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アイヌ民族に関する官房長官談話と有識者懇談会 

 (書き直し済み@18:30)
 アイヌ民族に関する国会決議を受け、政府の公式文書となる町村官房長官名義の談話にアイヌ民族を先住民族と認識していると明記したという話を目にしたので、探してお持ち帰り。
共同通信2008/06/06 20:16付、
官房長官談話全文 アイヌ民族について』より、

 本日、国会において「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が全会一致で決定された。

 アイヌの人々に関しては、これまでも1996年の「ウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会」報告書などを踏まえ文化振興などに関する施策を推進してきたが、本日の国会決議でも述べられているように、わが国が近代化する過程において、法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたアイヌの人々が多数に上ったという歴史的事実について、政府としてあらためて、これを厳粛に受け止めたい。

 また政府としても、アイヌの人々が日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族であるとの認識の下に、「先住民族の権利に関する国連宣言」における関連条項を参照しつつ、これまでのアイヌ政策をさらに推進し、総合的な施策の確立に取り組む所存だ。

 このため、首相官邸に有識者の意見をうかがう「有識者懇談会」を設置することを検討する。その中で、アイヌの人々のお話を具体的にうかがいつつ、わが国の実情を踏まえながら、検討を進めてまいりたい。

 アイヌの人々が民族としての名誉と尊厳を保持し、これを次世代へ継承していくことは、多様な価値観が共生し、活力ある社会を形成する「共生社会」を実現することに資するとの確信のもと、これからもアイヌ政策の推進に取り組む所存だ。

…これで日本が近代国家の仲間入りに一歩近づいたのは確かで(近ごろ皮肉や修辞表現を解さない人が多いらしいので、念のために書いておくけど、これは皮肉です)毎日新聞の2008年6月7日付の『アイヌ先住民族 歴史的な前進を評価する』と題された社説でも

 民族の共生に向け、意義ある一歩である。アイヌ民族を「先住民族」と認め、政府に総合的な施策を促す決議が6日の衆参本会議で全会一致で採択された。これを受け、これまで態度をあいまいにしてきた政府も先住民族との認識を初めて表明した。この動きを歴史的なものとして評価したい。政府は近く設置する有識者懇談会を通じて先住権を具体化する手続きを速やかに進め、アイヌの人々との共存に必要な施策を実現すべきである。

と、冒頭で評価している。しかし、末尾ではこうまとめる。

 また、決議では、アイヌの人々への過去の収奪や文化破壊などのくだりが自民党との調整過程で削除された。歴史認識をどう整理していくかも今後の重い課題である。

 中曽根康弘首相(当時)が「日本は単一民族」と発言し物議をかもしたのは86年。20年以上を経ての決議と政府見解は「多民族国家・日本」について考えるまたとない機会でもある。断じて北海道の地域問題ではない。国民全体に投げかけられたテーマだ。

そして、伊吹文部科学大臣(当時)が2007年2月25日に「日本は大和民族がずっと統治してきた。極めて同質的な国。」と、人権メタボと併せて発言して物議を醸したのは記憶に新しい。自民党首脳部の認識が、86年から劇的に変わっていると期待できるかは疑問だろう。

 というような危惧は、以下のような報道を目にすると、とても妥当なものである気がしてくる。

 まず、福田首相は6日の決議採択後に記者団に「昨年の国連宣言の意義をよく考えて有識者懇談会で議論してほしい」と述べたそうだ。その有識者懇談会に関して、上記談話の名義人である町村官房長官は「懇談会の中でアイヌの人々の話を具体的に聞きつつ、わが国の実情を踏まえながら検討を進める」と表明し、記者会見で「今の政策以外にどこまで広がるか、懇談会でも判断をいただき、政府でも考える」と述べたという。
 しかし、町村官房長官は『懇談会の規模は「数人」とし、アイヌ民族の参加については「必要なときに意見をいただく」と述べ、メンバーとして加えることには消極的な姿勢を示した』とも報道されている。これらは、北海道新聞2008年6月7日付の『アイヌ民族決議 首相「懇談会で議論」 メンバーは数人規模』の情報。
 そして、さらに微妙に見える記述が読売新聞2008年6月6日20時20分付『「アイヌは先住民族」と認定…官房長官談話』にあった。

懇談会は官房長官の私的諮問機関とし、メンバーは北海道の高橋はるみ知事を含め7人前後とする方向だ。

これでは、政府の方針が、当事者はできるだけ抜きにしつつ、仕方ない部分だけオブザーバー参加にしたい様である、と見えても仕方ないだろう。

 当然、

「当事者抜きの議論はおかしい。アイヌ民族の代表を複数入れて、政府、有識者の3者で検討を進めていくことが大切」

「自分たちのことを話し合う場にアイヌ自身が参加できないとしたら納得できない」

と、当事者からの異論が相次いだと報道されている。また、

 アイヌ問題を検討する政府の有識者懇談会は95年にも設置されたことがあるが、この時のメンバーにアイヌ民族は選ばれなかった。同懇談会はアイヌの「先住性」「民族性」を認め、北海道旧土人保護法に代わるアイヌ文化振興法制定のきっかけとなったが、先住民族認定は実現しなかった。(略)
 今回の国会決議を主導した超党派の議員連盟「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」の会合でも、アイヌ民族のメンバー入りを後押しする発言が相次いだ。民主党の鳩山由紀夫幹事長は「懇談会ではアイヌの代表がど真ん中に座って発言すべきだ」、新党大地の鈴木宗男代表も「懇談会のメンバーは3分の1がアイヌ民族かその関係者とすべきだ」と主張した。

とのこと。しかし、

 政府が警戒するのは、先住民族認定が国連宣言に盛り込まれた土地や資源、自治など46項目に及ぶ権利要求につながることだ。町村信孝官房長官は6日の記者会見で「ウタリ協会の方は国会の議席がほしいとか、土地をどうかしてくれとか、そんなことまで要求していないと聞いている」とけん制してみせた。

のだそうな。
(以上の引用は、毎日新聞2008年6月7日付『アイヌ国会決議:懇談会参加めぐり、駆け引き』から)
 ……2007年9月に国連総会で「先住民族の権利に関する国連宣言」が日本も賛成した上で採択された事を思い出して、当事者の意見を言い訳程度にしか聞かないのでは?と見えるような「有識者懇談会」状態は避けた方がいいのではないか。


 そして、この報道もメモ。
毎日新聞2008年6月7日 地方版
アイヌ民族:先住民決議 厳しい生活実態、実効性ある施策を /北海道

 道調査では、生活保護を受けているアイヌの割合は1000人あたり38・3人で、平均(24・6人)との差は13・7人もあった。今も「仕事がなく、職場を確保できるよう保護策をしてほしい」(帯広市のアイヌ)という声が根強い。

 また、アイヌは高校進学率が93・5%、大学進学率が17・4%で、平均よりもそれぞれ4・8ポイント、21・1ポイントも低い。アイヌが必要としている対策(複数回答)では「教育の充実」が78・6%でトップ。このほか▽文化の保存と伝承(50・2%)▽生活と職業の安定(32・0%)▽住宅や生活環境の整備(18・7%)などと続いた。

同じ報道から、元国立民族博物館館長の佐々木高明氏のコメント、

 国連宣言にあるように、少数民族は自決権を持っている。自決権といっても「北海道を(アイヌに)返還せよ」という主張は現実的ではない。また、国会にアイヌの特別議席を置くことも「すべて国民は法の下に平等」とうたう憲法の観点から見ても難しい。日本の実情に応じて、少数民族のどのような権利を実現させるか、国民的理解を積み重ねていく必要がある。世界的に見れば、日本人も少数民族だ。「少数だ」「多数だ」という議論は相対的なとらえ方でしかない。国際交流の進んだ現代だからこそ、少数の意見を尊重することは、やがて一人一人の権利擁護にもつながると考えるべきだ。

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[ 2008/06/07 18:30 ] 四方山話 | TB(1) | CM(0)

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