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文化の日といえば 

 文化、といっても様々な文化があるが、ここのブログが最も重視している文化の一つは食文化である。ブログを書いている本人が断言するのだから間違いない。

という訳で、しばらく前から試作してきたネタの一つを。


 既に一度書いたが、チーズケーキが好きだ。だから、喫茶店等でケーキセットを頼む時には、チーズケーキを頼むことが多いが、

左がレアチ、右が焼きチ、もちろん私が一人で食べましたがなにか?
美味しいんだけど酸味が強いなぁと思うことがしばしばある。自分で作った方が旨いと思っているのではあるが、これが幸せなのか不幸なのか今ひとつ解らない。少なくともコスト的に安上がりという訳では特にない。チーズケーキに使うチーズ、たいていはクリームチーズ、それに生クリームを、それも、それなりの味に仕上がる材料をそろえるのにはそれなりにコストがかかるのだ。だから、自分の収入がない当時はなんとか安くあげようと、図書館で読みあさった知識を元に、いろいろと妙なことを試した経験はたんまりあって、どうも、いまだにその習慣を一部引きずっている気配がある。

 さて、この数年というもの、我が家ではずっとカスピ海ヨーグルトを飼っている。酸味もまろやかなまま、ちゃんと粘りのある状態で植え継げているヨーグルトである。ヨーグルトが常備されているというのは、思い立った時にラッシーを作ったり、カレーに入れたりもできるので、なかなか便利。ある時、ふと思いついて、こんな事をしてみた。

コーヒーフィルター転用
 CookPadあたりを見ると、こういうものは単に「水切りヨーグルト」と呼ばれるようだが、私が昔どこかの図書館で借りて読んだチーズの本では「牧場のチーズ」なる名称でよんでいた。ソフトチーズの路線だと、カテージチーズは脱脂乳をレモン汁などの酸を加えて加熱して作るが、クリームチーズは乳酸発酵させて作る。ハードチーズのようにレンネット等は使わないのだ。そこらで売ってる成分無調整の牛乳は乳脂肪3.6-3.7%ぐらいの表示のようだが、クリームチーズの原料は牛乳と生クリームで12-18%に調整するという。つまりは生クリームを添加すりゃ、クリームチーズに近いものは実は家庭でそれなりに手作りできるものなのである。

 それはともかく、水切りヨーグルトは蜂蜜と練乳を混ぜてパンに塗って美味しくいただいた。



 さて、先日、チーズケーキが食べたい症状が発症してネットでチーズケーキ関係の情報を見て回った時に、何故か頭に引っかかってきたチーズケーキがあった。それがこちらのNYシェフ直伝のリコッタチーズケーキなるもの。こちらの記事ではレシピそのものは掲載されていなかったが、近い配合としてこちらのレシピが紹介されていた。

 リコッタチーズ、しばしば名前は目にするソフトチーズだが、余り意識したことはなかった。だって、材料ショップで目にしても、高かったから。Cuoca価格で250gで851円とか、250gで1260円とか(kiriクリームチーズなら200gで473円)。この価格をわざわざ通販で買ってまでは…と思っていたのだが、ネットで見て回るに、イタリアでは家庭で手作りするらしい。既にチーズを作った後のホエー(チーズから分離させた水分)を再加熱して作るという話だが、ホエーはそうそう日本の家庭にはない。

 と思って、ふと気づくに、ヨーグルトを水切りした時に、切られた方の水分。これだっていわゆるホエーだ。しかし、このホエーは既に固まり部分を分離させた後。これを加熱したところで何も固まらないような気は凄くする。というか、そもそも、ホエーというのはすべからくそういうものでは無かろうかと思いながら、なんとなくリコッタチーズの作り方を検索をはじめてしまった。すると、なんのことはない、ゾロゾロとリコッタチーズの作り方情報が得られるではないか。ざっと見て回るに、日本でリコッタチーズを作っているヒトはたいてい、牛乳にレモン汁を加えて加熱しているようだ。また、本場の作り方にしても、ホエーに牛乳を加えて煮ると書いてある情報もあるようだ。なるほど、ホエーに残った蛋白を凝固させる成分、多くの場合は乳酸だろうが、それの再利用という寸法らしい。

 なら、ヨーグルトを水切りした後の水分、これを使えばいいなと思ったのだが、ここで考え直した。何もヨーグルトを水切りして、ホエーをわざわざ作って使うことはない。ヨーグルトに牛乳を入れればいいだけの話だ。

 という訳で、やってみた。ヨーグルトと牛乳は重量で同じだけぐらいがいい感じだった。それより牛乳を増やすと、ホエーがやたらと白くなってしまう。使う鍋は、酸に強い材質のものを。あわせて強い目の中火にかけるとしばらくすると鍋の縁沿いあたりから、チーズが分離し始める。そうなると火を弱め、真ん中と端を入れ替えるぐらいの感じでゆっくりかき混ぜ、全体がもろもろに分離すると火から下ろす。

これぐらい
がんがん沸騰させちゃう派のリコッタチーズ作者もいるようだが、沸騰させるとチーズが硬くなるようなので、私は沸騰させてない。また、牛乳の臭みをとるために塩をひとつまみ入れる派もいるようだが、私は忘れてしまうのでいまだかつて入れたことはない。臭みはよく解らない。

 火から下ろしたら、晒しを敷いたざるに空けてホエーを分離させる。ちなみに、カスピ海ヨーグルトだけを水切りした場合のホエーは何故か苦みが出て余り美味しくないが、このリコッタチーズもどきのホエーは飲みやすくて美味しいのでお気に入りである。できあがったリコッタチーズも、昔作ったカテージチーズよりもずっと美味しい。なんとなく、ヨーグルトというのは、牛乳よりなにかの旨味成分が増えてるんじゃないかと思えるんだが、それが旨く活きてる感じで、このリコッタチーズもどき自体、かなり美味しい。それに酸味が淡いところも食べやすいし。ちなみに、500g弱のヨーグルトと500gほどの牛乳で400gぐらいのリコッタチーズもどきができるぐらいのペースである。もちろん、水切りを甘くすればもう少したくさんできるし、生クリームを牛乳に混ぜればふどまりが上がりつつ、より美味しくなる(そしてカロリーも高くなる(^^;)

 さて、できあがったリコッタチーズもどきは、当然、上でリンクを貼ったレシピを参考に、チーズケーキに仕上げたいところではあるが、元レシピは大変気合いの入った量なので、スケールダウンと若干変更して作る。

 クラスト部分は、イタリアらしく(?)おからのビスコッティを使ってみた。ただし、卵一個の所を某事情により卵白一個分。フィリングは、リコッタチーズもどきを400g分、よく練り、キビ砂糖60gと蜂蜜10gを加えてよく練り、白っぽくなるまで泡立てておいた卵黄2個を加え、これまた泡立てておいた卵白1個をさっくり混ぜ込んだ。

それから、バニラエクストラクトを小匙半分。これを180度で40分。


直径20センチの丸形ホール

 生クリームが入っていないのに、コクのある大変美味しいチーズケーキに仕上がったのであった。酸味が淡いところや、甘みが控えめなところも、私好みの仕上がり。問題は、だから一気に大量に食べることが可能な点ではある(^^;

で、この文化の産物にて、チーズフリークとこの前ブコメで発言していたにお礼参りのテロ返し。
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ユーザータグ:  食い意地テロ
[ 2010/11/03 22:06 ] 小ネタ | TB(0) | CM(0)

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