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2009年のILO条約勧告適用専門家委員会報告書にて第二次世界大戦中の性奴隷制と産業奴隷制問題が言及される 

 国際労働機関(ILO)とは、

1919年、第1次世界大戦後の社会改革に対して高まる懸念、そしてあらゆる改革は国際的なレベルで進められるべきだという確信を体現するものとして、「世界の永続する平和は、社会正義を基礎としてのみ確立することができる」という憲章原則の上に設立

され、憲章として、「いずれかの国が人道的な労働条件を採用しないことは、自国における労働条件の改善を希望する他の国の障害となる」と謳っているという(ILO駐日事務所「ILOとはより)

 そして、ILO第14回総会にて、1930年6月28日採択、1932年5月1日発効された第29号条約は、「強制労働に関する条約」で現在も通用している条約だ。日本は1932年11月21日に批准している(ILO駐日事務所「強制労働ニ関スル条約(第29号)より)

 さて、それと興味をもって調べればすぐに出てくることなのだが、特に興味をもっていなければ気がつかないかもしれない「慰安婦」関係の情報として、日本が「慰安婦」問題において、ILOにおいても注目されていることもあるかもしれない。日本が批准済み以降に、上記の「強制労働に関する条約」に抵触したと判断がされているからだ。 2007年以来の「慰安婦」に関連する決議や意見書で言及があるので、ILOからも何か指摘があることは知っていても、改めて確認すると、それが「再三」であることに複雑な感心をしてしまう。なんせ、ILO条約勧告適用専門家委員会年次報告にて、
 1996年3月4日;「慰安婦はILO条約が禁止する『強制労働』にあたる。日本政府はすみやかに適切な配慮をすべき」
 1997年3月4日;「慰安婦はILO条約が禁止する『強制労働』にあたる。日本政府はすみやかに適切な配慮をすべき」
 1999年3月11日;「アジア女性基金は被害者の期待に応えておらず、被害者が高齢であることを考慮し、早急に個人補償すべき」
 2001年3月12日;『「慰安婦」が29条違反にあたる事を再度指摘し、多くの被害者がアジア女性基金の「償い金」を受け入れていないという現状から、日本政府が被害者や関係団体と協議し、補償のための他の方法を設けるよう』
 2003年3月1日;『「慰安婦」が29条違反にあたる事を再度指摘し、被害者が高齢であること、日本政府が被害者たちの請求に答える措置を講じる事を希望する』
 2007年2月1日;『日本政府が被害者たちの請求に答える措置を講じる事を希望する』
と、すでに6回も指摘されているというのだ(はてなグループ「従軍慰安婦問題を論じる」「「慰安婦」問題解決を促す国連・外国からの勧告・決議より)

 2001年の条約勧告適用専門家委員会報告書については、ILO東京支局が発行している「ILOジャーナル 2001.5.6号 (Pdf)」に、I LO 憲章の規定に基づき加盟国が報告した書類を審査した条約勧告適用専門家委員会が総会に提出した資料として「第89回 ILO 総会議題資料」の項にもう少し詳細な記述があった。

 第29号条約については、従軍慰安婦と戦時強制労働の問題を再び取り上げ、賠償問題は解決済みとの日本政府の主張を法的には正しいと認めながら、条約違反慰安婦の問題については、被害者の多くがアジア女性基金による補償を拒否している事実から、政府がこれに代わる補償方法として被害者の期待に添うものを被害者及びその代表団体との協議を通じ、手遅れにならないうちに見出すことへの希望を表明する。また、戦時強制労働の問題についても、被害者が高齢である事実に鑑み、その要求に対し、被害者及び政府双方が満足できる方法で政府が対応できるよう希望が表明されている。


 さて。
「慰安婦」決議に応え今こそ真の解決を!』さんのニュースで知ったところによると、06 March 2009付で『2009 Report of the Committee of Experts on the Application of Conventions and Recommendations』(2009年版の年次報告)が公表されており、「中国人戦争被害者の要求を支える会のブログ」さんが3月8日付記事『2009年ILO条約適用勧告専門家当委員会個別所見(仮訳)』にて和訳をアップしてくださっているとのこと。原文と頂いてきた和訳を並べて、手元でも保存させていただいておこう。

 上記のILOサイトのリンク先からダウンロードできるファイルはPDF。その222ページから224ページに日本の分の報告がある。

 Forced Labour Convention, 1930 (No. 29) (ratification: 1932)  
強制労働条約、1930年(29号)(批准:1932年)

1. In its earlier comments, the Committee examined the issues of sexual slavery (so-called “comfort women”) and industrial slavery during the Second World War. The Committee refers in this connection to its earlier considerations concerning the limits of its mandate in respect of these historical breaches of the Convention. In 2006, the Committee in its observation firmly repeated its hope that the Government would in the immediate future take measures to respond to the claims of the surviving victims, the number of whom have continued to decline with the passing years. The Committee also requested the Government to continue to inform it about any recent judicial decisions and related developments. In its 2007 observation, the Committee, in addition, requested the Government to respond to the communications by the workers’ organizations.
1. 以前のコメントで、当委員会は、第二次世界大戦中の性奴隷制(いわゆる「慰安婦」問題)と産業奴隷制の問題を検討した。当委員会は、これらに関連して、条約の歴史的違反に関するその権能の範囲に関する以前の考察を参照する。2006年に、当委員会はその所見で、年月の経過とともにその数が減りつづける生存被害者の請求に応えて、政府が早い時期に措置をとること希望すると断固(firmly)として繰り返した。当委員会は、さらに政府に対して最近の司法判断すべてと関連する事態の進展に関して通報を続けるよう求めた。2007年の所見では、当委員会は、さらに、労働組合からのコミュニケーションに応えるように政府に求めた。

2. 3. (情報元について、略)
4. 5. (裁判についての言及、略)

6. The communications from the workers’ organizations also referred to the issue of military sexual slavery as it continues to be taken up by several UN bodies, in particular, in the form of recommendations of the Working Group (of the UN Human Rights Council) on the Universal Periodic Review adopted in May 2008 (A/HRC/8/44, paragraph 60); as an item on the List of Issues taken up by the UN Human Rights Committee (CCPR/C/JPN/Q/5), in connection with its consideration in September 2008 of the Government’s fifth periodic report under the International Covenant on Civil and Political Rights; and in recommendations of the UN Committee against Torture in connection with its consideration, in May 2007, of the first periodic report of the Government under the Convention against Torture and Other Cruel, Inhuman or Degrading Treatment or Punishment (CAT/C/JPN/CO/1, paragraphs 12 and 24).
6. 労働組合からのコミュニケーションはまた、軍隊性奴隷の問題に言及したが、これは幾つかの国連機関が取り上げているためである。特に2008年5月 (A/HRC/8/44(パラグラフ60))に採用された普遍的定期審査のワーキンググループ(国連人権理事会)の勧告の形で取り上げられており、国際自由権規約における2008年9月に提出された政府の第5回目の定期報告に関連して国連人権当委員会(CCPR/C/JPN/Q/5)の問題リストに載った問題の一つとしても取り上げられ、また2007年5月に拷問及び他の残虐な非人道的なもしくは品位を傷つける取扱い又は刑罰を禁止する条約のもとで日本政府が提出した第一回報告についての考察に関連して国連拷問禁止当委員会の勧告(CAT/C/JPN/CO/1, 12節24節)の中でも取り上げられている。

7. The communications from the workers’ organizations also referred to recent motions and resolutions on the issue of military sexual slavery adopted by several parliamentary bodies, which call for further measures to be taken by the Government of Japan. These include: a unanimous resolution passed by the lower house of the Netherlands Parliament on 20 November 2007; Motion 291 passed by the House of Commons of Canada on 28 November 2007; a joint motion for a resolution on “Justice for ‘Comfort Women’”, adopted by the European Parliament on 13 December 2007; as well as resolutions adopted by the Japanese District Councils of Takarazuka and Tokyo Kiyose on 25 March 2008 and 25 June 2008, respectively, urging the Government to take measures to examine and reveal the historical truth about the issue, to restore dignity and justice to the victims, to provide them with compensation, and to further educate the public.
Government’s response
7.労働組合からのコミュニケーションはまた数カ国の議会で採択された軍隊性奴隷制問題について日本政府に更なる措置をとるように呼びかける動議や決議に言及した。これらには、次のものが含まれる:2007年11月20日にオランダ下院で満場一致で採択された決議;2007年11月28日にカナダ下院で採択された動議291;2007年12月13日に欧州議会で採択された慰安婦のための正義についての決議の共同動議があり、さらに日本の宝塚市市議会で2008年3月25日に採択され、東京都の清瀬市で2008年6月25日に採択された決議はそれぞれ政府に対して問題の歴史的真実を調査し、明らかにせよ、被害者の尊厳と正義を取り戻せ、彼女らに補償をせよ、そして一般庶民にこの問題について教育せよというものだった。

8. (裁判情報についての政府の回答、略)
9. (河野談話継承等、日本政府の姿勢についての政府回答に関する言及、略)

10. The Committee has noted from the Government’s statements in its report received on 1 September 2008, as well as in its replies to and comments on the recommendations of UN bodies referred to above, that with regard to non-legal measures to respond to the claims of surviving victims of wartime industrial forced labour and military sexual slavery and to meet their expectations, the Government has placed a heavy, almost exclusive emphasis on the Asian Women’s Fund (AWF) and its related activities, an initiative launched in 1995 and continued until the Fund was dissolved on 31 March 2007, and that the AWF appears to constitute the sole measure the Government has contemplated taking to fulfil its acknowledged moral responsibility to the victims. The Committee recalls that in its 2001 and 2003 observations it considered that the rejection by the majority of former “comfort women” of monies from the AWF because it was not seen as compensation from the Government, and the rejection, by some, of the letter sent by the Prime Minister to the few who accepted monies from the Fund as not accepting government responsibility, suggested that this measure had not met the expectations of the majority of the victims. The Committee therefore expressed the hope that the Government would make efforts, in consultation with the surviving victims and the organizations which represent them, to find an alternative way to compensate the victims in a manner that would meet their expectations. The Committee recalls in this connection the Government’s statement in its report received on 26 September 2006, with reference to the dissolution of the AWF in March 2007, that it “will continue to make efforts to seek further reconciliation with the victims”.
10. 当委員会は、政府が上記の国連機関からの勧告に対して行った回答やコメント並びに2008年9月1日に届いたその報告書の文面から次のことに注目した、戦時産業強制労働と軍事性奴隷の生存被害者の要求にこたえるための非法規的な措置と彼らの期待に応えることに関して、政府は、1995年に始め、2007年 3月31日に解散するまで継続したアジア女性基金(AWF)とそれに関連した活動に重い、ほとんど独占的な重要性を置いている。そしてアジア女性基金は被害者に対して認めた道徳的責任を満たすために取ることを考えた政府の唯一の措置であるように見える。 当委員会は2001年と2003年の所見で、元慰安婦の大多数がAWFの金を政府の補償と見なかったので償い金を拒否したことやその金を受け取った少数の女性に総理大臣が送った手紙を政府が責任を受け入れたわけでないとして拒否した女性がいたことなどは、これが被害者の大多数の期待に応えるものでないことを示唆していると述べたことを想起する。それ故、当委員会は政府が生存被害者と彼らを代表する組織と相談して、彼らの期待に添えるような方法で被害者に補償する代りの方法を見つけるための努力をして欲しいとの希望を表明した。
当委員会は、これに関連して2006年9月26日に受領した政府報告の中で、2007年3月のAWFの解散に触れて、政府は「被害者との一層の和解を求める努力をするつもりである」と述べていたことを想起する。


11. The Committee hopes that in making these further efforts to seek reconciliation with the victims, the
Government will, in the immediate future, take measures to respond to the claims being made by the aged surviving victims. The Committee also requests the Government to continue to provide information about recent judicial
decisions and related developments.
11. 当委員会は、被害者との和解を求めるためのさらなる努力をする際に、政府が、近い将来に、年老いた強制労働の生存被害者が訴えている請求に応える措置を取ることを望む。 当委員会は、さらに最近の司法判断および関連する進展に関する情報を提供し続けることを政府に要求する。

 という訳で、ILO条約勧告適用専門家委員会年次報告から、7回目の指摘である。

 そういえば、『2007年3月のAWFの解散に触れて、政府は「被害者との一層の和解を求める努力をするつもりである」と述べていた』って、確かに当時の報道でそう目にしたような。しかし、日本政府が以降に行った「被害者との一層の和解を求める努力」に関しては、私にはちょっと心当たりがない。

 ILO駐日事務所の「国際労働基準-ILO条約・勧告」で確認すると「勧告」として公表されている文章は別にあり、年次報告に一般に「勧告」と呼べる表現があるように見えても、ILO勧告とは言えない様に判断できる。そして、もしILOが公表したのが「勧告」であったとしても、こちらの採用差別に対するILO勧告にかんする情報や、こちらの「教員制度「組合と協議を」/ILOが改善勧告」をみるに、「法的拘束力」があるとして厳粛に受け止められることはないとみてよさそうだ。

 ということは、この一つ前のエントリで紹介した国連・自由権規約委員会勧告への対応を問われた質問趣意書へ答弁書で示した対応のように、日本政府は、今回も堂々とシカトすることだろう。


と、はっきり予想がつくのが何ともはや…orz
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ユーザータグ:  日本軍性奴隷制問題
[ 2009/03/21 12:55 ] 自爆史観 | TB(0) | CM(0)

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