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本当に「行き過ぎてる」のか?「男女平等」(その2) 

 つい先ごろ、日本青年会議所のタウンミーティングで会場の7割の人が「今の日本は男女平等が行き過ぎている」と考えているという情報を目にし、23日には国連・女性差別撤廃委員会第44会期の日本審査があったもので、なんとなく、女性差別撤廃委員会がらみの情報を見直していたのだが、気になる言葉が目に止まった。

 女性差別撤廃委員会が日本政府による女性差別撤廃への取り組みを審査するのに参照している資料の一つ、平成20年4月付の女子差別撤廃条約実施状況 第6回報告(PDF)の31ページ目、第7条(政治的及び公的活動における差別の撤廃)の1,「公的分野における女性の参画状況」で、こうある。

 日本における政策・方針決定過程への女性の参画状況は、男女共同参画の国際的な指標の一つであるジェンダー・エンパワーメント指数(GEM)では2005年に世界第43位であるなど極めて不十分な状況にある。日本は、GEM上位先進国に比べ、「国会の議席数に占める女性の割合」及び「管理職に占める女性の割合」が低いことから、この現状を周知し、女性の政策・方針決定過程への参画を更に促すよう努力している。

ジェンダーギャップ指数なら、以前、2008年度版が発表されたときにエントリにもした。だが、ジェンダー・エンパワーメント指数(GEM)は未チェックだ。これは、どういうものかを把握しておかねば。

 ちなみに、この日本政府報告における「公的分野における女性の参画状況」はこんなだった。

(1)女性国会議員
224.第44回総選挙後(2005年9月時点)の衆議院の女性議員は43名、9.0%、(第43回総選挙後(2003年11月時点)34名、7.1%)、第20回通常
選挙後(2004年7月時点)の参議院の女性議員は33名、13.6%(第19回通常選挙後(2001年7月時点)38名、15.4%)となっている。

(2)女性閣僚等
225.2006年1月では、2名(9.1%)の女性閣僚、1名(4.5%)の女性副大臣、7名(26.9%)の女性政務官が就任している。また、2005年10月、男女共同参画担当大臣として、初めて女性が就任した。

 某政権与党の若干名の女性代議士をみていれば、女性が多ければ、ジェンダー平等な政策が施行されるというものではないだろうと思ってしまうが、「男女共同参画担当大臣として、初めて女性が就任」の一節は、なんだか目頭を押さえてしまいそうになった。

(3)司法における女性
226(略)
227.女性初の最高裁判事が1994年2月に任命され、1997年9月までその職にあった。さらに、2001年12月には、女性で2人目の最高裁判事が任命された。また、2005年4月現在、2名の女性裁判所長が在職している。裁判官、検察官に占める女性の割合は、いずれも引き続き増加している。なお、司法試験合格者に占める女性の割合も増加しており、近年、20%台で推移している。

(4)女性国家公務員
228.国家公務員の管理職に占める女性の数と割合は、2004年度末現在142名、1.7%と依然として低い状況にあるものの、2000年度末では122名、1.3%であり、増加傾向にある。一方、国家公務員全体に占める女性の数と割合は、ここ数年横ばい状況となっている。

(5)女性知事、首長等
229.2005年12月現在、女性の都道府県知事は4名となっている。また、女性の市区長は9名、町村長は6名となっている。

都道府県の数より、市区や町村の数の方がはるかに多かろうと思われるが、9名・6名しかいないというのは大変興味深い。

(6)女性地方議員
230.地方議員における女性の比率は徐々に高まっており、2005年12月現在、都道府県議会、市・特別区議会、町村議会の全議員48,652名中4,263名で8.8%(2001年12月現在6.8%)となっている。

(7)女性地方公務員等
ア)女性地方公務員
231.地方公務員(一般行政職)全体に占める女性の割合は24.7%、係長級以上でみると15.2%、課長級以上でみると4.1%(2005年4月1日現在、総務省調査)となっており、増加傾向にある。

司法や国家公務員の項目でも「増加」「増加傾向」が連発されていたが、増加しても多くの項目で一桁のパーセンテージなのだそうだ。

 他に、教育委員会が2001年と2003年がそれぞれ21.4%、24.8%、女性警察官が全警察官の約4.7%いて「10年前の約2倍に増加」したのだそうだが、「採用・登用を推進」に、さりげなく、大変興味深い箇所があった。

235.女性警察官の積極的採用・登用を推進するために、セクハラ防止対策の推進、ベビーシッター制度の充実、当直室・更衣室・シャワー室の整備等の制度・施設面の整備充実にも努めている。

…筆頭が「セクハラ防止対策の推進」なのか…‥‥、日本の警察って。

 いや、それはともかく、 ジェンダー・エンパワーメント指数(GEM)だ。

 ジェンダー・エンパワーメント指数は、政治及び経済活動への女性の参画を示すものであり、国会議員、管理職、専門職・技術職に占める女性の割合及び男女の推定所得格差を用いて算出されています。



ジェンダーギャップ指数の場合は、

指数は、経済、教育、健康、政治の4つの分野を対象としています。経済では、労働人口、賃金、管理職、専門職などの男女比、教育では、識字率と初等教育、中等教育および高等教育の就学率の男女比、健康では平均寿命と出生時の男女比、政治では議会議員、閣僚などの人数の男女比をもとに計算されています。


といい、内容的にかぶっているが、

  この指数は既存のGEM(ジェンダー・エンパワーメント指数)のように女性の教育、社会進出などの達成レベルを示すのではなく、格差に焦点を当てています。達成レベルの場合、ジェンダーとは別の事情で、その国の社会・経済発展度に数値が左右されることがあるからです。


 ジェンダー・ギャップ指数の場合、経済発展度が低い…、例えば、男女ともに所得が低い場合には、ジェンダー平等が達成されている(???)という結果にもなるので、どちらがどうとも言いにくいが、両方とも参照すべき数字ではあるだろう。
 また、ジェンダー・エンパワーメント指数の場合、「長寿」「教育」「所得」により人間開発の達成度を示す人間開発指数(HDI)もあわせて紹介(リンク先は既出の「共同参画」2009年 2月号)されることが多いので、こちらもまたジェンダーギャップ指数で見たような項目である。なんだか、ジェンダーギャップ指数を二つに分けたような気がしないでもない…。

 ジェンダー平等は人間の前進の重要な部分をなすが、HDIやHPIはこれを反映していない。そこで、ジェンダー不平等の測定に用いられているのが、ジェンダー開発指数(GDI)とジェンダー・エンパワーメント指数(GEM)である。GDIは、達成度の測定にHDIと同じ指標を用いると同時に、男女間の達成度における不平等もとらえている。人間開発とジェンダー平等の間に著しい格差が見られるのは、インド、オマーン、パキスタン、サウジアラビア、イエメンの各国である。

 GEMは、経済・政治活動への女性の進出度を浮き彫りにする。GEMは、経済と政治の重要な分野への参加だけでなく、意思決定におけるジェンダー不平等にも焦点をあてている。GEMは、議席数に女性が占める割合、女性の議員・高官・管理職の割合、女性の専門職・技術職の割合をとらえている。さらに、経済的自立を表す、勤労所得におけるジェンダー格差も組み入れている。GEMの最上位は北欧諸国とオランダであるが、一方で、最も順位の低い国々にはアラブ地域の国々が含まれている。高所得であることがジェンダー平等を保障するとは限らず、日本のGEM順位は、フィリピンとボツワナより低い。


 ジェンダーエンパワーメント指数のエントリなので、この箇所のみの引用に留めたが、アフリカ諸国のHDIがひどいことになっているようだ。

 さて、2003年に公表された2001年のGEM値が0.515で、2002年に公表された2000年分の0.527より低下し、順位が32位から44位となったとして、こんな考察がされていた。

国会議員の女性比率に変化はなく,管理職の女性比率は減少したが,専門職・技術職の女性比率は増加し,全体として経済参加に関するEDEPの減少はわずかなものとなっている。つまり,推定勤労所得の水準の低下を受けた所得に関するEDEPの減少が,日本のGEM値が低下した大きな要因となっている(略)。そこで,推定勤労所得が低下した理由を検討してみる。
(略)2001年は女性の賃金比率はほとんど変化しなかったため,推定勤労所得の男女比の変化はわずかなものの,男女ともに円安によりドル換算の水準は大きく低下し,日本のGEM値を低下させることになった。
 このように,GEM値は,女性の国会議員比率など,代表的な女性の各分野に関する参加を示す指標以外の要素の変動の影響も受けるものであることに留意しなければならない。
 なお,日本の1人当たりGDPは,GEM上位国とほぼ同じレベルにあり,所得面からはGEM値を大きく引き上げる方向に寄与しているにもかかわらず,GEM値が低いのは,女性の国会議員比率,管理職比率及び男性の賃金に比した女性の賃金がGEM上位国と比較すると極めて低い水準にあるからである。


GEMの順位低下とその理由」強調は引用者

…小手先の計算で言い訳してもダメじゃないのかと総括したい考察であったが、2005年に公表された2003年度分と2006年に公表された2004年分の「『人間開発報告書2006』 人間開発指数で見る各国の状況:日本の場合より」(pdf)によると。
 2005(2003)2006(2004)
人間開発指数HDI0.9430.949
順位11/1777/177
一人あたりGDP2796729251
ジェンダーエンパワーメント指数0.5340.557
順位43/8042/75
女性の男性に対する推定勤労所得比率0.460.44
「女性の男性に対する推定勤労所得比率」が低下しているようではあるが、GEMの順位に限れば、一つずつ順位を上げているようである。おめでとうございます(?)。

 では、2007年公表分。

『人間開発報告書 2007/2008』(UNDP:国連開発計画)による日本の順位は、HDI 8位/177ヵ国、GDI 13位/157ヵ国、GEM 54位/93ヵ国 でした。
昨年と比較すると、GEMの順位が著しく下がりました。「人間開発報告書2006」ランキング(HDI 7位/177ヵ国、GDI 13位/136ヵ国、GEM 42位/75ヵ国)
(略)

日本のGEMの数値は、0.557です。
2005年版では0.534、2006年版は今回と同じく0.557でした。 (資料:人間開発報告書2006 [PDF])
この数値は、依然として日本は男女格差が大きく、ジェンダーの不平等が著しい国であるということが分かります。


GEM値が同じで順位が下がるということは、日本以外のランキング参加国が格差是正に成功したということだろうか。あるいは、ランキング参加国が75ヶ国から93ヶ国に18ヶ国増えていて、42から54に順位を12下げたわけであるから、新規参加国のほとんどが日本より格差が少なかったということを意味するのかもしれない。

 そして、発表されているうちの最新版。

 UNDPの発表によれば、日本のジェンダー・エンパワーメント指数の値は0.575で、順位は108カ国中58位でした(前年は値は0.557、順位93カ国中54位)。

 他方、同時に発表された、「長寿」「教育」「所得」により人間開発の達成度を示す人間開発指数(HDI)では179か国中8位でした。これらの指数からは、人間開発の達成度では実績を上げていますが、女性が政治経済活動や意思決定に参画する機会が不十分であることが分かります。


 今回分も、GEMランキング参加国が93ヶ国から108ヶ国に15ヶ国増えていて、順位は54から58に順調に下げてしまったらしい。

 GEMランキングの一位はスウェーデンで0.925。二位はノルウェー、3位はフィンランド。その他ヨーロッパ諸国が続き、11位にカナダ(0.829)。以下、目につくところを拾ってみると、15位にシンガポール(0.782)16位にトリニダード・トバゴ(0.780)、48位にタンザニア(0.600)。

 関連するデータで公務員の女性比率は結構目にするが、一般企業の場合はあまり目につかないような気がするのだが、たまに目にするとやっぱり、

国内上場企業の女性役員が06年7月末で538人になり、全役員に占める比率が初めて1%を上回って1.2%となったことが、東洋経済新報社が10日発表したリポートでわかった。女性役員の比率は05年の0.8%から0.4ポイント上昇した。


2007年01月11日付「かめ?」「ビバ! 男女平等 」経由、「女性役員:国内上場企業、初の1%超え 民間調査で判明(毎日新聞)」

であったりもするから、このGEM値は、まぁ、そんなものだろう。…‥‥そういう訳で「男女平等の行き過ぎ」具合は、大変素晴らしいようである。


行き過ぎた男女平等」についての実例報告;
2009-07-24付「おこじょの日記|女は男より劣ってるくらいがちょうどいい
2009/07/25付「Non-Fiction (Remix Version): なりたい自分



エントリに入りきらなかった、その他注目した資料を保存。
国連開発計画(UNDP)2007年2月
人間開発報告書2007/2008 人間開発報告書と日本 
人間開発報告書2007/2008 「気候変動との戦い-分断された世界で試される人類の団結」
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[ 2009/07/26 16:43 ] ジェンダー関連? | TB(1) | CM(0)

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[2009/07/27 17:23] URL おこじょの日記












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