クラスター爆弾を正当化する軍事思想がある。(中略)市民をも標的とする無差別攻撃が戦勝に役立つという戦略だ。市民に恐怖感を広げ、戦意を失わせるテロリズムである。敵国を「文明化されていない劣った人々」と蔑視(べっし)する差別意識が背景にある。 (中略) 爆撃を命じる将軍や政治家は、子供の苦痛は想像しない。それを考えていては戦争に勝てない、と発想する。(中略)高空から見えない地上の人々を破壊する将軍の視点を否定し、名もなき死者が最後に見た家族やふるさとの緑、空の青さを想像する。それが、爆弾を禁止する市民の視点だ。
これは、毎日新聞 2008年12月4日 東京朝刊の論説『
クラスター爆弾:禁止条約 市民の視点が新しい地平開いた 』の一節。
ガザが大変なことになっていると報道されている。
イスラエル軍は29日、パレスチナ自治区ガザに対する3日連続の空爆を行い、AFP通信は現地医療関係者の話として、これまでに少なくとも345人が死亡、1550人が負傷 したと伝えた。(中略)国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)はこれまでに、少なくとも57人の民間人が死亡したとしている。ハマス側は300人以上の死者のうち180人がハマスのメンバー、残る死者の多くが民間人 だと主張している。子どもも犠牲になっている 。 イスラエル軍はまずハマスの治安拠点を集中的に空爆したが、その後、標的をモスクや大学、行政庁舎に拡大 しており、市民の犠牲が増えている 模様だ。
そのガザに在って、5年前からNGOとして援助活動で、今年2月から国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員として難民救援に取り組まれている日本人国連職員の寺畑さんが、29日に朝日新聞の電話取材に応じたという報道がでていた。
(略)今は国連施設に避難しているが、周辺で爆音が響き、隣の学校や道路への空爆で生徒らが死亡 したという。 (中略) 空爆の始まった27日は休日で自宅アパートにいた。午前11時半ごろ、ドーンという爆音が続いて建物が激しく揺れ、窓をのぞくと警察署から黒煙が上がっていた。国連の無線で避難命令が出され、防弾車でガザ本部へ。 途中の道路では多くの男性が右往左往していた。小中学校の期末試験が行われていたため、父親たちが子供たちを捜し回っていた ようだ。 国連施設では、事務所の床で雑魚寝している。27日には隣の職業訓練学校の生徒6人が、学校のすぐ外で空爆にともなう金属片などを受けて死亡。うち2人は女性だった。死亡した国連職員や家族を失った職員もいる。 国連は外国人職員のガザ脱出を試みているが、イスラエル軍が境界を閉鎖していて出られない 。29日もイスラエル軍の境界検問所へ向かったが、ガザの武装勢力がイスラエルへ撃ち込もうとした迫撃砲弾が100メートル先で爆発し、断念して引き返した。(後略)
これは、軍事目標に絞った精密爆撃なんかじゃなく、市民も標的にした無差別爆撃だろう。
直接の被害者だけではなく、封鎖されているために食糧も大幅に不足し、停電は続いて市民が凍えて、もちろん病院も機能麻痺で、遺体安置所も足りないという。
30日の13時に配信されていた報道では、4日連続の空爆が実施され、AP通信による空爆開始以来のパレスチナ人死者数は29日夜までに364人、イスラエル人の死者はイスラエル軍が27日に大規模空爆を始めてからは計4人という
(共同通信30日付『4日連続の空爆、10人死亡 ガザの死者360人超に 』より) 。
国連安保理が28日未明に 暴力停止を求める声明を発表し、国連の潘基文事務総長も同じ日に暴力の即時完全停止を求める声明を発表した というが、イスラエルは素無視のようだ。
アッバス自治政府議長が28日に「虐殺は回避できた」として、空爆を誘発した責任はイスラエルとの停戦延長を拒んだハマスにあると非難 したとも報道されているが、加害に口をつぐんで「
誘発した責任 」って、なんだこの既視感漂う論法は。
以下、転載歓迎とあったレイバーネットの記事。
改行は適宜変更し、一部に付いていた原文は略させてもらってます。送信日時の日本語分は転送者が受けたメールの送信時、英語分はアブデルワーヘド教授の送信時となります。
「
空爆下ガザ、アブデルワーヘド教授からのメール 」
みなさま、 空爆下のガザのアブデルワーヘド教授のメールを転送します。 同教授はガザ・アル=アズハル大学の英文学科の教授です。 電気が切れたガザで、発電機でかろうじて電力を維持しながら、世界に向けて発信しています。 イスラエルがハマースの攻撃に対する報復としてハマースの拠点を攻撃しているという日本の報道は偽りです。 これは、非戦闘員、民間人に対する大量虐殺 です。重慶・ゲルニカ・ドレスデン・東京大空襲、そして、ヒロシマ・ナガサキ、同じことが2008年12月の今、起きています 。(京都・O) ****** 転送歓迎 **************** Sent: Saturday, December 27, 2008 8:03 PM Subject: FW: Christmas News 25の建物がイスラエルに空から攻撃された。建物はすべて地上レベルに崩れ去った。死者はすでに250名に達する。負傷者は何百人にものぼるが貧弱な設備しかないガザの病院では、彼らは行き場もない。電気も来ないが、ディーゼル発電機でなんとかこれを書いている。世界にメッセージを送るために。携帯電話もすべて使用できない! ==2==件名:ガザより(2) 27日午後6時 Sent: Sunday, December 28, 2008 1:03 AM Subject: Gaza at 6:00 p.m. なんという光景だ。数分前、パレスチナ側のカッサーム・ロケットが飛んでいく音が聞こえた。続いて、もう一つ、そして爆発音。2発目は、パレスチナ人を標的にしていたイスラエルの機体から爆撃されたものと思われる。今、聴いたニュースによれば、イスラエルのアパッチ・ヘリが攻撃したのは、釣堀用の池のあるリクリエーション・グラウンドだという。シファー病院は、195人の遺体、570人の負傷者が同病院に運ばれていると声明を発表している。刻一刻と死傷者の数は増え続けている。これはガザ市だけの数字だ。 ほかの町や村、難民キャンプからの公式の発表はない。自宅アパートの近くで末息子がスクール・バスを待っていたところ、以前、国境警備局があったところが攻撃された。息子が立っていたところから50メートルしか離れていないところで、男性二人と少女二人が即死した! 真っ暗な夜だ。小さな発電機を動かして、ネットを通じて世界と交信している。 ==3==件名:ガザよりガザより(3) 27日午後8時 Sent: Sunday, December 28, 2008 3:03 AM Subject: Gaza at 8:00 p.m. 今宵、ガザの誰もが恐怖におびえている。完全な暗闇。子どもたちは恐怖から泣いている。死者は206人。遺体はシファー病院の床の上に横たえられている。負傷者は575名をうわまわるが、同病院の設備は貧弱だ。病院事務局は市民に輸血を要請している。教員組合は虐殺に抗議し3日間のストライキを決定。イスラエルの機体がガザ市東部を爆撃、大勢の人々が死傷した。犠牲者の数は増え続けている。瓦礫の下敷きになっている人々もいる。一人の女性は二人の幼い娘と一人の息子を亡くした。彼らは通学途中だった! ==4==件名:ガザより(3) 27日午後11時 Sent: Sunday, December 28, 2008 6:09 AM Subject: RE: Gaza Crisis 11:00pm。イスラエルのF16型戦闘機による、複数回にわたる新たな爆撃。ガザでは3つのテレビ局を視聴できるが、これは電力をなんとか確保できた場合の話だ。空爆はガザ市東部に集中。 ある女性は10人の家族を失った。生き残ったのは彼女と娘一人だけだ。娘はメディアに向かって、何も語ることができなかった。何が起こったのか見当がつかない、と彼女は言う。町のいたるところでパニックが起きている。最悪の事態が起こるのではないかとみな、恐れている。エジプト、ヨルダン、レバノンで、この残虐な空爆に対するデモが行われた。死者数は、219以上にのぼる。 225という説もある。(アブデルワーヘド、ガザ) ==5==件名:ガザより(4) 空爆下、冷たく暗闇のなかで 送信日時:2008/12/28 11:51 今晩、爆破のせいで窓ガラスが砕け散った家庭にとっては冷たい夜だ。ガザの封鎖のため、窓ガラスが割れても、新たなガラスは手に入らない。私が居住するビルでは、7つのアパートが、凍てつく夜をいく晩もそうした状態で過ごしている。彼らは割れた窓をなんとか毛布で覆っている。何百軒もの家々が同じ境遇に置かれているのだ!私に言えることはそれくらいだ。他方、ハニーエ氏は地元テレビでハマースについて話をした。彼の話は、士気を高め、ハマースは屈服しないということを再確認するものだった。死者の数は210に、重傷を負った者もも200人に達した。今また、ガザの北部で新たな爆撃が!(アブデルワーヘド、ガザ) ==6==件名:ガザより(5) ガザに対するイスラエルの攻撃を中止させる行動を! Sent: Sunday, December 28, 2008 6:40 AM Subject: FW: Emergency Alert: Take Action to End Israeli Attacks on Gaza 今、10分のあいだに5回の空爆。標的は人口密集地域の協会や社会活動グループ。モスクもひとつやられた。もう30時間、電気が来ない。なんとか小さな発電機でこらえている。 インターネットで世界に発信するためだ。 ==7==件名:ガザより6) イスラエルから脅迫電話が!! 送信日時:2008/12/28 11:55 今しがた、イスラエルから何者かが電話してきた。末息子が応答したが、電話の主は、私が武器を所有しているなら、住まいを攻撃すると脅しをかけてきた。
ガザからのメール(その2) ==8==送信日時:2008/12/29 13:25 今のところ無事だが・・ 私も家族も無事だが、緊張が続き疲労している。自家用発電機のトラブルのせいで、依然、電気なしの状態。2時間前、隣接するビルがヘリから小規模なロケット砲で攻撃された。標的は7階のアパート。私のアパートは4階だ。それから、通りの向かいにあるビルの5階のアパートも攻撃された。耐え難い状況だ。住民は正真正銘のパニックに襲われている!昨晩、F16型戦闘機がアル=アクサー衛星放送局を攻撃した。同局は粉々になり、周囲のビルも多くが居住不可能になってしまった!ビルの持ち主も住人たちもよそへ移らなければならない!シファー病院の向かいにある小さなモスクも粉々になり、その攻撃のせいで周りの住宅も深刻な被害を受けた。私の友人の家もその一つだ。何が起きたのか、言葉では言い表せないと?! ?[この文字化けは「彼」と思われる(寺尾記)]は言う。彼の家は重篤な被害に見舞われた。56歳になる姉は重傷を負った!さらに英国の委任統治時代に英軍が建設した庁舎(アル=サライヤ)もやられた。標的になったのは刑務所だった。収容されているのは政治犯や一般の囚人だというのに! メディアは死者280名と報道しているが、シファー病院で医師をしている友人の一人は、死者は約500名に達し、負傷者も1000人以上にのぼるという!ラファの国境地帯でも攻撃はエスカレートしている。トンネルを破壊するための作戦が展開されているのだ。何百人ものパレスチナ人が怒涛のようにエジプト国境に徒歩で押しよせているが、エジプト人官憲の発砲に遭って、誰もエジプト側に入れないでいる。 ==9==件名:ガザより(8) 送信日時:2008/12/29 13:26 数分前、複数の地点を狙ってまた空襲があった。死傷者多数。 うちの窓ガラスも砕け散った。税関事務所と入国管理事務所も先刻、破壊された。飛行機やヘリがまだ上空で作戦を継続中。 ==10==件名:ガザより(9) 破壊 送信日時:2008/12/28 11:48 F16型戦闘機がガザ最大の、公安関係のビルを破壊した。アラファトの身辺警護のためにEUが建設した一群のビルだ。4発のミサイルを受けてビルは粉々になった。各地の警察署も攻撃され、今日、すべて破壊された。230もの地点がイスラエル軍用機の標的になっているという話だ。今日の攻撃で、子どもを含む大勢の民間人が死傷した。ラファの国境地帯ではパレスチナ人が一人射殺された。さらに発砲があり、エジプト人官憲が一人撃ち殺された。国境の状況も悲惨だ。イスラエルによる地上攻撃もありうる!
ガザからのメール(3) Subject:[AML 22906] ガザより(10) 攻撃さらに Date:Mon, 29 Dec 2008 21:40:22 +0900 京都の岡です。 ガザのアブデルワーヘド教授からのメールを転送します。 昨晩から今日にかけて攻撃を受けた地点のレポートです。 イスラエルの攻撃目標がこうして列挙されると、社会が社会として成り立つためのソフトウェアの部分を狙い撃ちしていることが 分かります。イスラエルの総選挙をにらんでの、内政の延長線上にある戦争、という専門家の指摘はそのとおりなのかもしれませんが、その戦争にかこつけて、イスラエルが何をなぜ破壊しようとしているのか、まで深く考えるべきだと思います。 以下のレポートはその示唆を与えてくれるように思います。 同教授宅にイスラエルから脅迫電話がかかった旨、すでにお伝えしましたが、事実を外の世界に報道しようとするジャーナリストや 記者たちも攻撃の標的になっています。 ******転載・転送歓迎****** 昨晩、ガザ市内だけで20ヶ所が空襲された。爆撃について私が知るかぎりのことをお伝えする。 1.自宅近所に3回目の攻撃。元公安局。うちミサイル1基が不発のまま、自宅アパートのあるビルの正面、救急ステーション から数メートルのところ、に落ちる。 2.ガザのイスラーム大学の主要校舎二つが粉々に。建物の一つは実験室棟、もう一つは講義棟。いずれも地上4階、地下1階建て。 3.ビーチ難民キャンプ、イスマーイール・ハニーエ氏の住まいの隣家が空と海から同時攻撃され崩壊。 4.モスク2つが空襲され粉々に。中にいた10人が死亡、うち5人はアンワル・バルーシャ氏の娘たち。自宅が危険なのでモスクに避難していたのだろう。これで、破壊されたモスクは計6つに。 5.内務省のパスポート局の建物も今朝、破壊された。 6.文化省のビルも今朝、こなごなに。 7.首相執務室のビルも空襲され完全に破壊。 8.民事行政の主要ビルも完全破壊。 9.地元メディアが報道していないため私が把握できていない複数ヶ所に何度かの攻撃が実行されている。夜間、 ヘリコプターが複数回にわたり攻撃するのを目撃。 10.ジャバリーヤ青年スポーツセンター(UNRWAの施設)が、空から直撃された。 11.サライヤ政府センター近くの空き家が空襲され破壊。 12.ゼイトゥーン地区で移動中の車体が攻撃され破壊、男性2人、子ども1人が死亡。 13.下校途中の高校生の姉妹2人が、空爆を受け死亡。 14.いつかの警察署が再度、攻撃される。 15.イスラエルはジャーナリストおよび記者に対し自宅もしくはオフィスにとどまること、従わない場合は攻撃目標にすると公式に伝達。ガザで起きていることをメディアに報道させないためだ。 16.病院二つが標的に。ファタ病院はまだできたばかりで操業していなかったが、空から攻撃された。もう一つのほうは小さな個人経営の病院。テル・エル=ハワーのアル=ウィアム病院も標的にされた。 17.ベイト・ハヌーンの庁舎も昨晩、破壊された。 18.ラファの自治体のビルも昨晩、破壊された。 19.ラファの庁舎も昨晩、標的にされた。 20.ラファのハシャシュ地区が昨晩、二度にわたり攻撃された。いずれもミサイル2基によるもの。2回目の着弾で周囲15軒の家々が破壊される。 21.ゼイトゥーン地区のグランドにミサイル一基、着弾。 22.ラファ国境地帯にある40個のトンネルに対し空から攻撃、トンネルすべてを破壊。 23.ビーチ難民キャンプの警察署、完全に破壊。 24.旧エジプト・ガザ総督の邸宅も空と海からミサイル攻撃を受け完全に破壊。 続報 ガザの負傷者のための民間協会が破壊された。ガザとハーン・ユーヌスにあるアル=ファラフ慈善協会の二つの建物も破壊された。 続報2 数分前、ウンマ大学の新しい小さな校舎が1棟、攻撃を受け、破壊された。
追記;
このエントリの補遺として、『
ガザ空爆の報道やブログ記事等メモ、31日分追記 』
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みなさま、 空爆下のガザのアブデルワーヘド教授のメールを転送します。 同教授はガザ・アル=アズハル大学の英文学科の教授です。 電気が切れたガザで、発電機でかろうじて電力を維持しながら、世界に向けて発信しています。 イスラエルがハマースの攻撃に対する報復としてハマースの拠点を攻撃しているという日本の報道は偽りです。 これは、非戦闘員、民間人に対する大量虐殺 です。重慶・ゲルニカ・ドレスデン・東京大空襲、そして、ヒロシマ・ナガサキ、同じことが2008年12月の今、起きています 。(京都・O) ****** 転送歓迎 **************** Sent: Saturday, December 27, 2008 8:03 PM Subject: FW: Christmas News 25の建物がイスラエルに空から攻撃された。建物はすべて地上レベルに崩れ去った。死者はすでに250名に達する。負傷者は何百人にものぼるが貧弱な設備しかないガザの病院では、彼らは行き場もない。電気も来ないが、ディーゼル発電機でなんとかこれを書いている。世界にメッセージを送るために。携帯電話もすべて使用できない! ==2==件名:ガザより(2) 27日午後6時 Sent: Sunday, December 28, 2008 1:03 AM Subject: Gaza at 6:00 p.m. なんという光景だ。数分前、パレスチナ側のカッサーム・ロケットが飛んでいく音が聞こえた。続いて、もう一つ、そして爆発音。2発目は、パレスチナ人を標的にしていたイスラエルの機体から爆撃されたものと思われる。今、聴いたニュースによれば、イスラエルのアパッチ・ヘリが攻撃したのは、釣堀用の池のあるリクリエーション・グラウンドだという。シファー病院は、195人の遺体、570人の負傷者が同病院に運ばれていると声明を発表している。刻一刻と死傷者の数は増え続けている。これはガザ市だけの数字だ。 ほかの町や村、難民キャンプからの公式の発表はない。自宅アパートの近くで末息子がスクール・バスを待っていたところ、以前、国境警備局があったところが攻撃された。息子が立っていたところから50メートルしか離れていないところで、男性二人と少女二人が即死した! 真っ暗な夜だ。小さな発電機を動かして、ネットを通じて世界と交信している。 ==3==件名:ガザよりガザより(3) 27日午後8時 Sent: Sunday, December 28, 2008 3:03 AM Subject: Gaza at 8:00 p.m. 今宵、ガザの誰もが恐怖におびえている。完全な暗闇。子どもたちは恐怖から泣いている。死者は206人。遺体はシファー病院の床の上に横たえられている。負傷者は575名をうわまわるが、同病院の設備は貧弱だ。病院事務局は市民に輸血を要請している。教員組合は虐殺に抗議し3日間のストライキを決定。イスラエルの機体がガザ市東部を爆撃、大勢の人々が死傷した。犠牲者の数は増え続けている。瓦礫の下敷きになっている人々もいる。一人の女性は二人の幼い娘と一人の息子を亡くした。彼らは通学途中だった! ==4==件名:ガザより(3) 27日午後11時 Sent: Sunday, December 28, 2008 6:09 AM Subject: RE: Gaza Crisis 11:00pm。イスラエルのF16型戦闘機による、複数回にわたる新たな爆撃。ガザでは3つのテレビ局を視聴できるが、これは電力をなんとか確保できた場合の話だ。空爆はガザ市東部に集中。 ある女性は10人の家族を失った。生き残ったのは彼女と娘一人だけだ。娘はメディアに向かって、何も語ることができなかった。何が起こったのか見当がつかない、と彼女は言う。町のいたるところでパニックが起きている。最悪の事態が起こるのではないかとみな、恐れている。エジプト、ヨルダン、レバノンで、この残虐な空爆に対するデモが行われた。死者数は、219以上にのぼる。 225という説もある。(アブデルワーヘド、ガザ) ==5==件名:ガザより(4) 空爆下、冷たく暗闇のなかで 送信日時:2008/12/28 11:51 今晩、爆破のせいで窓ガラスが砕け散った家庭にとっては冷たい夜だ。ガザの封鎖のため、窓ガラスが割れても、新たなガラスは手に入らない。私が居住するビルでは、7つのアパートが、凍てつく夜をいく晩もそうした状態で過ごしている。彼らは割れた窓をなんとか毛布で覆っている。何百軒もの家々が同じ境遇に置かれているのだ!私に言えることはそれくらいだ。他方、ハニーエ氏は地元テレビでハマースについて話をした。彼の話は、士気を高め、ハマースは屈服しないということを再確認するものだった。死者の数は210に、重傷を負った者もも200人に達した。今また、ガザの北部で新たな爆撃が!(アブデルワーヘド、ガザ) ==6==件名:ガザより(5) ガザに対するイスラエルの攻撃を中止させる行動を! Sent: Sunday, December 28, 2008 6:40 AM Subject: FW: Emergency Alert: Take Action to End Israeli Attacks on Gaza 今、10分のあいだに5回の空爆。標的は人口密集地域の協会や社会活動グループ。モスクもひとつやられた。もう30時間、電気が来ない。なんとか小さな発電機でこらえている。 インターネットで世界に発信するためだ。 ==7==件名:ガザより6) イスラエルから脅迫電話が!! 送信日時:2008/12/28 11:55 今しがた、イスラエルから何者かが電話してきた。末息子が応答したが、電話の主は、私が武器を所有しているなら、住まいを攻撃すると脅しをかけてきた。
ガザからのメール(その2) ==8==送信日時:2008/12/29 13:25 今のところ無事だが・・ 私も家族も無事だが、緊張が続き疲労している。自家用発電機のトラブルのせいで、依然、電気なしの状態。2時間前、隣接するビルがヘリから小規模なロケット砲で攻撃された。標的は7階のアパート。私のアパートは4階だ。それから、通りの向かいにあるビルの5階のアパートも攻撃された。耐え難い状況だ。住民は正真正銘のパニックに襲われている!昨晩、F16型戦闘機がアル=アクサー衛星放送局を攻撃した。同局は粉々になり、周囲のビルも多くが居住不可能になってしまった!ビルの持ち主も住人たちもよそへ移らなければならない!シファー病院の向かいにある小さなモスクも粉々になり、その攻撃のせいで周りの住宅も深刻な被害を受けた。私の友人の家もその一つだ。何が起きたのか、言葉では言い表せないと?! ?[この文字化けは「彼」と思われる(寺尾記)]は言う。彼の家は重篤な被害に見舞われた。56歳になる姉は重傷を負った!さらに英国の委任統治時代に英軍が建設した庁舎(アル=サライヤ)もやられた。標的になったのは刑務所だった。収容されているのは政治犯や一般の囚人だというのに! メディアは死者280名と報道しているが、シファー病院で医師をしている友人の一人は、死者は約500名に達し、負傷者も1000人以上にのぼるという!ラファの国境地帯でも攻撃はエスカレートしている。トンネルを破壊するための作戦が展開されているのだ。何百人ものパレスチナ人が怒涛のようにエジプト国境に徒歩で押しよせているが、エジプト人官憲の発砲に遭って、誰もエジプト側に入れないでいる。 ==9==件名:ガザより(8) 送信日時:2008/12/29 13:26 数分前、複数の地点を狙ってまた空襲があった。死傷者多数。 うちの窓ガラスも砕け散った。税関事務所と入国管理事務所も先刻、破壊された。飛行機やヘリがまだ上空で作戦を継続中。 ==10==件名:ガザより(9) 破壊 送信日時:2008/12/28 11:48 F16型戦闘機がガザ最大の、公安関係のビルを破壊した。アラファトの身辺警護のためにEUが建設した一群のビルだ。4発のミサイルを受けてビルは粉々になった。各地の警察署も攻撃され、今日、すべて破壊された。230もの地点がイスラエル軍用機の標的になっているという話だ。今日の攻撃で、子どもを含む大勢の民間人が死傷した。ラファの国境地帯ではパレスチナ人が一人射殺された。さらに発砲があり、エジプト人官憲が一人撃ち殺された。国境の状況も悲惨だ。イスラエルによる地上攻撃もありうる!
ガザからのメール(3) Subject:[AML 22906] ガザより(10) 攻撃さらに Date:Mon, 29 Dec 2008 21:40:22 +0900 京都の岡です。 ガザのアブデルワーヘド教授からのメールを転送します。 昨晩から今日にかけて攻撃を受けた地点のレポートです。 イスラエルの攻撃目標がこうして列挙されると、社会が社会として成り立つためのソフトウェアの部分を狙い撃ちしていることが 分かります。イスラエルの総選挙をにらんでの、内政の延長線上にある戦争、という専門家の指摘はそのとおりなのかもしれませんが、その戦争にかこつけて、イスラエルが何をなぜ破壊しようとしているのか、まで深く考えるべきだと思います。 以下のレポートはその示唆を与えてくれるように思います。 同教授宅にイスラエルから脅迫電話がかかった旨、すでにお伝えしましたが、事実を外の世界に報道しようとするジャーナリストや 記者たちも攻撃の標的になっています。 ******転載・転送歓迎****** 昨晩、ガザ市内だけで20ヶ所が空襲された。爆撃について私が知るかぎりのことをお伝えする。 1.自宅近所に3回目の攻撃。元公安局。うちミサイル1基が不発のまま、自宅アパートのあるビルの正面、救急ステーション から数メートルのところ、に落ちる。 2.ガザのイスラーム大学の主要校舎二つが粉々に。建物の一つは実験室棟、もう一つは講義棟。いずれも地上4階、地下1階建て。 3.ビーチ難民キャンプ、イスマーイール・ハニーエ氏の住まいの隣家が空と海から同時攻撃され崩壊。 4.モスク2つが空襲され粉々に。中にいた10人が死亡、うち5人はアンワル・バルーシャ氏の娘たち。自宅が危険なのでモスクに避難していたのだろう。これで、破壊されたモスクは計6つに。 5.内務省のパスポート局の建物も今朝、破壊された。 6.文化省のビルも今朝、こなごなに。 7.首相執務室のビルも空襲され完全に破壊。 8.民事行政の主要ビルも完全破壊。 9.地元メディアが報道していないため私が把握できていない複数ヶ所に何度かの攻撃が実行されている。夜間、 ヘリコプターが複数回にわたり攻撃するのを目撃。 10.ジャバリーヤ青年スポーツセンター(UNRWAの施設)が、空から直撃された。 11.サライヤ政府センター近くの空き家が空襲され破壊。 12.ゼイトゥーン地区で移動中の車体が攻撃され破壊、男性2人、子ども1人が死亡。 13.下校途中の高校生の姉妹2人が、空爆を受け死亡。 14.いつかの警察署が再度、攻撃される。 15.イスラエルはジャーナリストおよび記者に対し自宅もしくはオフィスにとどまること、従わない場合は攻撃目標にすると公式に伝達。ガザで起きていることをメディアに報道させないためだ。 16.病院二つが標的に。ファタ病院はまだできたばかりで操業していなかったが、空から攻撃された。もう一つのほうは小さな個人経営の病院。テル・エル=ハワーのアル=ウィアム病院も標的にされた。 17.ベイト・ハヌーンの庁舎も昨晩、破壊された。 18.ラファの自治体のビルも昨晩、破壊された。 19.ラファの庁舎も昨晩、標的にされた。 20.ラファのハシャシュ地区が昨晩、二度にわたり攻撃された。いずれもミサイル2基によるもの。2回目の着弾で周囲15軒の家々が破壊される。 21.ゼイトゥーン地区のグランドにミサイル一基、着弾。 22.ラファ国境地帯にある40個のトンネルに対し空から攻撃、トンネルすべてを破壊。 23.ビーチ難民キャンプの警察署、完全に破壊。 24.旧エジプト・ガザ総督の邸宅も空と海からミサイル攻撃を受け完全に破壊。 続報 ガザの負傷者のための民間協会が破壊された。ガザとハーン・ユーヌスにあるアル=ファラフ慈善協会の二つの建物も破壊された。 続報2 数分前、ウンマ大学の新しい小さな校舎が1棟、攻撃を受け、破壊された。
追記;
このエントリの補遺として、『
ガザ空爆の報道やブログ記事等メモ、31日分追記 』
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パレスチナ人虐殺を正当化する「フリーチベット」の人
■【ガザ空爆】「堪えうる限界を超えていた」駐日イスラエル大使(MSN産経ニュース) 2008.12.29 18:37 イスラエルのベンシトリット駐日大使が29日、都内で産経新聞のインタビューに応じ、パレスチナ自治区ガザ地区への空爆は、イスラム原理主義組織ハマスによるロケッ
[2008/12/30 22:54]
URL
vanacoralの日記
ガザ停戦を求める署名フォーム
ガザ停戦を求める署名ができるページですと。
http://www.avaaz.org/en/gaza_time_for_peace/?cl=161793181&v=2606
えーと、First time here? てのは、「おたく、一見さん?」って意味だっけ。
name や Country を wwriteして、SENDすればいいのね。(ルー語のまね
[2008/12/31 00:15]
URL
みんななかよく
ガザ空爆と、それをめぐる日本の報道と民度の一断面
イスラエルによるガザでの空爆は市民への無差別軍事攻撃であり、認めることはできません。この空爆を支持するのは論外として、黙認してい...
[2008/12/31 00:16]
URL
村野瀬玲奈の秘書課広報室
[雑記]ガザ空爆関連ニュースを時系列にそって並べてみる
僕が集めた範囲だけです。了承願います。 2008/12/27 Israelis Say Strikes Against Hamas Will Continue - NYTimes.com 2008/12/29 asahi.com(朝日新聞社):トルコ外相、シリア・イスラエルの和平仲介を中断 - 国際 ガザ空爆:非難の矛先ハマスに 自治政府、エジプト一
[2009/01/02 01:11]
URL
論理哲学論評