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女性差別撤廃委員会第44回会期が2009年7月から 

 2009年3月17日付のしんぶん赤旗で、『女性差別撤廃条約 国連採択から30年』という記事が掲載されていた。サブタイトルに「日本の遅れは深刻 政府に情報提供求める国連」とある。女性差別撤廃委員会が、第44回会期として、今度の7月に開会するらしいのだが、記事に色々内容が盛り込まれていることもあって、またなぜこのタイミングで報道されているのか等、記事がちょっと分かり難くかった。

 要するに、
 1,女性差別撤廃条約は1979年の12月に国連で採択されて今年で30年(国連加盟国192ヶ国中185ヶ国批准)。
 2,ILO(国際労働機関)総会が今度の6月に開催され、ここでも1985年以来、24年ぶりにジェンダー平等についても討議される予定。
 3,女性差別撤廃委員会が、第44回会期として、今度の7月29日に開会。
 4,その女性差別撤廃委員会第44回で進捗状況を討議する資料として、2008年11月20日に、日本政府へ(もちろん日本だけではない)質問を出していた。
 5,その質問が、内閣府男女共同参画局ホームページに掲載されたのが、この三月(赤旗の報道による、内閣府男女共同参画局のホームページでは2月27日付)。
という話らしい。赤旗の記事では、審査のポイントの柱などが開設されているが、まずは質問そのものを確認。

 どうやらこれがそうらしい。
内閣府男女共同参画局の『北京行動綱領(1995年)及び第23回国連特別総会成果文書(2000年)の実施状況に関する各国政府への質問状 (日本語版PDF)』
なんだか、赤旗の報道にあるような「女性差別撤廃委員会」の名詞が入っていない文面で、やや頼りなくはあるが、このPDFに序文として

国連の地域委員会は、2010年の北京行動綱領採択15周年記念の準備として、第4回世界女性会議(北京、1995年)で採択された北京宣言及び行動綱領並びに第23回国連特別総会(2000年)成果文書の実施の進捗についてのレビュー及び評価を行う予定である。地域委員会は経済社会局女性の地位向上部と協働する予定である。

第23回国連特別総会成果文書(2000年)とは、注釈によると『2000年6月に開催された「女性2000年会議」』。多分これだろう。

 そして、内閣府男女共同参画局とこの質問状を見て、なぜ赤旗がこのタイミングで報じたのかも、やっと解った。『「北京行動綱領(1995年)及び第23回国連特別総会成果文書(2000年)の実施状況に関する各国政府への質問状」への回答に盛り込むべき事項について(ご意見募集)』が、「募集期間 平成21年4月15日(水)必着」だったのだ。…しかし、PDFの方では、この質問状への回答は、「2009年3月1日までに適切な地域委員会に送付すること」と書いてあって、枠外に内閣府が入れた注釈として「ESCAPから、6月末までに提出すれば問題ない旨の連絡をいただいている」とあるのだが、いいのだろうか?(謎)

 そっちはともかく、どういう件について、女性差別撤廃委員会第44回会期で審査されるのかに興味が向かう。今度の審査のポイントは、前回分となるらしい「女性差別撤廃委員会 第29会期 日本政府レポート審議報告書(「日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク」より)を基本とするとのこと。確認してみると、こんな一節があった。

26. (略)
委員会は、日本政府が“戦時慰安婦”問題について永続的な解決策を見出すため努力することを勧告する。

 だから、私がエントリにとりあげたともいう。2003年時点の報告である。

 そして、その後に日本政府が出した報告は「平成20年4月付の女子差別撤廃条約実施状況 第6回報告 (PDF)」として、公表されていた。
 この報告では、日本政府の対応としてかなりの文字数を割いて「1995年7月に設立された「女性のためのアジア平和国民基金」(通称「アジア女性基金」)の行う事業に対して最大限協力してきた」として、具体的内容を記述し「アジア女性基金は2007年に解散したが、政府としては、基金を通じたこれまでの国民及び日本政府の取組の説明に引き続き努力していく」と結んでいる。

 しかし、2008年9月付の「平女性差別撤廃条約に基づく第6回日本政府報告書に対する日本弁護士連合会の報告書 」(PDF)にあるように、

政府は、第二次大戦中の日本軍による「従軍慰安婦」問題の被害者らの代表との協議を可及的速やかに行って被害者らの要望をくみ上げ、「従軍慰安婦」問題の被害者に対する法的責任に基づき、真相の究明、公式謝罪、法的賠償等の必要な被害回復措置を速やかにとるべきである。
政府はアジア女性基金による取り組み及び「基金を通じたこれまでの国民及び政府の取り組みの説明を引き続き努力していく。」旨報告しているのみで、政府には国連人権条約機関の勧告に従い「従軍慰安婦」問題を解決する姿勢が全く見られない。
(中略)
2007年7月27日にアメリカ合衆国下院で採択された第二次大戦中の日本軍による戦時性奴隷制に対する非難決議も、同制度の被害者に対する政府の原状回復措置の不十分さを直接非難するものである。しかし上記下院決議に対し、政府は「事実誤認に基づくものである」などとして、現時点までに何ら原状回復措置を講じようとしていない。また、政府は、女性差別撤廃委員会や社会権規約委員会の上記要求についても、現時点まで無視し続けている。
政府は2008年6月12日国連人権理事会において、UPRの作業部会の報告書に示された従軍慰安婦問題についての国連メカニズム(女性に対する暴力報告者、女性差別撤廃委員会、拷問禁止委員会)の勧告に真摯に対応することとの勧告を、受け入れないし検討するとの約束をしなかった。

と、既に指摘され済みであったりする。今回も、しっかり注目を浴びることは間違いないだろう。

 さて一方、民法関連でも、注目点があるようだ。「女性差別撤廃委員会 第29会期 日本政府レポート審議報告書」には、こんな一節があった。

35. 委員会は、民法の中に現在も依然として差別的な条項が残っていることに懸念を表明する。その中には、結婚最低年齢や、離婚後の女性が再婚するために必要な待婚期間、および結婚した夫婦の氏の選択に関する条項が含まれる。委員会は、また、婚外子に対する戸籍と相続権に関する法律および行政実務上の差別、そして、それらが女性に対してもたらす重大な影響についても懸念する。
36. 委員会は、日本政府に対して、民法の中にいまだに残る差別的な条項を削除し、立法や行政実務を条約に適合させることを求める。


 それに対する日本政府による2008年4月の「実施状況 第6回報告」(PDF)では、ファイル内を検索しても「民法」にヒットが出ない。2008年9月付の「平女性差別撤廃条約に基づく第6回日本政府報告書に対する日本弁護士連合会の報告書 (PDF)」では、こんな記述があるのに、だ。

第16条(婚姻及び家族関係にかかる差別の撤廃)
国は、可及的速やかに待婚期間の短縮、婚姻年齢の男女統一、選択的夫婦別氏制度導入等を含む民法改正案を、国会に上程し、これらを実現すべきである。
1.家族に関する法律の整備
393 婚姻及び離婚制度の改正(1996年の民法改正要綱)が進まないことにどう対処するのか、報告されたい。
2003年の女性差別撤廃委員会の日本政府への最終コメントで、委員会は民法上の差別条項に懸念を表明し(パラグラフ35)、これらの差別的条項を削除し、立法や行政実務を条約に適合させることを求めた(パラグラフ36)。それから5年が経過したが、民法上の差別条項は存在し続けている。これらの条項削除(民法改正)は、国会の中の反対勢力に阻止されて12年が経過している。政府としては、民法改正実現のために、積極的な施策を追求するべきである。時間が経過すれば自然に理解が得られる性質のものでないことは、明らかである。(後略)



 また、「女性差別撤廃委員会 第29会期 日本政府レポート審議報告書」では、男女の賃金格差や育児休業にも言及がある。育児休業部分は、こんな記述だ。

6. 仕事と家庭の両立を促進する努力も行われている。2001 年に育児休業取得を理由とする 不利益取扱いの禁止等を内容とする育児・介護休業法の改正が行われた。また、男性の5日間の出産休暇の取得目標、保育所の受入れ児童数を3 年間で合計15 万人増やす目標など、法律の実施の政策がとられている。

と、取り組みは評価されてはいるのだが、これに続けて

2001 年の調査によると、女性の3 人に2 人が出産を機に退職しており、この背景として、育児休業を取りやすい環境がととのっていないこと、保育サービスの不足、雇用管理が柔軟でないことや、育児が女性の責任であるという考え方があると考えられる。

とある。…この辺りは、2009年になってから、さらに悪化してしまっている。

不況にあえぐ企業が人件費削減のため、育児休業中の正社員を解雇する「育休切り」が広がりつつある。育児・介護休業法に抵触する疑いが強いが、被害者の多くは再就職の妨げになることを恐れて泣き寝入りするケースが多い。法令が守られているはずの働いて産み育てる権利が脅かされている。


毎日新聞 2009年3月6日 2時30分付『育休切り:不況理由に「戻っても仕事ない」 相談件数3倍より一部』


 多少、算出方法が違っているだろうが傾向としては同じであろうジェンダーギャップ指数も下がり続けているいることも、記憶に新しい。「女性差別撤廃条約」なり「女性差別撤廃委員会」の守備範囲として、指摘されている事項はいずれも同じ根っこだろうとも思われ、これから開催される委員会でも、色々とチェックが入ることだろう。

 …でも、どんな勧告がでても、日本政府お得意の「法的拘束力はない」でろくな対応はされないだろうとは予想できるのではあるが。



 20:00 追加;
なお、今度、審査される焦点の一つに、すでに60ヶ国が批准している「権利を侵害された場合、女性差別撤廃委員会に通報できる制度である選択議定書」の日本未批准の件があるという。参考となったのはこの辺りか。
 平成十六年六月十一日付の参議院議長宛質問趣意書(第29号)「国際連合女性差別撤廃条約選択議定書の批准等に関する質問主意書」より、

 国際連合女性差別撤廃条約選択議定書の発効から三年が経過し、既に六〇か国で批准している。選択議定書は、女性差別撤廃条約に規定された権利の違反について、個人又は集団が国連女性差別撤廃委員会に権利侵害を申し立てることができることを、女性差別撤廃委員会の調査手続とともに定めたものであり、雇用の場での昇進・昇格差別、男女賃金格差など男女の不平等が根深く残されている日本での批准は切実な課題として求められている。

 そこで、国連女性差別撤廃条約選択議定書の批准等に関し、以下質問する。

一 政府は、選択議定書の批准に向けた検討を、個人通報制度に関する研究会で研究しているとされているが、この研究会の検討テーマ、課題及びメンバーについて、明らかにされたい。また、この研究会はいつまでに検討を終え、結論を出すのか。さらに、その結論を踏まえ、政府は、選択議定書の批准に向けて今後どのように取り組むのか、併せて明らかにされたい。

二 昨年夏の国連女性差別撤廃委員会の日本政府報告書審査で、「委員会は、選択議定書により提供される制度は、司法の独立性を強化し、女性にたいする差別への理解をすすめる上において司法を補助するものであると強く確信している」との「勧告」が出されている。
 政府は、この「勧告」をどのように受け止めているのか、明らかにされたい。

三 国連女性差別撤廃委員会の「勧告」は、「この最終コメントの内容を日本国内で広く周知すること」、「条約、選択議定書、委員会の一般的勧告、北京宣言および行動綱領、第二十三回国連特別総会の成果を、特に女性団体や人権組織に広く広報し続けることを強く要請」している。
 国連女性差別撤廃委員会から日本政府への二回の「勧告」(一九九五年、二〇〇三年)のそれぞれについて、どのように周知、徹底、広報してきたか。その手段及び内容を明らかにされたい。(後略)


 平成十六年六月二十九日付の答弁書(第29号)の一部より、

なお、お尋ねの委員会の意見及び勧告が法的拘束力を持たないことに関する記述については、女子差別撤廃条約の選択議定書は、締約国が委員会の意見及び勧告に妥当な考慮を払うことを義務付けるにとどまっており、意見及び勧告それ自体を履行することを義務付けていないことを踏まえたものであると考えられる。


 2004年7月1日(木)「しんぶん赤旗」「選択議定書批准ふれず」で上記の質問趣意書の答弁に関して報じられているが、選択議定書は

日本政府は「司法権の独立」との関連などを理由に批准をしていません。これに対し、昨年八月女性差別撤廃委員会から、選択議定書は「司法の独立を強化し」「司法を補助するもの」と批准を促す勧告がだされています。これを「どう受け止めているのか」との質問に対し、答弁では、「十分に検討し」「適切に対処」といいながら、勧告は、「法的拘束力を有するものではない」という立場で回答しています。

 さらに、選択議定書の批准は、「検討」中と従来の主張を反復。外務省主催の研究会での検討状況や内容の詳細、批准にむけてのとりくみについての質問には答弁を拒否しました。(後略)

…すでに「法的拘束力を有するものではない」のカードを切っていたようだった。


参考;
女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」の条約の文章そのものへのリンク。
 および、1999年10月6日に総会にて無投票で採択された「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約選択議定書 」の文章そのものへのリンク。
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ユーザータグ:  日本軍性奴隷制問題
[ 2009/03/23 07:03 ] ジェンダー関連? | TB(1) | CM(0)

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