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堂々巡りではなく 

 以前、このブログのお客様がフェミニズム関連の話題は「同性でも理解が求めがたく、孤独」とコメントしてくださったことがある。私も同感だった。フェミニズムやジェンダー関連の話は、書籍で考えの方向性や情報を得て、現実を読み解く手がかりにして、自分が納得することが出来て(もちろん、これ自体、個人的には重大な意味なのだが)、場合によっては武器とするつもりだが、個人の日常はほぼ変わらない。

 いろいろ読み漁った関連書籍は手近な親しくなった人にせっせと貸し出してみたが、啓発率は地を這うように低い。元々あまりフェミニズムっぽいことに縁がなさそうだったのに「変わった」友人は、一人しか思い浮かばない。大抵の人は一応読んだだけで特に興味も示さず、貸し出した本は、単に、私がそういう人間である事実を宣伝する役に立つだけだ。

 まぁ、別に私から本を貸し付けられてない人がみても、職場のセクハラ防止講習会に嬉々として出かける様では、誰がみても「そっち系」(ってなんだ…笑)なのは明らかなようで、現在の職場で私に対して身構えている人はかなり多いらしい(一方では、イナゴを喰わそうといういぢめも横行してるので両極端ともいう)

 出かけていったセクハラ防止講習会は内容自体は目新しくなかった。面白かったのは質疑応答の時間。職場環境の良好な維持に責任がある部署の長である人物が、事前に行っていたアンケート結果の口頭で紹介したのだ。なんでも、とある部署が、セクハラにあっている様に感じると回答した女性の配属者がとても多かったという。

 その部署は、私の所属部署と関連部署だった。そこで、所属部署に戻っての雑談で、そのセクハラ防止講習会で紹介されたアンケート結果を話題にした。雑談相手は、その、とある部署に、私より交流の機会が多い同僚男性。驚くかと思いきや、同僚、セクハラに遭っているように感じる女性配属者が多いという話に納得顔をする。納得顔をされて、私の方が意外に思った。
あの部署は体力が必要なんで、男性が多いから仕方ないね」という同僚。この場合の体力は腕力とかの筋力ではなく、むしろ持久力なので、「体力が必要なんで、男性が多い」説にも異議があったが、そこから始めると訳が解らなくなりそうだったので、残念ながらスルー。なぜ、男性が多くて「セクハラに遭っているように感じる女性配属者が多い」状況を「仕方ない」と放置の方向で考えるのか、訊ねる。
だって男性が多いんだから。
答になってない。再度訊ねる。「セクハラに遭っているように感じる女性配属者が多い」状況が、どのような理由で発生しているのか、経緯をはっきりさせて、その状況を改善すべきではないか。
だって男性が多くて、そういう状況になっているんだから。」「あの部署のそういう環境で、平気な女性だけが配属を希望すべき。
妥当な理由があるなら、その理由を明るみに出して、部署外の第三者の目から評価すべきではないか。
そんなことをしたら、あの部署の機能が維持できなくなる。

 ここに上げた以外にも質問をしてみたが、彼の口から、その部署で「セクハラに遭っているように感じる女性配属者が多い」具体的な理由が語られることはなかった。けど、その理由は、はっきり語ってはいけなくて、明るみに出されると部署の機能が損なわれるものだと言う。言葉の端々から、どういう状況であるかは、微妙に察しは付いた。

 彼は同学歴の女性が配偶者である人物であり、私は彼からは女性であるとの理由で仕事を押しつけられたことも免除されたこともない。彼の指示を受けて仕事をする立場の女性たちも、女性であるとの理由で仕事上の扱いを変えられている様子は見たことがない。ジェンダー平等を当たり前に実践していると思っていた、その彼にしてこれかと意外に思ったものだった。


 こんな例は、別に珍しくはない。彼は、上述の通り、かなりマシな方だ。
前にもどこかで書いたことがあるが、私は(学費を払っていた頃以来の)信頼している指導者が「能力のない女性は専業主婦をすればいいんだ」と発言した場に居合わせたことがある。
だいたい同じ頃か、それより前か、専攻分野の大先輩であり尊敬している(他大学の)教授が雑談で「ボクは、どんなに優秀でも、女性は(自分のラボに)採用しないんだ」と私に向かい、一般論として話してたこともある。
前の所属にいた生物学系研究者の男性が、「女性ってやっぱり地図とか読めないしね」と言い出したので、目が点になったこともある。
よくあることだ。

 しょっちゅうだから慣れっこで、なーんだ、この人もこうだったんだ、そんなことを思いながら、黙って心の中の一部分を切り捨てるだけだ。痛みもなく切り捨てられることも多いが、血が流れるのを感じることもある。別に構わない。
 いちいちぶつかっていては仕事が無くなってしまうから、表面は笑顔で相槌を打ちつづける。いつものことだ。


 でも、目の前にある日常はこうであっても、社会が変わりつつあるのは感じる。例えば、セクハラはいけませんという認識は、フェミニズムの先輩達のおかげで浸透してきている。少なくとも、マニュアルに「こういう振る舞いはセクハラです」と書いてある類のことをされることは、ほぼ無くなった。おかげでずいぶん楽になった。

 さらにネットの場合だと意見の合う人を捜しやすくて、こんな違和感に、答えやヒントを与えてくれるテキストに出逢える機会は多い。同じ方向を向いている人たちが優れた文章を公開してくれて、共有された情報から議論が進み、視界は広がる。


 ここしばらく続いた、曾野綾子氏のコラムにはじまるネットでのセカンドレイプ論争において、とても心に響く文章を放った方は複数いらっしゃるが、その中のお一人が、今の名で最初に沈黙を破った場に、私はリアルタイムで居合わせた。
あの時も、あるセクハラ騒動に関する論争の場だったが、彼女は明晰な意見を述べ、敢然と二次加害者を批判した。
 後に、彼女が沈黙を破る動機の一つとして語った言葉が印象に残っており引用したかったのだが、公開されている場での発言ではなかったのか、探し出せない(^^; もしかしたら、私の記憶違いかもしれないが、、、ご本人がこの文章を見てくれると思うので、違っていたら訂正していただきたいと思う。彼女は、セクハラも二次加害も断固として許さないブログ主とコメント者多数がいる場であったので、安心して発言したと、そう、後に教えてくれたのだ。


 前回も今回も(多分次回も…orz)、後から後から同じような二次加害者による、必然的に隠る意味への認識も悪意もなく放たれる言葉が、沈黙を破ろうとする誰かの意思をくじくであろうことは、残念ながら想像に難くない。だが、差別構造を見据え一次はもちろん二次・三次加害を断固として批判する言説が目立つ事で、当事者が発言しやすくなると思ってもいいのではないだろうか。そして、当事者が発言しやすくなる場を護ることは、Noをつきつける当事者が増えてくださることにもつながり、被害を告発しやすい社会へも、ひいては一次加害が減る方向へもつながる筈。堂々巡りではなく、少しずつ、先に進んでいる筈。
そう、一連の議論をみて思った。


 お疲れ様です(誰にともなく…笑)
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[ 2009/12/14 21:24 ] ジェンダー関連? | TB(2) | CM(6)

   No. 6719

そういえば、私が口を開いたキッカケは、「相手を啓蒙してやろう、説得してやろう」あるいは「話すことで自分が癒されたい、慰められたい」という想いより、これ以上、今この場で二次被害に苦しんでいる人(当事者だけでなく、その二次加害発言を読むことで引き起こされる新たな二次被害を含む)を黙って見ていられない、という居ても立ってもいられない想いでした。

ただし発言できたのは、碧猫さんがエントリでお書きの通り、そこが安全な場所である確認が絶対条件であり、それを確信できるまでに膨大な時間を費やしてきていたというベースあってのことです。今だから言えますが、碧猫さん他、多くの方のひどく昔のエントリを読んでいながら、サイレントマジョリティの中に埋もれていたのは、このような事情がありました。

残念ながら今の社会で被害者が安心して語れる相手や場所はまだまだ少なく、カウンセリングや自助グループなど外部との交流を断った空間が多いです。しかしそこすら時として安全な場所とは言えない現実があります。私の場合、信頼を寄せかけた男性カウンセラーから言い寄られレイプ未遂を受けていますし、そこまで極端でなくとも、専門家に無神経な発言を返さることで、さらに傷つく場面も多かったです。

また、被害者の居場所が外部から切り離された場所しかないという現実は、社会的問題としてもっと大きく扱われるべきとも思います。碧猫さんをはじめとする皆さんが『差別構造を見据え一次はもちろん二次・三次加害を断固として批判する言説が目立つ事で、当事者が発言しやすくなる』空気(コンセンサス)を作って下さっていることは、その土台作りにつながる重要な水面下の活動となっていると確信します。

信頼できる場所をウェブ空間のスタート地点にできた私は、とても幸運でした。碧猫さんはもちろん、日ごろお世話になっている多くの方に感謝の気持ちで一杯です。もしかしたら私のことではないかもしれませんが、エントリを拝読し、こころに響くものがあったので、そっと感謝のコメントを置いていきます。
[ 2009/12/15 16:03 ] mB.BT9Ic[ 編集 ]

お疲れ様です   No. 6720

何度も繰り返された景色ですし、分かろうとしない人間にはどれだけ説明しても全く理解してもらえない。
でも私も今回の経緯を見ていて、少なくとも以前と同じ場所ではないとおもいました。
私は被害者でもその関係者でもありませんし。恐らく女性が日頃感じている抑圧について本当の所は理解できているわけでは無いのでしょう。
それでも、被害者の側が割りを食わなきゃいけない世の中には「それは違う」と言い続けいようと思います。
[ 2009/12/15 19:11 ] -[ 編集 ]

   No. 6722

>kanakaさん

 とある方のエントリを拝読して、思い立った勢いで書いた文章をアップしたので、該当箇所にリンクをし忘れていました(^^;
http://blogs.dion.ne.jp/akiras_room/archives/7685153.html#comments(2008年10月23日 13:28~)
http://blogs.dion.ne.jp/akiras_room/archives/7685149.html#comments(2008年10月28日 17:20~)


 例えば、今年の4月頃に痴漢被害が話題になったときも、そんなに被害が多いことを知らなかったと発言する人が結構目につきました。語られない被害が無いことにされてしまう様を目にすることは、実感を持った恐怖です。

「どんどんどんどん性犯罪を表面化して、少しでも抑止力になればなあ」
http://d.hatena.ne.jp/amyamy2006/20060131/1138670807
過去エントリですが、このところ新たに拝読したこのエントリのこの一節に、ハゲしく同意しました。


>皆さんが『差別構造を見据え一次はもちろん二次・三次加害を断固として批判する言説が目立つ事で、当事者が発言しやすくなる』空気(コンセンサス)を作って下さっていることは、その土台作りにつながる重要な水面下の活動となっていると確信します。
<
 引用してくださったエントリの文章そのものが、確か、kanakaさんからの受け売りの(趣旨の)筈です(^^; 発言を始めてくださった後にこういった趣旨を言ってくださったことは、その場に居合わせた一員としてとても嬉しかった事を思い出して、今回の議論に関わった人にも知って欲しくてエントリにしました。

 コメント頂いたことに深く感謝しています。ありがとうございます。
[ 2009/12/15 19:28 ] fYTKg7yE[ 編集 ]

   No. 6723

>うちゃさん

 お疲れ様でした。
直接、議論している相手が理解しなくても、公然とNoをつきつけることそのものに重い意味があるんじゃないでしょうか。それと、発言者の属性で云々しちゃ本当はいかんと思うのですが、このエントリ冒頭でリンクした方も、こちらも、
http://azuryblue.blog72.fc2.com/blog-entry-722.html#comment6431
Noをつきつけるのが女性だけでないという事実が、それ自体が元気づけられる事の筈ですよ。
[ 2009/12/15 19:56 ] fYTKg7yE[ 編集 ]

   No. 6724

あー、自分のエントリでも書きましたが、女性が自由を手にすることは男性も楽になれることだと思うのですよね(ヘテロ男性である自分を基準にモノを考えざるを得ないのですが、同性愛者でも楽になるにはどうしたらいいかという方向性では同じだと思います)。そういう意味でこういうことを考え続けているのは自分の為でもあります。

うちゃさんも書かれてるように、少し前は”オトコ”側から”なんで社会に向かって女は自衛しろといっちゃいけないのかという疑問”が提示されることさえなかったわけですから少しは楽になってることを信じたいですなあ。私自身まだまだ”オトコ”から自由ではないですけど。
[ 2009/12/15 21:18 ] -[ 編集 ]

   No. 6725

>SIVAさん
>女性が自由を手にすることは男性も楽になれること
<
 そうなる筈なんですが、過渡期だとそう思ってる男性がワリを食うだろうなぁという危惧は感じておりますし、、、損してる感が強い(周縁部の)男性は結構いるでしょうね(アタマイタヒ)。


>少し前は”オトコ”側から”なんで社会に向かって女は自衛しろといっちゃいけないのかという疑問”が提示されることさえなかった
<
 ってか、ネットでこういう話題を追う前は、そういう疑問を提示する男性が存在するとも思ってませんでした、すみません(^^;
だから、、、、、白状しておきますと、SIVAさん(のコメントやエントリ)を見かけた当初、格好いいお姐さんと認識していました、ごめんなさいごめんなさい(^^;;;;;
[ 2009/12/16 18:19 ] fYTKg7yE[ 編集 ]

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