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ガングリオシドって何? 

 ある日、職場に行くと、同じ部署の橋本さん(仮称)が聖母のような微笑みを浮かべながら近寄ってきた。…思わず警戒する。

 「これ、騙されて飲んで♪
「騙されたと思って」ですらないらしい。長い方の辺が10センチ程度の厚紙の箱に入った飲物。

どう見ても怪しい。


 「何ですか? これ
 「清涼飲料水

確かにそう書いてある。


 「…何に効くってふれこみ?
 「癌だって
…素直なお返事だったが。。。

 「癌に罹患して無いのに飲んで大丈夫なんでしょうか?
 「だって清涼飲料水だし
…そりゃ、そんな大げさな効果は無いだろうけど。

 「もうすぐ賞味期限切れるから早い目に飲んでね♪
 「本当に、飲んで妙なことにならないんでしょうね?
 「ちょっと、胃がカッとなるだけ
…充分、嫌な気がするが、、、まぁ、ネタになりそうだからありがたく頂くとする。
もちろん、部署の他の人間にも押しつけたようで、かなりの人数が飲んでいた。しばらく観察してみたが、特に誰も異常を申告していないようだ。


 さて、当然、私は飲む前にネットで情報を検索する。

 ご本家はこちらになるのだろうか。
さつまいもガングリオシド gg-5
 煽り文句はこう来る。

1992年日本癌学会、そして
1994年インドで開催された世界癌学会で発表された、
癌細胞の増殖を止める物質・ガングリオシド。

さつまいもから抽出されたガングリオシドをたくさん添加した、さつまいものしぼり汁にリンゴのしぼり汁を少し足したジュースだそうな。
…こちら、販売もしているようなのだが(50ml10本セットで、税込み37,800円)、いくらパッケージに「清涼飲料水」と印刷していても、このホームページってまずくないのだろうか?

 それはともかく、学会発表のみしか紹介が無く、それも92年に94年。ずいぶん古い。発表者は、宮城県にあるという尚絅学院大学の道岡攻教授。
 医療文献データベース、NCBI PubMed (a service of the U.S. National Library of Medicine)で検索してみる。しかし、キーワードを、mitioka, michioka, ganglioside等々試してみたが、それらしい検索結果は全然得られない。15年以上前に学会発表しただけの話である可能性は高いと見て良さそうだ。

 このホームページに転載しているらしい研究結果によると、二種類の培養ガン細胞に対し、サツマイモのしぼり汁を培養液に添加すると増殖が阻止されたという。そして、どうやって調べたかの言及はないが、その有効成分がガングリオシドであったとか。
…これだけである。培養細胞の話だけ。動物が経口で摂取すれば、成分が吸収されてガン細胞までに辿り着けるかどうかや、例えガン細胞に辿り着いたとしても、その成分が、そのまま辿り着くかどうかは不明なのに、である。

 また、このページには、芋焼酎の搾り粕に抗ガン作用が認められたという新聞記事も紹介されている。さつまいもガングリオシドはしぼり汁の話で、こちらは搾り粕の話。そして搾り粕から作製した醸造酢を用いて、マウスの癌の大きさ(の増加率)と生存率で評価した話。全然違う話なので、これをもってきても、さつまいもガングリオシドドリンクが素晴らしいという結論にはならない。「さつまいもは素晴らしい」の例なのかもしれないが、ガングリオシドドリンク宣伝サイトに見えるのに、かなりの離れ業である。


 あるいはこんなサイトもあった。
ガンインフォメーション ~さつまいもガングリオシド研究会中部支部
ここでは、日本農業新聞2002年4月9日付の記事として、道岡教授が究明したとして

ガングリオシドをがん細胞に投与したところ、細胞はほとんど増えなかったという。また、増殖過程で正常細胞に戻していることも明らかになった。

との話題が掲載されている。このトピックをどこで発表した研究かの情報はなく、研究発表として言及のあるのは「1992年日本癌学会、1994年インド国際癌学会」である。

 そして、こんな記述もあった。

道岡教授の実験では、癌細胞の増殖を抑制するのに必要な量は、体重5グラムあたり27ナノグラムでした。 この数字から試算すると、体重1キロあたり5400ナノグラムが有効値と考えられます。
ですから体重が50キロある人は理論上、この50倍のガングリオシドを摂取すれば癌細胞の増殖を抑制することが期待できます。

…動物実験の言及がないのに、体重5グラムあたりの話がどこから出てきたのか謎であるが、体重1kgあたりの有効量が5400ngという話になっているようだ。ちなみに、さつまいもガングリオシドドリンク「ガングリオシドGG5ゴールド」は一本あたり5400ng入りとパッケージに書いてあるようである。体重1kgの人用らしい。
 それとも、50本飲み続けるという話なのだろうか。一気のみではないだろうから、50本飲み終わる頃には、最初に飲んだ分のガングリオシドはまさか体内には残っていまい。あるいは、代謝されて排泄されることのない、ひたすら蓄積される物質なのだろうか。

 さて、この「研究会」のWWWページでは「体験者の声」も9名分掲載されている。全てガンの患者さんのようで、良くなったという喜びの声だ。もちろん、良くなったと思えることは良いことだ。
 ただし、ここで掲載された「体験者の声」はこのサイト運営者が掲載しようとした「体験者の声」であること、悪くなった場合に「体験者の声」をこのサイトに寄せるどころではない状況になるのではないかという点、この体験者の皆様は全員、普通に、医療機関に通いながら「さつまいもガングリオシドドリンク」を摂取されていたとの記述がある点は、注目しておくべきだろう。
 医療機関に通わずに「さつまいもガングリオシドドリンク」を頼ろうとした人がいないことを祈るばかりである。


 なお、ガングリオシドは、IQサプリとして、あるいは認知症予防に有効なサプリメントと見なされることもあるようだ。


 こういった調査の後に(笑)、味わった「ガングリオシドGG5ゴールド」はといえば、ヒトに押しつけようという発想が出るだけあって、、、黒砂糖を溶かしたような、くどい甘ったるさで、おかわりは遠慮したい味なのであった。
…こんなのもあるのかと、しみじみ。
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[ 2009/03/14 17:32 ] ニセ科学系トンデモ | TB(1) | CM(12)

ガングリオンかと思いました   No. 5756

良性腫瘍の。
クボタン(阪神タイガースの久保田投手)の脇の下にできたというアレ。
(と思った私はトラキチに分類されるよね・・・。)

橋本さん(仮称)はなぜ、どうやって
こんな怪しい飲み物を入手したのかも気になります。
[ 2009/03/14 17:02 ] Ol1eGJ4Y[ 編集 ]

   No. 5757

…駄洒落(癌グリオシド)かと一瞬思ってしまいました。


>橋本さん(仮称)はなぜ、どうやって
<
 近い親戚の方が最近ガンで亡くなった話は聞いていたんで、そこは根掘り葉掘り訊けなかったんですけどね。普通に治療しながら飲む分には、治療の邪魔をしないサプリという可能性は否定できませんが、、、高いなぁ。
[ 2009/03/14 17:51 ] fYTKg7yE[ 編集 ]

おおグッドタイミング   No. 5758

○○つながり、ではなくて「がんに効く」つながりでTB投げました。いつも面白いTBをいただくので何か強引につなげてTBをと思って見に来たら、強引もなにもぴったりの記事が上がってるし。。。はっ、これはもしかして共鳴現象ってやつ!?(違

しかし同じFC2でも今まで決してTBが通らなかったブログが、どことはいいませんけど某んまげさんのとことか、あるんですけどうまく通ってよかったです。
[ 2009/03/14 21:18 ] Qi8cNrCA[ 編集 ]

TBありがとうございます。   No. 5759

>とらこさん

 おお、トラックバックいただけるのは初めてかも(嬉
ずっと片思いだったし(って、文字化けトラックバックで占拠するのはストーカーか?)


>これはもしかして共鳴現象ってやつ!?(違
<
 ちょろっとでも材料があったら(なかっても)ガンに効くと主張するのが流行っているんだったりして…orz

 ちょんさまのところは、言及リンクがないとTB通らない設定になさってるかも。うちからは、ココログがほとんどと降りません。エキサイトはブログによって通る所と通らない所が。FC2は、north-poleさんとこでたまにはじかれます(^^;
[ 2009/03/15 12:09 ] fYTKg7yE[ 編集 ]

う~む   No. 5771

いや、興味深く読み進めていって、
最後の最後で……吹きました。

ここまで調べて、それでも敢えて飲んじゃうところが凄いです(笑)
[ 2009/03/17 18:30 ] mQop/nM.[ 編集 ]

いや、だって   No. 5773

>山辺響さん

 積極的に有害との情報はなかったし、周囲で飲んだ人間にも異常はなかったし。だったら、(美味なはずもない)味はレポートしておかないと(^^;
[ 2009/03/17 19:05 ] fYTKg7yE[ 編集 ]

north-pole   No. 5781

「ガングリオシド」と言われると、「ガングリオシドーシス」という難病(先天的な酵素欠損のためガングリオシドが神経系などに蓄積して重い神経症状を呈する)を思い出してしまう。
なくても困るけれど、貯まっても困る物質なんですよね。ていうか、体内で合成されるものをなんでわざわざ補充しなきゃならんのか?と思ったり。
ガングリオシドと腫瘍の関係では下記がちょっと興味深かったです。
http://www.geocities.jp/shanda1962/tcy_1gang_metastasis.htm
[ 2009/03/19 10:14 ] -[ 編集 ]

すみません。。。   No. 5782

げ。タイトルに名前いれちゃった。ぼけてるにゃ。すみません。
[ 2009/03/19 10:16 ] FpmNmbUk[ 編集 ]

   No. 5783

>north-poleさん

 面白そうな論文のご紹介ありがとうございます。腫瘍細胞の増殖にどっち向きにかは影響する可能性はあるのでしょうね。
 でも、それ以前にこちらでご指摘のあるように、
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.choju.org/
そのまま吸収されないんじゃないかと(^^;

…少し前までのテンプレートで、タイトルに名前を入れて、名前欄の入力忘れの人が続出していたので、名前の入力無しだとアラート&コメント表示と同じ順番に入力欄がでるようにテンプレ修正したんですけど、まだ紛らわしいですかねぇ。また検討してみます。
[ 2009/03/19 19:07 ] fYTKg7yE[ 編集 ]

管理人のみ閲覧できます   No. 5784

このコメントは管理人のみ閲覧できます
[ 2009/03/20 14:45 ] [ 編集 ]

   No. 5785

>そのまま吸収されないんじゃないか

これに限らず、そのまんま吸収されてそのまんま利用される、ていうふうにはいかないんですよね。機械の部品交換じゃないんだから。

どうも、代替医療方面の主張が、えてしてそういうものすごく単純な「人間機械論」的発想で語っていたりすることがあるのは、皮肉な感じがします。
[ 2009/03/20 20:12 ] FpmNmbUk[ 編集 ]

   No. 5790

>north-poleさん
>単純な「人間機械論」的発想で語っていたりすることがある
<
 願望としての結論ありき、みたいな感じで、理屈は後付っぽいですね。だから、膏薬と同じくどこにでもくっつく話で。
ちょっと前にとりあげたDNAドリンクは、普通に痛風リスクをあげるように見えましたし、それを指摘する意見もネットでよく見られるんですよねぇ。それでもよく売れるみたい。科学的に見えるキーワードが入っているのがツボなのかな、と。
[ 2009/03/22 12:25 ] fYTKg7yE[ 編集 ]

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朝日新聞にマクロビ礼賛記事

2009年3月14日付け朝日新聞土曜版「be on Saturday」の一面に「フロントランナー」として「マクロビオティック料理人 西邨(にしむら)マユミさん」なる人が紹介されている。 1ページ半に及ぶ記事にはマクロビに批判的な視点はなく、極めて好意的に紹介している。マド
[2009/03/14 21:09] URL みみずくからの伝言












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