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岩波訴訟の控訴審が結審 

 岩波訴訟(大江健三郎氏と岩波書店が沖縄戦の記述について訴えられている裁判)の控訴審が、9日の第二回口頭弁論で結審したと、報道されている。判決言い渡しは10月31日だそうだ。

 報道で気になったところをメモ。

 沖縄タイムス 2008年09月10日朝刊より
軍命記述へ決意新た/支援者集会』より

(略)
 岩波書店編集部長の岡本厚さんは、原告側が軍命を否定するために持ち出した座間味島住民の新証言について「ほかの島民や昔の自分の証言と矛盾している。つじつまを合わせるためにうそを重ねている」と批判。

 一橋大学名誉教授の中村政則さんも「証言の重要性に気づき、自分たちの考えに合う証言を探したが見つからず、『新証言』にこだわったのではないか」と分析した。

 一方、原告側が弁論の中で、今回の提訴には、軍命で「集団自決」は起きたとする考え方を放置させない、という政治目的を併せ持っていると“表明”したことへの批判が聞かれた。

 社会科教科書懇談会の石山久男委員長は「(原告側は)検定で軍命の記述が削除されたことで目的の一つが達成されたことを認めた」と驚きを隠さなかった。(後略)

当ブログにも、興味深いコメントを投稿してくださった方はいらっしゃるので、この情報内容には驚かないが、公言したのだとしたらやはり驚く。引用部分以外にも『第二回弁論の中で原告側が、提訴の狙いは、名誉棄損を求めるだけでなく「政治的な目的もある」と発言した』とあるのだが、どこかで、ちょっと実際の発言を探せればお持ち帰りしたいところ。



 沖縄タイムス 2008年09月10日朝刊より
「集団自決」訴訟結審/「玉砕命令」で新証言』より

(略)
 被告の大江・岩波側は「『米軍が上陸したら軍の足手まといにならないために、村の幹部は住民を玉砕させるよう軍から命令されていた』と、当時の座間味島の郵便局長が話していた」とする、元村議会議員の垣花武一さん(78)の「新証言」を証拠提出した。

 座間味島の戦隊長だった梅澤裕氏(91)の命令を否定する根拠の一つとして、原告側が提出していた座間味島住民の証言は、本人のこれまでの証言内容や実母を含めた他の体験者の証言と、重要な部分で大きな食い違いがあるとして、信用性を否定した。

 垣花武一さんの証言について原告の元戦隊長側は、これまで語る機会があったのに、沖縄県史や座間味村史などの証言録には一切記録されておらず、内容の重要性に照らして不自然と反論。座間味島住民の証言については、新しい歴史教科書をつくる会の会長で拓殖大教授の藤岡信勝氏の「意見書」を提出、被告側の指摘に反論した。

 同日の弁論で被告代理人秋山幹男弁護士は「座間味島や渡嘉敷島に駐留していた日本軍は、米軍上陸の際は捕虜になることなく、住民に自決するよう指示・命令していたことは明らか」と指摘。最高指揮官だった戦隊長の意志に基づかないことはありえず「集団自決」は隊長命令によるものというべきである、と述べた。(後略)

…沖縄タイムスの報道で「命令を否定する根拠の一つとして、原告側が提出していた座間味島住民の証言」の原告側証人は、別の報道ではお名前が出ていた。

 琉球新報 2008年9月10日より
判決は来月31日 岩波訴訟控訴審』より

(略)
 原告の梅澤氏側は「自決命令」を否定する梅澤氏の主張を裏付ける証拠として、「集団自決」発生前日、自決用の弾薬を求める住民代表と梅澤氏のやりとりを軍伝令の立場で聞いていたと証言する同村の宮平秀幸氏の証言などを新たに提出した。それに対し大江氏・岩波側は宮平氏の証言について「矛盾点が多い」と疑問を呈し、信用性がないと指摘した。
(後略)



 ところで、時事ドットコム2008/09/09-17:46付の
控訴審判決は10月31日=沖縄戦自決訴訟が結審-大阪高裁 (魚拓無し)』の以下の一節が気になっている。

 原告側は「教科書検定で文部科学省が従来の立場を変更し、軍の強制がなかったと判断している」と主張。大江さんの記述には正当性がないとして一審判決の取り消しを求めた。

…その問題の教科書検定で、この訴訟が進行中であることを理由に従来とは違う検定意見がついたのだが。それってどこのマッチポンプ?
とはいえ、それに対するこの反論が報道通りだとしたらいただけないと思う。

 大江さん側は「検定意見は再修正されて元に戻っており、一審判決の根拠は維持されている」として控訴棄却を求めた。

…検定意見は撤回されていない。修正された検定意見は、かなり及び腰なのだから。

 と、上に引用した琉球新報の別の箇所にも、相当する記述があった。

 大江氏・岩波側は高校歴史教科書の「集団自決」に関する記述で「軍強制」の事実を削除した2007年の教科書検定意見は、その後の教科書各社による訂正申請への対応を通じて修正前の検定の立場に戻ったと主張した。これに対し、梅澤氏側は「軍命令・強制を否定した文科省の立場は一貫している」と反論した。

…それまでは一貫していた立場を、無理筋で変更して強制を否定した立場になったんだけど。。。
 そして、これから検定意見撤回に向けて再度働きかけを、、、という話の筈なのに、すでに「修正前の検定の立場に戻った」と公言してはまずくはないのだろうか?

 ついでに、当ブログ、2007/12/27付『沖縄「集団自決」記述の教科書検定問題、報道から気になる情報を保存』より、読売新聞「『沖縄』教科書 “政治的訂正”の愚を繰り返すな(12月27日付・読売社説)引用魚拓)」での、検定意見撤回要求の沖縄県民大会に対する記述に対するツッコミを再利用。

その県民大会が開催されたのは、沖縄戦の集団自決をめぐる学術的見解に大きな変化もないのに、係争中の裁判や、沖縄戦専門家著作の一部を書籍全体の結論と違う方向にもってった恣意的引用を根拠に、「つくる会」とつながりのある教科書調査官が作った検定原案を、沖縄戦の専門家がいないどころか、「つくる会」とつながりのある委員が入っている審議会で実質的な審議無しに採用した検定意見に対する異議申し立てって事を報道しないで、大きくかき立てるのが「県民大会」の後に「教科書が修正されました」だけ?




参考;
・日本ジャーナリスト会議、『沖縄「集団自決」裁判(大江・岩波訴訟)
(一審判決の解説)

大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判支援連絡会

・山崎行太郎氏の 『毒蛇山荘日記』の2008-03-19付『宮平秀幸が母親証言を否定……。苦し紛れに母親の証言は「間違いだ」と追加証言。恥の上塗りだろう、それ……。いつまでも引きずり回さないで、いい加減、証言者を、解放してあげなよ。』


・当ブログの2007/11/22付、『「岩波訴訟」メモエントリーへの大変親切な情報提供をご紹介
(エントリ文中に貼ったリンクと同じ)

・2007/12/22付、『文科省の意志はやっぱり「『軍強制』文言回避」

・その他、サブカテゴリー;『沖縄「集団自決」
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ユーザータグ:  沖縄「集団自決」
[ 2008/09/10 12:00 ] 自爆史観 | TB(1) | CM(5)

お久しぶりです   No. 5087

こんにちは。ご無沙汰しておりました。
あまり参考にならないかもしれませんが、原告側のHPにこんなくだりがありました。

http://blog.zaq.ne.jp/osjes/
「裁判所におかれては、この裁判が個人の救済を装った政治的な目的を持っていることを斟酌していただきたい」という内容のことを、相当くどく、秋山弁護士は述べましたが、この点も、続く徳永弁護士の弁論で、薬害エイズ事件なども、個人の救済が政治の問題を摘出したのであって、政治的目的を持たなければ個人を救済できない裁判はいくらでもあり、秋山弁護士の言っていることはまったく意味がないとただちに論破されてしまいました。

実際の発言そのものでないのでお役に立てませんが、政治的目的があったことを否定しない発言はあったと思われます。
[ 2008/09/11 14:57 ] -[ 編集 ]

政治的目的?   No. 5088

政治に対して救済を求める人たちが、そのための手段として裁判を起こすのと、原告とは直接関係のない特定のイデオロギー集団が、自分たちの政治的目的のために、他人をだしにして裁判を起こすこととは、まったく別の話でしょう。
秋原さんがご紹介のところを読んでみましたが、徳永という人は「政治的目的」という言葉の曖昧さを利用して話をごちゃまぜにしているだけで、全然、論破などされてないようですけどね。
[ 2008/09/11 16:10 ] 5xkAihd.[ 編集 ]

   No. 5090

>秋原葉月さん

お久しぶりです。
御教授ありがとうございます。参考になります。
被告側弁護士が先に発言したんですね。原告側弁護士から、関連した何らかの発言を引き出す目的もあったのかも、と思ってしまいました。
琉球新報の今日付の記事(http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-136118-storytopic-11.html)でも、言及がありました。
______________________
 原告側は「昨年の教科書検定を通じて教科書から『命令』や『強制』が削除されたことは、勇気を持って提訴に及んだ訴訟の目的の一つを達したと評価できる事件だった」とし「世間の耳目を集める訴訟が個人の権利回復にとどまらず、より大きな政治的目的を併有していることは珍しいことではない」と述べた。(中略)
 原告側があずかり知らない「集団自決」についてまで、事実をねじ曲げる政治的目的で提訴すること自体、不当と言わざるを得ない。
______________________
論破したと称している人達の受け止め方はともかく、やはり、そういう発言が出たことには驚きますね。



>かつさん
>原告とは直接関係のない特定のイデオロギー集団が、自分たちの政治的目的のために、他人をだしにして裁判を起こすこととは、まったく別の話でしょう。
<
このあたりの原告の人達は、ある種の大きな物語を共有している人達ですからねぇ。
「自分たちの政治的目的」を大義なり正義だと信じてるんでしょう。多分。
「沖縄集団自決冤罪訴訟を支援する会」は、ある意味面白いです。同じ出来事をこんなにも違う解釈をして認識する人も居るんだと。あちらも、もしうちのブログを見ているとしたら、そう思ってるかもしれませんが。
[ 2008/09/11 19:17 ] fYTKg7yE[ 編集 ]

   No. 5094

あ、どうも。しばらくぶりにコメントさせていただきます。

>このあたりの原告の人達は、ある種の大きな物語を共有している人達ですからねぇ。

そうですね。例の100人斬り訴訟の代理人・稲田朋美がこの裁判でも一審では代理人をつとめていたように、大きな物語の中の一連の作戦の一つですからね。これからもこのような裁判は起きるものと覚悟しなければならないのかもしれません。ともかく控訴審の判決を、もちろん控訴棄却を期待して楽しみに待ちたいと思います。
[ 2008/09/12 20:06 ] -[ 編集 ]

   No. 5097

>Bill McCrearyさん

こんにちは、ちょっとだけ(笑)お久しぶりです。

>例の100人斬り訴訟の代理人・稲田朋美がこの裁判でも一審では代理人をつとめていたように、大きな物語の中の一連の作戦の一つですからね。これからもこのような裁判は起きるものと覚悟しなければならないのかもしれません。
<
稲田氏には、国会議員をしておいてもらって、こういう裁判に出張ってこない方がいいのじゃなかろうか、とか、妙な発想をしてしまいそうですね(国会議員されても、弁護士されても迷惑だなー)

映画「靖国」の刀匠の方を担ぎ出すんじゃないかと危惧していましたが、映画公開後、沈静化した様子なのでよかったです。
[ 2008/09/13 12:19 ] fYTKg7yE[ 編集 ]

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沖縄戦の殉国美談化

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[2008/09/11 23:13] URL JCJ機関紙部ブログ












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