の文化・伝統・言語を破壊する結果をもたらしたと、今では政府は認識している」とハーパー首相は述べた。この謝罪は、カナダの歴史の暗黒の章を是正し、和解して前進する機会として、政府によって広告された。
しかし、画期的な声明の前の数時間は、先住民の指導者が、内容や許し難い怒りについて十分に相談されたかどうかが下院で議論された。ハーパー首相のスピーチの直前、野党党首は、先住民族代表たちが返答できるように議場に入れるよう導いた。
羽根飾りを纏ったチーフ・フィル・フォンテインは「testifies nothing less than the accomplishment of the impossible (ここ訳せないのでそのままで白字(^^;)」と宣言する為に起立した。彼は、1990年に虐待の体験を公開して謝罪を推進した最初の人物の一人だ。「我々に続く世代のために、我々は今日、証人となる。。。この下院は、もう決して、我々を正しい人間とする為の問題としてインディアン問題を考えないだろう。」見守る部族のメンバーが励ましのドラムを打つのに応じて、彼は述べた。「ついに、我々はカナダが謝罪するのを聞いた。」
広く呼びかけられた元児童達である生存者の何人かは、謝罪は単に、先住民族からの圧力による渋々のもので、実際に行われることもそんな程度だろうと述べていた。しかし、この謝罪は、これに先だって同化政策がもたらした害とその責任を限定しようとした政府のための、意義ある段階であると広く認められている。
1980年代後半から1990年代に、いくつもの教会が謝罪を表明した。そして、1998年には政府のインディアン・北部問題大臣が和解の声明を出した。2006年に決着した訴訟は19億ドルの補償基金を設立し、6月1日には独立した真実と和解の委員会が発足した。
しかし、水曜日のは、政府による最初の公式な、強制同化問題に対する責任を引き受け後悔を表明する声明だ。
(後略)
LATの記事は、掲載された画像も気に入ったのでスクリーンショットを保存。
(クリックで別窓にて原寸大表示)もう一件、TheSpec.comの2008年6月12日付で、
『
Broken lives, healing words (壊された生活、癒す言葉)』から、下手な訳付きで一部のみ保存。
Some Canadians might argue it was enough that in 1998, Liberal Indian Affairs Minister Jane Stewart offered a "statement of reconciliation" recognizing past mistakes and injustices. That was certainly a worthwhile effort but it does not carry the moral authority of an official apology from the head of government, representing the collective expression of a nation's acceptance of responsibility.
カナダ人の内の何人かは、自由党のインディアン問題大臣であるジェイン・スチュワートが、1998年に、過去の失策と不正義を認識した「和解の声明」を提示したことで充分だと考えるかもしれない。たしかに、それは意義ある努力であったけれども、それは政府の首脳による公式な謝罪としての道徳的な権限をもたず、国家の責任を受容する集合的な表現だった。
…という訳で、1998年のは、謝罪としては曖昧な位置づけにあったようでした。
* コメント欄にて「カナダ大統領」と誤記載していたことをご指摘いただき、修正しました。
ご指摘ありがとうございました。
(書き直し済み@18:30) アイヌ民族に関する国会決議を受け、政府の公式文書となる町村官房長官名義の談話にアイヌ民族を先住民族と認識していると明記したという話を目にしたので、探してお持ち帰り。
共同通信2008/06/06 20:16付、
『
官房長官談話全文 アイヌ民族について』より、
本日、国会において「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が全会一致で決定された。
アイヌの人々に関しては、これまでも1996年の「ウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会」報告書などを踏まえ文化振興などに関する施策を推進してきたが、本日の国会決議でも述べられているように、わが国が近代化する過程において、法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたアイヌの人々が多数に上ったという歴史的事実について、政府としてあらためて、これを厳粛に受け止めたい。
また政府としても、アイヌの人々が日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族であるとの認識の下に、「先住民族の権利に関する国連宣言」における関連条項を参照しつつ、これまでのアイヌ政策をさらに推進し、総合的な施策の確立に取り組む所存だ。
このため、首相官邸に有識者の意見をうかがう「有識者懇談会」を設置することを検討する。その中で、アイヌの人々のお話を具体的にうかがいつつ、わが国の実情を踏まえながら、検討を進めてまいりたい。
アイヌの人々が民族としての名誉と尊厳を保持し、これを次世代へ継承していくことは、多様な価値観が共生し、活力ある社会を形成する「共生社会」を実現することに資するとの確信のもと、これからもアイヌ政策の推進に取り組む所存だ。
…これで日本が近代国家の仲間入りに一歩近づいたのは確かで
(近ごろ皮肉や修辞表現を解さない人が多いらしいので、念のために書いておくけど、これは皮肉です)毎日新聞の2008年6月7日付の『
アイヌ先住民族 歴史的な前進を評価する』と題された社説でも
民族の共生に向け、意義ある一歩である。アイヌ民族を「先住民族」と認め、政府に総合的な施策を促す決議が6日の衆参本会議で全会一致で採択された。これを受け、これまで態度をあいまいにしてきた政府も先住民族との認識を初めて表明した。この動きを歴史的なものとして評価したい。政府は近く設置する有識者懇談会を通じて先住権を具体化する手続きを速やかに進め、アイヌの人々との共存に必要な施策を実現すべきである。
と、冒頭で評価している。しかし、末尾ではこうまとめる。
また、決議では、アイヌの人々への過去の収奪や文化破壊などのくだりが自民党との調整過程で削除された。歴史認識をどう整理していくかも今後の重い課題である。
中曽根康弘首相(当時)が「日本は単一民族」と発言し物議をかもしたのは86年。20年以上を経ての決議と政府見解は「多民族国家・日本」について考えるまたとない機会でもある。断じて北海道の地域問題ではない。国民全体に投げかけられたテーマだ。
そして、伊吹文部科学大臣(当時)が2007年2月25日に「
日本は大和民族がずっと統治してきた。極めて同質的な国。」と、人権メタボと併せて発言して物議を醸したのは記憶に新しい。自民党首脳部の認識が、86年から劇的に変わっていると期待できるかは疑問だろう。
というような危惧は、以下のような報道を目にすると、とても妥当なものである気がしてくる。
まず、福田首相は6日の決議採択後に記者団に「昨年の国連宣言の意義をよく考えて有識者懇談会で議論してほしい」と述べたそうだ。その有識者懇談会に関して、上記談話の名義人である町村官房長官は「懇談会の中でアイヌの人々の話を具体的に聞きつつ、わが国の実情を踏まえながら検討を進める」と表明し、記者会見で「今の政策以外にどこまで広がるか、懇談会でも判断をいただき、政府でも考える」と述べたという。
しかし、町村官房長官は『懇談会の規模は「数人」とし、
アイヌ民族の参加については「必要なときに意見をいただく」と述べ、メンバーとして加えることには消極的な姿勢を示した』とも報道されている。これらは、北海道新聞2008年6月7日付の『
アイヌ民族決議 首相「懇談会で議論」 メンバーは数人規模』の情報。
そして、さらに微妙に見える記述が読売新聞2008年6月6日20時20分付『
「アイヌは先住民族」と認定…官房長官談話』にあった。
懇談会は官房長官の私的諮問機関とし、メンバーは北海道の高橋はるみ知事を含め7人前後とする方向だ。
これでは、政府の方針が、当事者はできるだけ抜きにしつつ、仕方ない部分だけオブザーバー参加にしたい様である、と見えても仕方ないだろう。
当然、
「当事者抜きの議論はおかしい。アイヌ民族の代表を複数入れて、政府、有識者の3者で検討を進めていくことが大切」
「自分たちのことを話し合う場にアイヌ自身が参加できないとしたら納得できない」
と、当事者からの異論が相次いだと報道されている。また、
アイヌ問題を検討する政府の有識者懇談会は95年にも設置されたことがあるが、この時のメンバーにアイヌ民族は選ばれなかった。同懇談会はアイヌの「先住性」「民族性」を認め、北海道旧土人保護法に代わるアイヌ文化振興法制定のきっかけとなったが、先住民族認定は実現しなかった。(略)
今回の国会決議を主導した超党派の議員連盟「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」の会合でも、アイヌ民族のメンバー入りを後押しする発言が相次いだ。民主党の鳩山由紀夫幹事長は「懇談会ではアイヌの代表がど真ん中に座って発言すべきだ」、新党大地の鈴木宗男代表も「懇談会のメンバーは3分の1がアイヌ民族かその関係者とすべきだ」と主張した。
とのこと。しかし、
政府が警戒するのは、先住民族認定が国連宣言に盛り込まれた土地や資源、自治など46項目に及ぶ権利要求につながることだ。町村信孝官房長官は6日の記者会見で「ウタリ協会の方は国会の議席がほしいとか、土地をどうかしてくれとか、そんなことまで要求していないと聞いている」とけん制してみせた。
のだそうな。
(以上の引用は、毎日新聞2008年6月7日付『アイヌ国会決議:懇談会参加めぐり、駆け引き』から) ……2007年9月に国連総会で「先住民族の権利に関する国連宣言」が日本も賛成した上で採択された事を思い出して、当事者の意見を言い訳程度にしか聞かないのでは?と見えるような「有識者懇談会」状態は避けた方がいいのではないか。
そして、この報道もメモ。
毎日新聞2008年6月7日 地方版
『
アイヌ民族:先住民決議 厳しい生活実態、実効性ある施策を /北海道』
道調査では、生活保護を受けているアイヌの割合は1000人あたり38・3人で、平均(24・6人)との差は13・7人もあった。今も「仕事がなく、職場を確保できるよう保護策をしてほしい」(帯広市のアイヌ)という声が根強い。
また、アイヌは高校進学率が93・5%、大学進学率が17・4%で、平均よりもそれぞれ4・8ポイント、21・1ポイントも低い。アイヌが必要としている対策(複数回答)では「教育の充実」が78・6%でトップ。このほか▽文化の保存と伝承(50・2%)▽生活と職業の安定(32・0%)▽住宅や生活環境の整備(18・7%)などと続いた。
同じ報道から、元国立民族博物館館長の佐々木高明氏のコメント、
国連宣言にあるように、少数民族は自決権を持っている。自決権といっても「北海道を(アイヌに)返還せよ」という主張は現実的ではない。また、国会にアイヌの特別議席を置くことも「すべて国民は法の下に平等」とうたう憲法の観点から見ても難しい。日本の実情に応じて、少数民族のどのような権利を実現させるか、国民的理解を積み重ねていく必要がある。世界的に見れば、日本人も少数民族だ。「少数だ」「多数だ」という議論は相対的なとらえ方でしかない。国際交流の進んだ現代だからこそ、少数の意見を尊重することは、やがて一人一人の権利擁護にもつながると考えるべきだ。
本日、6日午前中に参議院で全会一致で採択。午後早々に衆議院でも採択。
ネット版で確認できた限りでは第一報は朝日新聞だったが、その後出た毎日新聞の方が報道が詳細であり、その前後にでていた報道も、この件に関しては毎日新聞が非常に熱心。北海道新聞すらも、毎日新聞よりは簡単な報道だったので、以下、毎日新聞の報道の引用ばかりになってしまった。
なお、毎日新聞の参議院採択報道
(後に同じURLの報道で衆参両院の報道に切り替わった)で掲載されている(参議院で)「採択され、笑顔で握手するアイヌ民族の関係者ら」の写真撮影時間は2008年6月6日午前10時18分付だった。午後の早い時点で「衆参両院で採択」との報道に切り替わっていたので、衆議院の採択時間は不明。
採択された決議案の全文を、毎日新聞 2008年6月6日 北海道夕刊、
『
アイヌ民族:先住民族認定を求める決議(全文)』からお持ち帰り。
以下は『
参院本会議で6日採択された「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」の全文』とのこと。
昨年9月、国連において「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が、我が国も賛成する中で採択された。これはアイヌ民族の長年の悲願を映したものであり、同時に、その趣旨を体して具体的な行動をとることが、国連人権条約監視機関から我が国に求められている。
我が国が近代化する過程において、多数のアイヌの人々が、法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたという歴史的事実を、私たちは厳粛に受け止めなければならない。
全ての先住民族が、名誉と尊厳を保持し、その文化と誇りを次世代に継承していくことは、国際社会の潮流であり、また、こうした国際的な価値観を共有することは、我が国が21世紀の国際社会をリードしていくためにも不可欠である。
特に本年7月に環境サミットとも言われるG8サミットが、自然との共生を根幹とするアイヌ民族先住の地、北海道で開催されることは、誠に意義深い。
政府は、これを機に次の施策を早急に講じるべきである。
1 政府は、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」を踏まえ、アイヌの人々を日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族として認めること。
2 政府は、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が採択されたことを機に、同宣言における関連条項を参照しつつ、高いレベルで有識者の意見を聞きながら、これまでのアイヌ政策をさらに推進し、総合的な施策の確立に取り組むこと。
右決議する。
衆議院の決議案文面はこちらに出てくるはず ー>
(第169回国会 議案の一覧)。
報道としてはこれより前の毎日新聞2008年6月6日11時20分付『アイヌ民族:「先住民族」決議…参院、全会一致で採択』が14時04分に更新されたものが、
『
アイヌ民族:「先住民族」初の国会決議、衆参両院で採択』
(午前中に上げた暫定エントリで引用していたものが、これ)。
(略) 決議は昨年9月に国連で「先住民族の権利宣言」が採択されたことにより、具体的な行動が求められていると指摘。「我が国が近代化する過程において多数のアイヌの人々が差別され、貧窮を余儀なくされたという歴史的事実を厳粛に受け止めなければならない」とし、先住民族としての認定と総合的な施策の確立を政府に求めた。
これを受け町村長官は「政府としては独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族との認識のもと、国連宣言を参照しつつ、これまでのアイヌ政策をさらに推進し、総合的な施策の確立に取り組む」と表明。政府はこれまでアイヌ民族について「先住性」は認めてきたが、「先住民族」との認識を示したのは初めて。
アイヌの法的位置付けをめぐっては、1世紀近くにわたり差別の根源とされた「北海道旧土人保護法」に代わり「アイヌ文化振興法」が97年に制定されたが、先住民族としての認定は避け、アイヌ語の普及や伝統的な歌や踊りの継承を目的とする内容にとどまった。そのためアイヌで作る北海道ウタリ協会は「先住性」を基に独自の文化や生活の保護・再生を進める総合的な施策の拡充を求めていた。(後略)
…以上は、暫定アップ時のと同じ文章。
同じ報道で、もう1箇所面白かったのが『国連宣言の「外圧」で動く』と題された解説、
(以下、強調等は引用者による)(略)昨年9月に国連で採択された先住民族の権利宣言、7月にアイヌの先住地・北海道で開かれるサミット(主要国首脳会議)という「外圧」が国会を動かしたとも言える。今後は政府がサミットまでに先住民族認定に踏み切るかが焦点となる。
(略)
当初の原案にはアイヌの歴史に関し「労働力として拘束、収奪された」「『同化政策』により伝統的な生活が制限、禁止された」などの記述があったが、自民党内の反発で削除された経緯もある。
国連宣言は土地権や自決権、教育権など、先住民族の権利として46項目を挙げている。政府は今後、有識者会議で具体的な先住権の中身を検討することになるが、国連宣言に賛成しながらアイヌの先住権を認めない「内と外の使い分け」はもう許されない。(後略)
ちなみに、これに先立ってでていた報道、毎日新聞2008年6月6日付の
『
アイヌ国会決議:ウタリ協会・加藤理事長「サミットで先住民族認定を」』で、ウタリ協会の加藤理事長が、
ーー国会決議をどう受け止めますか。
◆歴史的な1ページだ。国会が明治維新から140年間続いたアイヌ民族への不正義を認めてくれることになり、本当にうれしい。
(略)
ーー政府が先住民族と認定しないのは「土地を返せ」「国会に民族議席を認めろ」といった要求が出てくるのを恐れているからとも言われます。
◆「土地をよこせ」とウタリ協会は言ったことはない。アイヌ文化振興法制定のときも国の実情に合った施策を進めることで内容が決まった。目先のことを望むのではなく、長いスパンを考えて対応したい。
と語っていたそうで、採択後の報道『
アイヌ民族:苦難の歴史かみしめ…民族衣装で国会傍聴 (毎日新聞2008年6月6日13時54分 最終更新6月6日15時27分)』で「本当に感動した。涙が出て止まらなかったが、この涙は苦しい歴史を強いられてきた先祖のもので、これからも頑張っていきたい」と、大変喜んでらしたそうである。ただし、加藤理事長のをはじめとする喜びの声が紹介される一方で、
評価と歓迎の声の一方で、今後の政府の取り組みには注文の声が相次いだ。先住民族としての認定や具体的な権利確立は、政府が設置する「アイヌ有識者会議」(仮称)で議論されることになる。
平取町の元町議、貝沢薫さん(71)は「国会決議が骨抜きにならないよう、政府の動きを注意深く見守りたい。今回のチャンスを逃したら、永久にアイヌの権利はなくなってしまう」と警戒する。萱野志朗さんも「このタイミングで決議されるのは北海道洞爺湖サミットがあるからだろう。『ジェスチャー』で終わったら困る」とクギを刺した。
という、ごもっともな声も紹介されていた。
さて、では、福田首相のアイヌ民族の皆様への謝罪スピーチですね。
オーストラリアのラッド首相が議会で、アボリジニの皆様へ、過去の政府の間違った政策について公式謝罪したみたいな、格調高いスピーチ。
え?しないの?
じゃ、次はこれまた外圧がかかっている「慰安婦」被害者の皆様への公式謝罪とか?
それから、ウチナンチュの皆様へも当然、、、え?
え?
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参考に見て回ったページ;
・
ニュースがわかる:世界の先住民族 (毎日新聞)の「
世界の先住民族」
…ページ冒頭を飾る、威風堂々とした白髯のアイヌの長老の写真が一見の価値有り
(一部の人が萌えそうだ)。
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社団法人 北海道ウタリ協会こちらもページ冒頭を飾る写真は(ry
・
アイヌ民族博物館ホームページ__________________________
当ブログ内での先行エントリ;
・2008/05/26付『
「アイヌ民族を先住民族とする国会決議案」の要旨 』
・2008/05/25付『
日本の先住民族決議案 』
・2007/08/21付『
どこかで見たような 』
(アイヌ民族を含むナショナル・マイノリティや、その他の人種主義、人種差別、外国人嫌悪などに関する国連特別報告者ドゥドゥ・ディエン氏のレポート等を紹介)