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ガザ虐殺;化学兵器禁止機関へ調査要請の報道 

 アメリカ上院外交委員長がガザを訪問したり(でもハマスとは接触していないとか)といった情報は見受けられるので、日本のマスコミは報じていない訳ではないし、欧米のマスコミも報じていないわけではないが、それでイスラエルの戦争犯罪の追求はどうなってるんだという方面に関心が向いていると、途端に情報は少なくなる。

 そうなると、イスラム圏の英字版新聞を見ることになるが、その新聞が多くの読者からどのような評価をされているのがさっぱり解らなくて微妙に不安を感じないでもない。でも、やっぱり、こういう情報があったということは、参照できるように手元に保存しておきたいということで、エントリにしておこうかと。
 このところ、辿り着くことが多いのが「Press TV」という、イランの国際紙(イラン初の国際紙らしい)。

 今回目についたのは、19日付の『Israel WMD use in Gaza alarms NAM』。(魚拓

 イスラエルによる大量破壊兵器(WMD)の使用は非同盟諸国会議(NAM)を警戒させる、とのこと。テルアビブで会議があったようで、

The Non-Aligned Movement (NAM) has condemned the use of "chemical weapons" by Israel in its recent operations against the Gaza Strip.

ガザにおけるイスラエルによる「化学兵器」の使用を、NAMが非難した、と。もちろん、白燐を使った兵器のことだが、化学兵器とはっきり表現した記事だった。
 

White phosphorus, classified as a chemical weapon by US intelligence, is used in munitions, to mark enemy targets and to produce smoke for concealing troop movement. It can also be used as an incendiary device to firebomb enemy positions.
 アメリカ情報部によると化学兵器に分類されている白燐は、敵の標的を示すためや軍の移動を隠す煙幕を発生されるために使用される弾薬として使われる。焼夷爆弾としての放火装置に使われることもある。

 先に注釈を入れておくと、ここで言及されている「アメリカ情報部によると化学兵器に分類」に関しては、情報部の情報とは違うかもしれないが、アメリカ国防省保健担当局が開設している“湾岸戦争症候群”についての情報サイト;GulfLINK内で、

IRAQ HAS POSSIBLY EMPLOYED PHOSPHOROUS CHEMICAL WEAPONS AGAINST THE KURDISH POPULATION IN AREAS ALONG THE IRAQI-TURKISH-IRANIAN BORDERS.

 イラクは、イラク-トルコ-イラン国境周辺地域に居住するクルド族に対して、化学兵器を使用した可能性がある。

とのSUMMARYが添えられた国防総省の文書が公開されているのを、一応、確認している。

 Press TVの記事に戻って

If particles of ignited white phosphorus land on a person's skin, they burn right through flesh to the bone. Toxic phosphoric acid can also be released into wounds, risking phosphorus poisoning.
発火した白燐の粒子が皮膚に付着したら、肉を通って骨に至るまでの火傷を負う。毒性のあるリン酸も傷に放出されうるし、燐中毒のリスクがある。

Exposure to white phosphorus smoke in the air can also cause liver, kidney, heart, lung and bone damage and can even lead to death.
白燐煙の空中放出は、肝臓、腎臓、心臓、肺と骨へ損傷を引き起こすこともありえ、死亡に至る場合さえある。

In a statement issued on Thursday at the Conference on Disarmament in Geneva, the 114-member group called on the Organization for the Prohibition of Chemical Weapons (OPCW) "to do its duty in this regard" and to help the Gazan victims of the Israeli aggression.
114のメンバーグループは、ジュネーブ軍縮会議にて木曜に出される声明にて、化学兵器禁止機関(OPCW)が「この件についてその義務を果たすよう」、そしてイスラエルの攻撃の犠牲となったガザを救うよう要請した。

Addressing the conference, Geneva-based Iranian diplomat Ali-Reza Moayyeri urged the global community and the OPCW to launch an investigation into the use of illegal weapons by Israel in Gaza.
ジュネーブ駐在のアリ・レーザ・モアイェリ=イラン外交官は、国際世論とOPCWに、イランによるガザでの違法兵器使用の調査に乗りだすよう、会議の席で迫った。

He further called on international organizations to step up pressure on Israel to halt its "weapons of mass destruction program".
彼は、さらに、国際組織がイスラエルの「大量破壊兵器計画」を停止させるため、イスラエルへ圧力を加えるように要請した。
(後略)

 これまでもアラブ圏の報道やWEBサイトを見て回ってきたが、白燐が実態として「化学兵器」であるとの認識が当たり前に共有されている印象を強くうけていた。今回の報道は、イスラム方面の認識はやはり、その印象で正解であったと裏付けられた感をもった。
 ただ、ジュネーブ軍縮会議やOPCWに関する報道は、日本語等で探してみたが情報が見当たらず裏付けが取れない。英語に自信がないこともあり、メモとして手元に保存しておこうとは思ったものの、エントリ書いている本人も本当にそういう動きがあるのかなと戸惑っている情報であったりもする。
 とはいえ、OPCWへの要請はされていることだとは判断して、問題はないだろう。



参考;
非同盟諸国会議とは ーみんなの知恵蔵

冷戦下で、東西ブロックのどちらにも属さない国々が民族自決を掲げ、61年に第1回首脳会議を開催。冷戦終結により、重点は南北問題に移った。首脳会議は3年ごとに開催する。加盟国は今回2カ国増え、計117カ国とパレスチナ解放機構。


化学兵器禁止機関(OPCW)概要

 化学兵器禁止機関(OPCW)とは、1997年4月に発効した化学兵器禁止条約(Chemical Weapons Convention)に基づき設立された国際機関であり、1997年5月に本部がオランダのハーグ市に設置され、それ以降、世界的な化学兵器の全面禁止及び不拡散のための活動を行っている。



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ユーザータグ:  ガザ虐殺
[ 2009/02/21 18:28 ] 四方山話 | TB(0) | CM(0)

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