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ホメオパシーについて、もっと広く知られていいのではないか(その1) 

 ホメオパシーという『治療法と称する何か』の内容をはっきり知ったのは、ネットでニセ科学批判関連を見て回るようになってからだった。それまではホメオパシーなる言葉は知っていたが、和訳として当てられていることの多い「同毒療法」という理解だった。ちなみに、手元の研究社のリーダースプラス辞典では、

homeopathy
n. 【医】 類似[同毒]療法, ホメオパシー 《健康な人に疾患を起こさせる薬物をごく少量投与する治療法

とある。これにそって、減感作療法みたいなものかという大まかな理解をしていたのだ。また、ドイツでは「自然治癒を尊重した治療方針をホメオパシーと呼ぶ」風に見えるとの話もある。

 だが、日本でもそのつもりだったら、とんでもなかった。 そして、多分、私と同程度の認識で、それならいいじゃん的な受け取り方をしている人も多いのでは無かろうかとも思える。その上、芸能界から、ホメオパシー体験談がよく出てくるなど、親近感(?)に拍車をかけている、とも見えるシンガーソングライターのUA氏の場合、ともさかりえ氏らの場合、沢尻エリカ氏の場合、とか)。しかし。

「ホメオパシー」という療法があるのを最近初めて知った。同僚の小島正美記者の解説(15日付「なるほドリ」)によれば、病気と同じような症状を起こす物質を投与し、人体の反発力=自然治癒力を引き出すものらしい。

 ここまでなら「そういうこともあるか」と思うが、話はそれで終わらない。その物質は水で繰り返し薄められる。最終的には残留物ゼロのただの水に等しいものとなる。

 ただの水なのになぜ効くかというと、水には物質を記憶する力があり、それが効果を発揮するのだという。水に記憶力があるって?


毎日新聞 2010年8月18日 東京朝刊『水説:代替医療と民主党=潮田道夫』強調は引用者



 知っている人も多いだろうが、山口地裁に提訴された出生直後の児に助産師がビタミンK剤を与えずお子さんが死亡した損害賠償訴訟では、ビタミンK剤の代わりにホメオパシーのレメディを与えたのだろうとネットでは早くから指摘されていた。また、これ以外にも、結局大事には至らなかったとはいえ愛媛でのホメオパシーによる医療ネグレクトの件、ドッグトレーナーさんが報告していた、獣医師が「フィラリアの薬と、ワクチンの代わりになるホメオパシーレメディを処方した証明書」を発行していた件など、批判側からの報告も多く目にする。
 一方、ホメオパシー医学協会の発する情報を見るに、シアン化合物による食品汚染に対し「ホメオパシーでは、シアン化水素水、シアン化カリウムなどのレメディーがございます」なんて話が出てたり、口蹄疫にもホメとか発信してたり。

 山口の件の提訴が報じられて以降、被害が他にもあることが報道された。

 代替療法ホメオパシーを利用している人の中で、病気が悪化して死亡する例が相次いでいる。通常の医療は末期になるまで受けていなかった。東京では5月、国立市の女性(当時43)が、がんで死亡した。埼玉でも昨年5月、男児(同生後6カ月)が死亡した。女性の遺族らは先月、「憂慮する会」を設立し、ホメオパシー療法家らに真相解明を求めて運動を始めた。
(中略)
 さいたま市では昨年5月、生後6カ月の男児が体重5千グラム前後の低体重のまま死亡した。両親は助産師の勧めでホメオパシーに傾倒。市によると、病院での男児のアトピー性皮膚炎の治療や予防接種も拒否していたという。(後略)



 そして、朝日新聞の東京本社科学医療グループ;長野剛氏による『ホメオパシーを巡る問題(その1) 「ホメオパシー療法、信じる前に疑いを」』(シリーズ一覧はこちらから)等、良質の問題提起もなされた(毎日新聞からも出てる分は、前述済みのとその他など)。

 こんな経緯だった2010年8月24日、日本学術会議の金澤一郎会長が『「ホメオパシー」についての会長談話』(リンク先PDF)を公表して、反響が起こっている。

ホメオパシーはドイツ人医師ハーネマン(1755-1843年)が始めたもので、レメディー(治療薬)と呼ばれる「ある種の水」を含ませた砂糖玉があらゆる病気を治療できると称するものです。近代的な医薬品や安全な外科手術が開発される以前の、民間医療や伝統医療しかなかった時代に 欧米各国において「副作用がない治療法」として広がったのですが、米国では1910年のフレクスナー報告に基づいて黎明期にあった西欧医学を基本に据え、科学的な事実を重視する医療改革 を行う中で医学教育からホメオパシーを排除し、現在の質の高い医療が実現しました。
こうした過去の歴史を知ってか知らずか、最近の日本ではこれまでほとんど表に出ることがなかったホメオパシーが医療関係者の間で急速に広がり、ホメオパシー施療者養成学校までができています。このことに対しては強い戸惑いを感じざるを得ません。

その理由は「科学の無視」です。レメディーとは、植物、動物組織、鉱物などを水で100倍希釈して振盪する作業を10数回から30回程度繰り返して作った水を、砂糖玉に浸み込ませたものです。希釈操作を30回繰り返した場合、もともと存在した物質の濃度は10の60乗倍希釈されることになります。こんな極端な希釈を行えば、水の中に元の物質が含まれないことは誰もが理解できることです。「ただの水」ですから「副作用がない」ことはもちろんですが、治療効果もあるはずがありません
物質が存在しないのに治療効果があると称することの矛盾に対しては、「水が、かつて物質が存在したという記憶を持っているため」と説明しています。当然ながらこの主張には科学的な根拠がなく、荒唐無稽としか言いようがありません。

過去には「ホメオパシーに治療効果がある」と主張する論文が出されたことがあります。しかし、その後の検証によりこれらの論文は誤りで、その効果はプラセボ(偽薬)と同じ、すなわち心理的な効果であり、治療としての有効性がないことが科学的に証明されています。英国下院科学技術委員会も同様に徹底した検証の結果ホメオパシーの治療効果を否定しています。
「幼児や動物にも効くのだからプラセボではない」という主張もありますが、効果を判定するのは人間であり、「効くはずだ」という先入観が判断を誤らせてプラセボ効果を生み出します。
「プラセボであっても効くのだから治療になる」とも主張されていますが、ホメオパシーに頼ることによって、確実で有効な治療を受ける機会を逸する可能性があることが大きな問題であり、時には命にかかわる事態も起こりかねません。こうした理由で、例えプラセボとしても、医療関係者がホメオパシーを治療に使用することは認められません。

ホメオパシーは現在もヨーロッパを始め多くの国に広がっています。これらの国ではホメオハシーが非科学的であることを知りつつ、多くの人が信じているために、直ちにこれを医療現場から排除し、あるいは医療保険の適用を解除することが困難な状況にあります。またホメオパシーを一旦排除した米国でも、自然回帰志向の中で再びこれを信じる人が増えているようです。
日本ではホメオパシーを信じる人はそれほど多くないのですが、今のうちに医療・歯科医療・獣医療現場からこれを排除する努力が行われなければ「自然に近い安全で有効な治療」という誤解が広がり、欧米と同様の深刻な事態に陥ることが懸念されます。そしてすべての関係者はホメオパシーのような非科学を排除して正しい科学を広める役割を果たさなくてはなりません
最後にもう一度申しますが、ホメオパシーの治療効果は科学的に明確に否定されています。それを「効果がある」と称して治療に使用することは厳に慎むべき行為です。このことを多くの方にぜひご理解いただきたいと思います。

平成22年8月24日
日本学術会議会長
金澤一郎

(強調等は引用者)
 よく検討されたことが伺える明快な文章に一読して感服したのだが、そう思ったのは私だけではなかったようだ。日本医師会・医学会や日本獣医師会と日本獣医学会、日本薬理学会も賛同を表明。日本歯科医師会に日本歯科医学会と、次々に賛同表明が相次いだが、日本薬理学会獣医師会&獣医学会(リンク先PDF)などは、学術会議議長談話を転載して「賛同します」の表明だったのだ(^^; 下手な付け足しなどできない余地のある文章だった訳で。

 こんな急激な動きがあって、いろいろと見て回るのに忙しかったりしつつ、この、学術会議議長談話の反響の一つに言いたいことがあったのでエントリを書き始めたのだが、長くなったので、実際に「言いたいこと」の方は次のエントリにて。
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[ 2010/08/29 17:22 ] ニセ科学系トンデモ | TB(0) | CM(2)

あれまあ   No. 7119

はじめまして。
Twitter経由で参りました。

私自身、周囲のホメ信者から迷惑な行為(厚意?)を受けていて、それをあと最低1年半やり過ごさねばならず、実にばかげた努力が必要だったりするため、ホメの手口と反撃法を身につけるべく、あちこちネットを徘徊しております。トンデモさんは御しにくいものですね。

コメントを残す気になりましたのは、記事下の「Ads by Google」の広告3つのうち2つがホメのものでしたから、面白いというかなんだかなあというか…。

Googleのエンジンは情け容赦がないらしく、友人が自分が末期のすい臓がんであることをブログに書いていましたら、「すい臓がんの末期宣告」てな広告が入っていたこともありますし。

以下、きょう拝見した広告を引用しておきます。
では。

ホメオパシー商品ご自宅へ - www.homoeopathy-shop.co.uk
本場イギリスよりお届けします慢性病や様々な悩みをお持ちの方へ
レメディ通販 - www.haneyasume.jp
ホメオパシージャパンの商品を国内最低価格で。送料無料サービスも!
[ 2010/09/01 13:53 ] -[ 編集 ]

   No. 7121

>岩井さん

 初めまして、いらっしゃいませ。なんといいますか…ご愁傷様ですというかお疲れ様ですというか。あちらさんは善意で勧めてくださるのでしょうから、余計にやっかいでしょうね。

 先ほどこちらを拝読してきたところなのですが。
http://ameblo.jp/moonsun3/entry-10637048434.html
「とにかく健康な人はホメオパシーを気楽に受け入れられるし、それで体が悪くなることもない。これがホメオパシーのカラクリだ」になるほどと思っていました。

>友人が自分が末期のすい臓がんであることをブログに書いていましたら、「すい臓がんの末期宣告」てな広告が
<
 お話を伺っただけで、胸がむかつく話ですね…orz
[ 2010/09/02 18:59 ] fYTKg7yE[ 編集 ]

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