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実は2009年度も日本の順位は下げ止まってなかったジェンダーギャップ指数ランキング 

 これは、2009年10月末に「2009年は日本の順位が下げ止まったジェンダーギャップ指数ランキング」として公開していたエントリで広めた情報を修正するために公開するエントリである。この日本のジェンダーギャップ指数ランキングが2008年の98位から75位に上昇したというのは、けっこうな数のマスコミが報道し、元資料をあたってもそう書いてあったのではある。まさか、元資料が間違っているとは、一市民の身の上ではさすがにそこまで疑ってなかったのだが、世の中油断ができない。

 ジェンダーギャップ指数は経済、教育、健康、政治の4つの分野を対象としてジェンダーギャップのスコアを出し、それから算出されて男女共同参画の指標としても利用される数字で、2008年度と2009年度の変動は、上記、2009年10月に発表されたレポートでは、日本のランクやスコアは以下のようになっていた。
 RankScore
2009200820092008
Health and Survival41380.9790.979
Educational Attainment84820.9850.985
Political Empowerment1101070.0650.065
Economic Participation and Opportunity541020.678 0.544
 つまり健康関係と教育関係は一貫して高水準・政治参加は一貫して低水準で変動が無く、経済参加が大躍進していた。これを、私は2009年10月当時は、こう評していた。

報告自体を見ると、専門職あるいは技術職の女性割合は、2008年時点で「女性46:男性54」が2009年時点で「女性55:男性45」とある。そして、議員や上級官僚や企業の管理職の女性の割合は、2008年時点で「女性10:男性90」が2009年時点で「女性46:男性54」とのこと。これがもっとも大きな変動をしていた項目だ。
(中略)こんなに極端に数値が変動しているのが不思議といえば、不思議だ。特に「議員や上級官僚や企業の管理職の女性の割合」の変動があまりにも極端で。2008年と2009年、それぞれの年に在籍した比からのスコアだろうと判断しているのだが、もしかして、それぞれの年に管理職等に昇格した女性あるいは男性の比なのだろうか? それにしても変化が急激であるとは思うが。
(中略)
 …それやこれやを見渡すと、、、なんで、あんなに去年と今年で「議員や上級官僚や企業の管理職の女性の割合」が増えるのかは、やっぱり謎だと思えるのだった。来年の結果がどうなるのか、楽しみである。

 我ながら甘い書き様だ。来年まで待つ必要はなかったというオチである(^^;


 このオチを、私が知った順ではこうなる。

 先月の11日に公開したエントリ、『「国際女性の日」って?』にsatomiさんからコメントで教えていただいた。「The Global Gender Gap Report 2009」分冊(Rankings/Country Profiles)では日本の指数ランキングは75位、Full Reportでは101位」であり、分冊とFull Reportの違いは“Legislators, senior officials, and managers”のデータ部分」、そのデータ部分では「Female:Maleが分冊(75位バージョン)では46:54、Full Report(101位バージョン)では10:90」と。2009年の「議員や上級官僚や企業の管理職の女性の割合」が半々に近いほどになっていたっけ???との感想を持っていた私としては、10:90の方が納得したのであるが。

 そしてだめ押し。4月1日にいつもいろいろご教授いただいている遠山日出也さんからも教えていただいた。日本のジェンダーギャップ指数ランキングは、やはり75位ではなく101位と訂正された、と。
 遠山日出也さんから教えていただいた情報は、「NWEC 男女共同参画統計ニュースレター」第2号に杉橋やよいさんによる報告「世界ジェンダー格差指数GGGI(2009 年)の日本の順位-75 位から101位へ訂正-」の掲載と、4月5日付の読売新聞報道。そのほか、アジア女性資料センターでも5日付で「世界経済フォーラム:日本の男女平等度を下方修正」として記事にしていた。「75位に順位上昇♪ 」の時は、各社一斉に報道した癖に、「101位に下方修正~」では報道は一社のみで、実にひっそりしている。せっかくの読売報道から引用してみよう。

 (略)日本は2009年に134か国中75位とされたが、国内の女性団体などの指摘を受けて、先月末に101位と訂正された。
(略)
 日本は、80位(06年、115か国調査)、91位(07年、128か国調査)、98位(08年、130か国調査)と年々順位を下げ、先進国中最低レベル。特に経済、政治分野の遅れが目立っていた。

 ところが、昨年10月末に公表された指数は一気に順位を上げ、75位。特に経済分野での「専門的・技術的職業従事者」の女性割合が前年の69位から1位に、「弁護士・政府高官・経営者」の女性割合が同101位から6位と急上昇していた。

 これに対して、働く女性で作る市民団体「ワーキング・ウィメンズ・ネットワーク(WWN)」が「現実とかけ離れたランク付け」と指摘し、国連や国の統計を引用して質問書を送るなど、国内から疑問の声が上がった。

 また金沢大准教授の杉橋やよいさん(経済統計学)も「引用データが誤っているのでは」と、国際労働機関(ILO)のデータベースを用いて再計算、指数の誤りを指摘する質問書を送っていた。

 杉橋さんに対して同フォーラムから回答があったのは先月24日。指摘通りに数値を修正し、順位を訂正する内容。同フォーラムのホームページ上で、日本は101位に下げられた。

 杉橋さんは「国の白書にも引用される順位で、影響力が大きい。修正は仕方がない」とし、WWNの越堂静子さんも「不名誉な訂正だが、現実が反映された」と話している。

 強調は引用者。確かに現実とかけ離れた数値であったのだがまさかこんなこととは。指摘の行動を起こされた皆様、お疲れ様でした。そして、ありがとうございます。

 さて、「The Global Gender Gap Report 2009」の在りかはこのリンク先。右カラムの「Gender Gap 2009 Downloads」から、訂正済みの「Full Report (PDF)」もあるし、確認すると未だ訂正されてないから味わい深い分冊「Country Profiles and Highlights」(このリンク先からJapanのPDFがダウンロードできる)

 訂正後のランキングをみてみよう。日本が訂正前にランキングされていた75位の周辺では、71位にベトナム、72位にイタリア、73位にタンザニア、74位にチェコ、75位にガンビア、76位にマラウィ、77位にマダガスカルといったところだ。そして、訂正後の101周辺では、92位にインドネシア、93位にバングラデシュ、94位にブルネイ、95位にジンバブエ、96位にモーリシャス、97位にケニア、98位にメキシコ、99位にモルジブ、100位にマレイシア、102位にセネガル、と。この辺がジェンダーギャップ指数仲良し組という訳になる。

 そして、「Gender Gap Subindexes」をみてみると。訂正後版の「Educational Attainment」と「Health and Survival」と「Political Empowerment」の数字は変わっていない。結局、75位大躍進の原因となった「Economic Participation and Opportunity」が問題と言うことで、2008年度、2009年度訂正前を打ち消し線付き、2009年度を並べてみてみよう。
 RankScore (av)
200920092008200920092008
Economic Participation and Opportunity108541020.5490.6780.544
Labour force participation8383760.720.720.72
Wage equality for similar work (survey)9999930.590.590.59
Estimated earned income (PPP US$)100100960.460.460.45
 この辺は、順位はともかく、内訳は訂正後も変動なし。

 ということで、結局、変だったランキングで「今回の躍進の原因となる項目」で絞り込まれた二項目が訂正された訳だ。
 RankScore (av)
200920092008200920092008
Legislators, senior officials, and managers10961010.100.860.11
Professional and technical workers771690.861.000.85
 割合に関しては、専門職あるいは技術職では、2008年時点で「女性46:男性54」が2009年時点ではやっぱり「女性46:男性54」とある。そして、議員や上級官僚や企業の管理職の女性の割合は、2008年時点で「女性10:男性90」が2009年時点でもやっぱり「女性10:男性90」。やっぱり何も改善しちゃいなかったって事だ。

 これも、遠山日出也さんから教えていただいていた、2009-11-1にWANに掲載されていた世界経済フォーラムへの質問(このあと英訳して送ったようだから、ずいぶんリアクションには時間がかかったようではある)にはこんな一節があった。

ところが、その内訳をみますと、「女性幹部の登用」は、2008年は101位であったのが、2009年は、6位にランクされています。すなわち、女性の男性に対する割合が、2008年は、0.11であったのに対し、今年は、0.86と大きくImprove したことになっています。
 日本の働く女性にとって、このランク付けは、非常に、現実とかけ離れたものであると疑問を感じました。
 なぜなら、下記、2008年秋に内閣府が発表した資料によると、日本の管理的職業従事者は、男性1,570千人、女性は160千人。男性割合90.8%、女性割合9.2%です。
 さらに、国連・Human Development Reportによっても、2008年の女性幹部の登用率は10%で、2009年は9%と下降しています。

 まったくもって現実は相変わらず、むしろ順位は下がっていた訳だ。そして、目の前には、おそらくは当分は改善しないだろう、あるいは、もし改善したとしてもほんの微々たる改善だろうなと、感じざるを得ない現実があるような気がする。

 海外からは異様に見えても、エライ人がおじさんばかりというのは日本ではおなじみの光景だ。最近、母性幻想の成り立ちを追いかけておぼろげにわかってきたのだが、おそらく彼らは差別をしているつもりはないのだと思う。女は家事と育児に専念し、その合間にオシャレでもしていれば、それで幸せなのだと本気で信じているだけなのだ。


 それは、私にもおなじみの光景であり、首肯する解釈なのだから。



 このエントリの元となる大変貴重な情報をコメント欄にて提供してくださったsatomiさんと遠山日出也さんに深くお礼申し上げます。ありがとうございました。
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[ 2010/04/07 20:19 ] ジェンダー関連? | TB(2) | CM(3)

   No. 6916

碧猫さん、こんばんは。
お礼だなんて、いやもう、とんでもないです。
力作、重宝させていただきます。
(早いとこ便乗エントリーを書かねばっ。^^)

[ 2010/04/08 21:27 ] FrWBY6Vs[ 編集 ]

データの誤りだったとは   No. 6917

やはり順位は低かったのですね.「偉い人たち」の中に男女半々ぐらいとはどうしても思えなくて,奇妙だとは感じてました.
しかし,権威ある国際機関のデータに誤りを見つけようとはふつう思わないから,気づかなくても無理がないです.
実は,何年か前の SIPRI (国際平和研究所) の年鑑に記載された統計データに誤りがあるのを私の教え子が見つけて,訂正させていました.
http://www.sipri.org/
[ 2010/04/09 09:22 ] KiD8ElgI[ 編集 ]

   No. 6919

>satomiさん

 杉橋准教授に対して世界経済フォーラムから回答があったのは3月24日と報道されているので、最初にsatomiさんが「Full Reportでは101位」とご指摘の3月12日ってすごく早いんですよね。すごいなぁ、と、あとから感心しておりました(^^;



>三ねんせいさん
>「偉い人たち」の中に男女半々ぐらいとはどうしても思えなくて,奇妙だとは感じてました
<
 いや、まったく(^^; 1年でそんな急激に変わっているのって、生活実感からかけ離れてはいたんですけどね。気がついた人がすごいし、それをきっちり指摘してらっしゃるから、もっとすごいですよね。
[ 2010/04/09 18:19 ] fYTKg7yE[ 編集 ]

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