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密約が多すぎる 

 今月初めに、ニュースをチェックしていて沖縄にまつわる日米間密約の報道が出ていた。しかし、それ以前にも密約の話はそこここで目にしていて何が何やら状態だったので、なごなぐさんにお尋ねすると、エントリで整理して教えてくださった。どうもありがとうございました。

沖縄返還に際して大きく分けて三つの密約があります。

1. 安保条約に基づき米国がすべき在日米軍基地に関わる諸経費の負担を、在沖米軍基地に関しては日本政府が肩代わりする密約。
2. 沖縄への核持込・配備に関する密約
3. 在沖米軍基地の復帰前と同様の自由使用を保障する密約

今回の密約は、1に関することであり、核密約とは別の案件といえます。


 そしてまた、報道を見ているとこんなのが出ていた。
 河村官房長官が、23日午後の記者会見で、また何かの密約文書が米国立公文書館で見つかったそうで、それについて、

「(事件は)検察当局において法と証拠に基づいて適切に処理している」と指摘した上で、「日本人による事件と米軍構成員による事件とで起訴すべきか否かの判断に差はない。第1次裁判権を行使しないこととする日米間の合意、密約はない」と述べた。

(時事ドットコム2008/10/23-20:13付より「日米密約を否定=河村官房長官」。強調は引用者による、以降も同様)

 今度の密約はなんだろう、と探すとすぐに報道がたくさん出ていることが解った。チェックが遅かったようだ。

 日本に駐留する米兵らの事件をめぐり、1953年に日米両政府が「重要な案件以外、日本側は裁判権を放棄する」と密約をしていた問題で、日米関係研究者新原昭治氏が23日までに、密約を記した文書を米国立公文書館で見つけた。同日午後、都内で公表した。

 文書は、53年10月28日付の日米合同委刑事裁判権分科委員会の議事録。密約の存在はその後の米側公文書などで知られていた。文書本体が公表されるのは初めて。


駐留米軍の地位を定めた現行の日米地位協定の前身、旧日米行政協定の改定交渉が進められた1953年10月28日に、日米合同委員会の非公開議事録という形で残されていたという。

 議事録は英文で、日本は「著しく重要」と考える事件以外で裁判権を行使するつもりがない、とした日本側代表の声明を明記していた。

 外務省などによると、52年の締結当初の旧協定は、日本に駐留した米兵の犯罪すべてについて裁判権を米国に認めた。しかし53年の改定交渉で、公務外の犯罪に関する裁判権が日本に委譲された。

 また、新原さんが入手した53年8月25日付の在日米大使館の記録には、米国側が裁判権の放棄の合意を、交換公文などの形で残すことを求めたのに対して、日本側が秘密記録の形を求めたと書かれていたという。

 そして、再度、共同通信の最後から引用;

 密約問題では、日本の法務省が裁判権不行使を指示する通達を全国の地検検事正に出したことが既に判明。一方で、通達を掲載した同省の実務資料は国会図書館が所蔵しているが、現在は閲覧禁止になっている。


そういうことで、沖縄返還に関する密約ではなかったのだが、日米間の密約の多さには呆れ返ってしまう。
 
 ところで、資料閲覧禁止の話は見たことがあったものの、背景の事情がよく解らなくてエントリにはしていなかった。しかし、今回は気になったので、再度情報を発掘。すると、この密約に関する報道は継続的に出ていたのを再発見したので、以下に列挙。

 日本に駐留する米兵らの事件をめぐり、日米両国政府が1953年に「重要な案件以外、日本側は裁判権を放棄する」との密約に合意し、日本側がその後約5年間に起きた事件の97%の第1次裁判権を放棄していたことが、17日までに機密解除された複数の米側公文書で分かった。
(略)
 このうち58年10月2日のダレス国務長官の在日米大使館あて秘密公電などによると、「日米安全保障条約改定に応じるに際し、日本側から裁判権放棄について意思表示を取り付けるべきだ」と秘密合意を公的にするよう提案した。(略)大使は「53年の秘密議事録を明らかにせずに慣行として日本は裁判権を放棄してきたし将来も同様だと表明してほしい」と要請したが首相は応じなかった。

 また57年6月に国務省が作成した文書によると、53年以降、日本が1次裁判権を持つ約1万3000件の事件のうち97%の裁判権を放棄。実際に裁判が行われたのは約400件だけだった。

…条約改定と、日本側の裁判権放棄は、抱き合わせという理解でいいのだろうか?

 日本に駐留する米兵の事件をめぐり、1953年に法務省刑事局が「実質的に重要と認められる事件のみ裁判権を行使する」との通達を全国の地検など関係当局に送付、事実上、裁判権を放棄するよう指示していたことが4日までに、同省などが作成した複数の内部資料で分かった。

 法務省は地検に「慎重な配慮」を要請し、事件の処分を決める際は批判を受ける恐れのある裁判権不行使ではなく、起訴猶予とするよう命じていたことも判明。(中略)内部資料は、法務省刑事局と警察庁刑事局が54年から72年にかけて作成した「外国軍隊等に対する刑事裁判権関係」などの実務資料。日米関係研究者の新原昭治氏や共同通信が入手した。

…53年の内に、さっそく、「実質的に重要と認められる事件のみ裁判権を行使」と通達が出ていたこと、そして、その内部資料は「外国軍隊等に対する刑事裁判権関係」など。また、ここでお名前の出ている研究者は、昨日からの報道での非公開議事録を発見した研究者でもある。ところが、

 米兵が起こした事件の処理について、重要事件以外では事実上の裁判権放棄を指示した1953年の通達を掲載した法務省資料をめぐり、同省が5月下旬に「米国との信頼関係に支障を及ぼす恐れがある」として、所蔵する国会図書館に閲覧禁止を要請、6月上旬に図書館の目録から資料が削除されていたことが11日、分かった。(中略)資料は、法務省刑事局が72年に作成した「合衆国軍隊等に対する刑事裁判権関係実務資料」。米兵の事件処理について、53年以降に法務省刑事局や最高検察庁が作成した通達などを掲載、解説している。

微妙に表現が違うが(外国が合衆国に)どうやら、問題の資料を共同通信の最初の報道時期頃にそれまで公開であったのに、なぜか閲覧禁止にしたようだ。と思ったら、赤旗でもずばり書かれていた。

(略) 利用禁止になったのは、一九七二年三月に法務省刑事局が作成した「合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料」です。

 今年五月下旬、国会図書館に政府から、「(同資料を)非公開とする旨の発行者の公的な決定」が通知されました。(略)法務省資料には、米兵の犯罪に対して、第一次裁判権(日本側が優先的に裁判を行う権利)の大部分を放棄するよう指示した一九五三年の通達など、政府が存在を公に認めていない米兵に対する特権的事項が収録されています。同資料は「マル秘」指定になっていますが、古書店で販売されていたものを国会図書館が入手し、一九九〇年三月に蔵書として登録しました。

 法務省資料の「発行元」である同省刑事局は本紙に対して、「本件についてコメントできない」としています。

(2008年8月11日(月)「しんぶん赤旗」「国会図書館の法務省資料 政府圧力で閲覧禁止 米兵犯罪への特権収録」)


随分とまた、国民に内緒の密約ばっかりしている政府である。しかも、ばればれの。

 継続的に取り組んでいる日米関係研究者の新原昭治氏に頭が下がるばかり。今後の研究にも期待させていただいています。



 このエントリは「世界の片隅でニュースを読む」2008-08-11 21:42付「米兵裁判権放棄に関する法務省文書の閲覧禁止について」の記事を参考にさせていただいています。
ありがとうございました。


その他参考;
アジア女性資料センター」2008-10-24 付
駐日米兵犯罪裁判権放棄の密約示す文書、効力は今日まで」から一部引用。

さらに琉球新報は、在日米軍法務部の担当者が2001年の論文に「合意は忠実に実行されている」と明らかにしていたことを報じた。同担当者は、現在も同じ部署で米軍犯罪の法務関係を担当しており、密約が50年以上にわたり受け継がれていることを裏付けている。当時の密約を認め、現在も有効とする米軍見解が明らかになるのは初めて。
 この論文は、01年にオックスフォード大学出版が発行した「駐留軍関係法に関するハンドブック」に収められており、在日米軍法務部のデール・ソネンバーグ国際法主席担当者(現次長)らが「特別な重要性がない限り、日本が裁判権を放棄することに非公式に合意した。日本はこの合意を忠実に実行している」と指摘し、現在も密約が有効だとしている。



琉球新報2008年10月23日付
米兵裁判権放棄 忠実に実行される「密約」

実は裁判権放棄は、伊江島事件が特異なケースではなかった。1953年に日米両政府が「重要案件以外は日本側は第一次裁判権を放棄する」との密約を交わしていたことが、当の米軍法務担当者の論文で明らかになった。
 密約は現在に至るまで「忠実に実行されている」と、論文は記している。裁判で守られるべき国民の人権が、50年余も政府・外務省によって侵害され続けている。
 沖縄返還協定密約をはじめ、核持ち込み疑惑、武器輸出三原則違反疑惑など日米密約の闇は深い。
 民主主義国家が密約で国民の権利を放棄し、人権を侵害する。これは恥ずべき国家の犯罪である。
 日本が主権国家なら守るべきは犯罪米兵ではなく国民の権利だ。

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[ 2008/10/25 08:00 ] 四方山話 | TB(2) | CM(2)

自国の公文書の内容を否定するとは・・・   No. 5303

 TBありがとうございます。拙文がわずかでもお役に立てたのなら望外の喜びです。

 今まではアメリカ側から証拠となる文書が出てきても日本政府は密約の存在を否定する、というパターンでしたが、ほかでもない日本の法務省の文書が出てもしらを切り通すというのはちょっと信じられませんね。マスメディアでもすっかり日米安保はタブーになってしまって、こんな重大な問題(主権侵害)が全然大きく扱われないのも怒りを禁じ得ません。
[ 2008/10/26 11:41 ] wr3uI9s6[ 編集 ]

   No. 5306

>mahounofuefukiさん

すでにまとめてくださっていたので、ようやくこの密約分(密約は他にもいっぱいあるので)の話の流れが解りました。ありがとうございます。

>こんな重大な問題(主権侵害)が全然大きく扱われないのも怒りを禁じ得ません。
<
共同通信が熱心に報じていて、時事、毎日がそれに続き、asahiが出遅れながらも詳細に報じているという感触でしたが。
読売と産経が、見なかったふりしているようですね。

閲覧禁止も絡んでいる問題に、知る権利には密接に関わるはずのマスコミの癖に見なかったふりということは、どちらを向いて報道しているのかと疑問をもたれても仕方ないでしょう。
[ 2008/10/26 15:02 ] fYTKg7yE[ 編集 ]

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