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「脳毒」って何? 

 一部では超有名出版社に成り上がったと思われる美健ガイド社だが、先日、こんなコンテンツを発掘(?)した。というか、美健ガイド社のトップページからリンクが貼ってあった。

脳毒ニュース

…(^^;
ここでは、三つの新聞(?)記事が紹介されており、うち二つは産経のもの。…なんか相性が良いのだろうか。

 2009/02/27付の「『ホントは恐い携帯電話』 - 親の認識と実態には大きなギャップが!! - (外部サイトへ)」とあるのは、MSN産経の2009.2.25 23:45付記事『中学生の2割“ケータイ漬け” メールは一日に50件以上、親は認識不足』にリンクが貼ってあり、何故か記事タイトルが変わっているのが味わい深い。

 2009/01/27付の「脳毒の汚染進行中・・・?(画像記事へ)」とあるのは、産経新聞報道の画像が貼ってあって、その報道タイトルは「ネットイジメ中3自殺」「バラエティーでセクハラ・いじめ助長 民報に『倫理』問う」。前者はとりわけ痛ましい記事だが、我田引水ぶりははなはだしいだろう…、というか「脳毒の汚染進行中・・・?」の「」がどこぞのスポーツ紙のようである。

 そして、2008/07/14付の画像記事に、今回注目した。 「杉本芳郎痩身美容教室」発行の会報「痩美」という発行物らしいのだが、なぜ美容教室が会報を出していてそれが美健ガイド社が入手してコンテンツにしているのか、実に謎めいている。そして、内容がすごかった。
感心したので、言論というかこういう発想もあるのかというサンプルとして、注目してみたくなったのだ。

 この記事、タイトルが「正しい知識が良薬」とあって、静岡新聞2008/6/22付の朝刊に掲載された「静岡かがく特捜隊」の記事で「アイス食べて地球を救え! 温暖化や省エネ学ぶ」という記事をDisっているものだ。元記事が、ロッテの協力を得て「アイスは地球を救う」と題された「ふしぎかがく熟」とやらのイベントで「冷たいものを食べて体温を下げることが"省エネ”につながる」とやったのだそうな。夏に冷たいものを食べると体温が下がるのでエアコンは使わずにすむという結論に誘導するイベントだった模様。

 …ロッテの協力だし(笑)、ちから技の結論に持って行ってる面がないわけでもないとは思うが、夏に冷たいものを食べて暑気払いという発想は、昔からある発想では無かろうか。王朝時代以来、旧暦で水無月の朔(6月1日、新暦だと7月3日ぐらい?)を「氷の節句」として、御所などで「氷室」の氷を口にして暑気払いとしたというぐらいだ。私にしても、エアコンの効いた部屋でアイスクリームやかき氷を食べるなどという寒い真似はする気になれない。しかし、この筆者氏は、こう評する。

一般の人の多数は、新聞やテレビを信じてしまうでしょう。このようなメディアが世界を狂わせてしまう事もしらないで。

 王朝時代以来の習俗に倣った提案は、世界を狂わせてしまうものらしい。そして、サーモグラフィで体温を下がる様子を体験させるイベントであったと言及し、こう続ける。

確かに一時的に体温は下がります。しかし、子供達の体温が下がったままになったとしたら健康に、どんな影響があるのか子を持つ親なら誰でも理解できると思いますが、これがメディアの魔術です。

 この筆者氏自身、前段で体温が下がるのは一時的と書いているので、体温が下がったままになったら大変なことになるのは無関係な話である。無理矢理に話をつなげて恣意的に誘導するメディアは、確かに恐ろしいと断言できるだろう。

 次の段落は「体のしくみ」と題してある。なんだかしばらく蘊蓄が続くが、血液が高速で通る血管は高温になるそうな、そして

この高温で臓器を壊さないように、人間は体積の半分以上が水分で構成されています。
 この水分が自動車のラジエーターのような役割をしています。

…原因と結果を取り違えているようなとか、摩擦熱を冷やすシステムとしては風冷式だって有り得るけどとか、目が泳ぐ記述が出現する。
 そして、摩擦熱で上がる熱を冷やさなければ危険なのだそうだが、、、

人間の体は常に36度~37度の体温を保つように工夫されています。0度の水がコップ一杯、100g体内に入れば一時的に体温は下がるかもしれませんが、体は体温を36度~37度にもどさなければなりません。単純に計算すれば(中略)0度の水100gを36度にするのに3600カロリーの熱量を作り出します。

さっきまで、血管の摩擦熱を下げねばという話だったのだが、いかにして熱を作るかの話に変わっているようだ。そして、熱を作る出すのにインシュリンその他のホルモンがという話になった後、

子供に糖尿病が多くなったのも、お茶ばなれした、水しか飲まない、冷たいものを食べる食習慣も一因ではないのでしょうか。

…0度のお茶を飲んだところで、それを体温と同じにするには同じ熱量が必要ではなかろうか。お茶ならば大丈夫といわんばかりの見解は実に唐突である。そして、

インスリンで糖を熱量に変えたら、脳や臓器を守る水分である細胞液も熱を持ってしまいます。それでは脳や臓器を守れません。
 だから水を飲めば飲むほど熱中症になりやすいという結論になります。

…そんな結論にはならない!

 熱中症になるほどの「暑さ」にさらされている場合、発汗等で水分を放出することで体温を下げる。むしろ、水分を補給しなければ脱水し、それが危険な状態になるのが熱中症だ。もちろん、「水を飲めば飲むほど」良い訳ではない(塩分の含まれない水の吸収はあまり良くないし、うっかりしたら水中毒の怖れはある)が、この結論は有害なトンデモといえるだろう。
 そして、さらにこう続く。

アイスを食べると水を飲みたくなることも、冷たい水を飲むと又、水を飲みたくなると言う事も、この熱くなった細胞液が水をほしがるのではないかと考えていただきたいと思います。

少なくとも私は冷たい水を飲むとさらに水を飲みたくなる事はないのだが、そっちはおいておいたとしても、アイスの後に水を飲みたくなるのは、甘すぎるからのどが渇く、、、浸透圧の問題なのでは無かろうか。

 しかし、次の段落で「母心」と題して、稿は続く。

 昔のお母さん(でた(^^;)が子供を守るためにしたこととは梅干しを与える事なのだそうな。

 土用干しと聞けば梅干しとわかると思います。(中略)食塩は陽イオンのナトリウムと陰イオンの塩素から構成されています。プラスイオンとマイナスイオンの両方を持っている食塩は細胞液の中にイチ早く解け込みます。塩分を多く含んだ細胞液は、まわりの細胞液と塩分のバランスをとるために水をほしがります。塩分の多い食べ物を食べると咽が乾くと言われるのはそんな理由からではありませんか。

…蘊蓄はともかく、咽が渇くわけだが、水は飲んではいけないという話だったのではなかろうか。

腎臓の水分も塩分の多い細胞液にとられれるので、尿のでも悪くなるのではないでしょうか。

…夏の暑い時期の話という前提があった以上、汗をかいているだろう。そちらで水分を放出しているから、当然尿量は減る。そして、汗は書いているだろうから塩分補給はすべきなのだが、しかし、細胞液はともかく、本体の水補給はガン無視である。非常に危険な状況ではなかろうか。
 しかし、

子供にアイスを食べさせるより、昔のお母さんが伝えたかった事を子供達に伝える事が本当の母の愛情ではないかと思います。

この辺しばらく、ひたすら母の愛のお話である。暑い時期に「水を飲めば飲むほど熱中症になりやすいという結論」つきで梅干しをくれるお母さんと、アイスとお水をくれるお母さん。この筆者氏は前者を愛情に満ちた母と評するのであろう。

 そして、記事はこう締めくくられる。

正しい知識は薬になりますが、間違った知識は毒になる事もあります。愛する我が子のために親の正しい選択を期待します。

…実にもっともな意見である。この意見だけならね。

 この「脳毒ニュース」は、2009.04.01付の「美健ガイド社」ブログによってこんな表現つきで紹介されていた。

要は、アイスを食べて、体温を下げたら、
エアコンなどを使わなくてすむので、エコになる、と。

まぁ、なんて、単純な…(笑)

ツッコミ略。

 いやー、さすが、美健ガイド社。すごい。
杉本芳郎痩身美容教室やら「痩美」やらは、検索しても特にネットで活発に活動はしていないようだが、内容がすごかったのでお持ち帰りしてみたのだった。
結局、「脳毒ニュース」って、読んだら脳に毒が回りそうなニュースという意味なんだろうか?
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[ 2009/04/04 19:00 ] ニセ科学系トンデモ | TB(3) | CM(7)

消夏法   No. 5803

とりあえず静岡新聞とロッテには、「アイスを冷やす電力はエコなのか」と言いたいですね(笑)。しかし、そうか、産経はこういう読者に支えられているんだなあ……。
二点だけ。水無月朔日は年によって大きく移動します。昨年は新暦7月3日でしたが、今年は新暦7月22日になります。あと、杉本氏は「お茶」といえば熱いお茶のことしか考えていなくて、0℃のお茶が広く飲まれているなんて想像もしていないんじゃないかと思います。
「暑いときには熱いお茶」というのも昔からの消夏法ではありますが、井戸で冷やした麦茶やスイカで水分補給することも、それに塩を加えて吸収をよくすることも、やはり昔からの知恵でしたね。
[ 2009/04/05 02:03 ] mLrVhXOU[ 編集 ]

   No. 5804

>脳毒ニュース
>三つの新聞(?)記事が紹介されており、うち二つは産経のもの

やっぱり産経新聞を読むのは、脳に毒だよなぁ
と早とちりしてしまいました。
[ 2009/04/05 08:24 ] Ol1eGJ4Y[ 編集 ]

   No. 5805

>pr3さん

 エントリを粗書きした時点では「静岡新聞とロッテ」組と「杉本氏と美健ガイド社」組、どっちもどっちというエントリにしようかとも思ってたんですが、やはり美健組の方が酷いですね。これ、アイスクリームだからやり玉に挙げたような気もします。

>水無月朔日は年によって大きく移動します。昨年は新暦7月3日でしたが、今年は新暦7月22日になります。
<
 御教授ありがとうございます。
ずれるとしても数日程度かと思ってたのですが、かなり開くんですね。


>杉本氏は「お茶」といえば熱いお茶のことしか考えていなくて
<
 …そうかなとも思えたんですが、その場合はその場合で、それまでずっと血液が血管を「信じられないスピードで体内を流れている」「従って血管は高熱になります」というお話でしたので、熱いお茶を飲んで無問題という言及が見当たらないのは問題ではないかと(^^;



>さくらさん
>やっぱり産経新聞を読むのは、脳に毒だよなぁ
<
 このエントリに関してはともかく、本質的には早とちりじゃないような気がします(^^;
http://azuryblue.blog72.fc2.com/blog-entry-645.html
[ 2009/04/05 13:52 ] fYTKg7yE[ 編集 ]

すごすぎて   No. 5818

何と申しましょうか。

塩だけで水飲まないと高ナトリウム血症に・・・(子どもの虐待の一パターンとしてもありますが)という問題もありますし。

あんまり関連はないのですが医療系(?)つながりでトラックバックさせていただきます。
[ 2009/04/11 21:10 ] FpmNmbUk[ 編集 ]

   No. 5819

>north-poleさん

 コメント&TBありがとうございます。
 これ、どこもかしこも、ですが。
とりわけ、血液が高速で通る血管は高温になるとか「この高温で臓器を壊さないように、人間は体積の半分以上が水分で構成」とかは、何からどうしたらと目が泳ぎました(^^;
[ 2009/04/12 16:53 ] fYTKg7yE[ 編集 ]

ところで、   No. 5820

 血液を「高速で」送りだしている(しかも自ら一生懸命ポンプ運動をしている)心臓の立場はどうなるんでしょうかね?
[ 2009/04/12 17:22 ] -[ 編集 ]

   No. 5821

・・・・・・・・・血管もへったくれもない大腸菌だって、生物体として水分含量は一緒ぐらいだと推定できますが、立場がないですよね…
[ 2009/04/12 20:19 ] fYTKg7yE[ 編集 ]

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