私の手元に、1992年1月21日に第1刷が発行された、当時、弁護士であった女性が著した新書がある。
岩波新書 「結婚と家族」 福島瑞穂著
買ったのは5-6年ほど前だったか。当時、上野千鶴子さんの本を読みあさっていた頃だった筈で、どこかのネット掲示板で上野さんと並び称されていたフェミナチ(笑)が、福島さん。その時点では知らない人だったのだが、上野さんと並び称されるほどの人(笑)の本を読んでみたくて、本屋で探したのがこの本。まさか(弱小野党とはいえ)後に党首になる人とは思わなかったなぁ、当時すでに議員だったけど。
この本は、戸籍・家族法・改姓・事実婚などについて、法律の専門家からの視点ながら気軽に読める文体で書かれており、私はこの本を読んですぐに福島瑞穂さんに好意を持った。なかでも、事実婚については、実際に実践している福島さんの経験が語られており、
水葉さんのこちらの記事や、
gegengaさんのこちらの記事を読んだ直後なので読み返したくなったのだが。。。
なんだか、改めて暗澹とした気分になった。そこで、gegengaさんや水葉さんのエントリーや
当方の11/3付エントリーのコメント欄で言及したあたりに絡め、気になる箇所を紹介しておきたくなった。
…それにしても、
15年も前の本である。なのに、内容が古くなってないってどういう事だ。この本で福島さんが明るく、きっと数年後にはもっと良くなっているといった雰囲気で書いていることは、15年後の今、良くなった様には見えない。
この本の214ページにこんな一節がある。
(強調は引用者による、以降も同じく) 1979年に効力の発生した国際人権規約B規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約)24条は、子供の権利を規定し「すべての児童は……出生によるいかなる差別もなしに、未成年者としての地位に必要とされる保護の措置であって、家族、社会及び国による措置についての権利を有する」とした。(中略)
国際人権規約B規約24条の解釈として、法定相続分の差別も含めあらゆる非嫡出子差別は許されないのである。
(IV 新しい関係に向けて、4 こんな場合はどうなるか)
…ここは、非嫡出時差別の相続に関する項なので、こういう表現になっているが。。。なんだかねぇ。
15年前ですよ、この本(しつこい)。
一方、141-142ページにこんな一節がある。
最高裁判所は、1988年2月16日、「氏名は、社会的にみれば、個人を他人から識別し特定する機能を有するものであるが、同時に、その個人からみれば、人が個人として尊重される基礎であり、その個人の人格の象徴であって、人格権(憲法13条)の一内容を構成するもの」として、個人の氏名に対する権利を認めたのである。
氏名権が人格であるとすると、結婚するときに夫婦の一方が必ず姓を捨てることを強制されることは、人格権である氏名権を侵害されることである。
(III 姓を変えること、3 夫婦同姓の問題点)
これは「NHK日本語読み訴訟」という、ある在日韓国人の方がNHKを相手取って、「母国語読みを知りながら日本語読みをした」ことを、現代の創氏改名であるとして損害賠償し敗訴したケースではあるそうだが、最高裁で、
氏名権が人格権である事を認めているというわけだ。
当然ながら、結婚して姓を変えたい人はその選択肢が保証されるべきだが、今の法律では変えたくない人まで同姓を強制され、改姓する大多数が女性であるのが現実だろう。ここで福島さんが実際に遭遇して、紹介されている例は興味深い。
先日、ある大学に講演に行ったところ、男性の大学生から質問が出た。「形式的な事にこだわりすぎではないですか。愛情があれば、だんなさんの姓になっても大丈夫ではないですか」。
「そうですね。そうしたら、あなたは、彼女が『私の姓に変えてくれる? 愛情があるからいいじゃない』といったら、変えますか」と聞いたところ「変えない」という返事が返ってきた。
(III 姓を変えること、3 夫婦同姓の問題点 P.144-5)
…15年前の例
(実にしつこい)だが、今はどうだろう?(笑…、遭遇した実例を一つ後述)
そして、
民法の条文は、「夫または妻の氏を称する」と規定する(750条)。(中略)しかし、現実は、(中略)ほとんどの女性が姓を変えている。結婚のときに夫の姓を選ぶ夫婦は97.7%である(1990年厚生省人口動態統計)。(中略)
別姓(厳密に言えば「結合姓」であるが)という点では、企業は大変はっきりしている。太陽銀行と神戸銀行が一緒になって、太陽神戸銀行、(中略)協和銀行と埼玉銀行が一緒になって協和埼玉銀行になった。
企業が合併などする場合、一方の企業の名前が無くなってしまうのは、両者の力関係に大きな差がある場合である。私たちのイメージ、顧客との関係からいっても、AとBが合併して、もしAの名前が落っこちたら、AはBに吸収合併されたと思う。対等な合併ならば、名前も対等にするのである。
つらつらと日本の夫婦の姓を考えたら、ほとんどの女性が姓を変える日本の結婚は、男性に対する(中略)吸収合併的な結婚ではないか。女性の性は必ず落っこちるのだから、対等ではない。
(III 姓を変えること、3 夫婦同姓の問題点 P.152-4)
そして、諸外国の例が紹介されているのだが、この一節はかなり笑った。
夫婦同姓を強制している国は、日本くらいで、世界でもまれな制度であるが、昔々は、諸外国でもそうではなかった。
イギリスのコモン・ロー(慣習法)の世界では、妻は夫の姓を名乗っていた。その理由がおもしろくて「妻は、夫の動産だから」というものである。確かに、妻は、土地・建物といった不動産ではないのだから、動産といったのかもしれないが。
(III 姓を変えること、3 夫婦同姓の問題点 P.156)
…いや、もう、笑うしかない。さすがは、上野千鶴子さんと並び称されていたフェミナチ(笑)。
そして、自分の姓を手放す事を避け、パートナーに自分が嫌なことを強いるのを避けるなら、、、事実婚という選択肢になるが、子供が生まれれば非嫡出子差別に直面するというわけ。そして、それが
「仮に子に不利益があっても父母の信条によるもの」なんて、裁判所のお墨付きがでるそうな。実にうまくできたシステムだと感心する。
さて、締めに遭遇した実例を一つ。
私の大学の後輩で、気の合う女性がいる。
彼女がある時、連絡してきた。今度結婚して関東に移住するから、一度、ご飯一緒に食べようと。
もちろん二つ返事で、都合を合わせてご飯を一緒した。
彼女は関西で地方公務員をやっていて、仕事にやりがいをもって取り組んでたのは知っていた。
そして、私と気が合う以上(笑)そっち系。職場でも女性問題関係にヒト噛みし「この前、こんな女性問題の講演会をやった~」とメールで自慢してくるような子だ(爆)。もちろん、以下のような会話における前提は共有している間柄だ。
仕事やめたの?と訊いた私に、彼女はそうだと答える。
相手が関東住まい、恋人同士だったら遠距離でもかまわなかったが、子供を産みたかったので同居する必要はあったのでやめたと。
相手に仕事やめさせる選択肢はなかったの?とつっこむ私に、言葉を濁す。
それで、名字はどうするの?と尋ねると、相手の名字を名乗る、と。
なんで?とさらに尋ねると、いろいろ考えたけど、まぁ名字ぐらいどうってこと無いかなと結論したと。
アンタ、それでほんとうにいいの?と追求すると、、、怒られた。
それを訊くな、と。先方の両親、彼女自身の両親からは「当然夫の姓になるもの」と最初から扱われ、それに抗して事実婚も検討したが、4人の親たちに反対された、と。
ジェンダーフリーを実践していたの彼女でさえ抵抗できない圧力がかかるのかと、呆然としたものだった。
どうやら、この社会は15年の間、あまり変わらなかったようだ。
少しは社会の構成員がもつ意識は変わっているはずだが、随分ゆっくりのようだ。
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一方、141-142ページにこんな一節がある。
最高裁判所は、1988年2月16日、「氏名は、社会的にみれば、個人を他人から識別し特定する機能を有するものであるが、同時に、その個人からみれば、人が個人として尊重される基礎であり、その個人の人格の象徴であって、人格権(憲法13条)の一内容を構成するもの」として、個人の氏名に対する権利を認めたのである。
氏名権が人格であるとすると、結婚するときに夫婦の一方が必ず姓を捨てることを強制されることは、人格権である氏名権を侵害されることである。
(III 姓を変えること、3 夫婦同姓の問題点)
これは「NHK日本語読み訴訟」という、ある在日韓国人の方がNHKを相手取って、「母国語読みを知りながら日本語読みをした」ことを、現代の創氏改名であるとして損害賠償し敗訴したケースではあるそうだが、最高裁で、
氏名権が人格権である事を認めているというわけだ。
当然ながら、結婚して姓を変えたい人はその選択肢が保証されるべきだが、今の法律では変えたくない人まで同姓を強制され、改姓する大多数が女性であるのが現実だろう。ここで福島さんが実際に遭遇して、紹介されている例は興味深い。
先日、ある大学に講演に行ったところ、男性の大学生から質問が出た。「形式的な事にこだわりすぎではないですか。愛情があれば、だんなさんの姓になっても大丈夫ではないですか」。
「そうですね。そうしたら、あなたは、彼女が『私の姓に変えてくれる? 愛情があるからいいじゃない』といったら、変えますか」と聞いたところ「変えない」という返事が返ってきた。
(III 姓を変えること、3 夫婦同姓の問題点 P.144-5)
…15年前の例
(実にしつこい)だが、今はどうだろう?(笑…、遭遇した実例を一つ後述)
そして、
民法の条文は、「夫または妻の氏を称する」と規定する(750条)。(中略)しかし、現実は、(中略)ほとんどの女性が姓を変えている。結婚のときに夫の姓を選ぶ夫婦は97.7%である(1990年厚生省人口動態統計)。(中略)
別姓(厳密に言えば「結合姓」であるが)という点では、企業は大変はっきりしている。太陽銀行と神戸銀行が一緒になって、太陽神戸銀行、(中略)協和銀行と埼玉銀行が一緒になって協和埼玉銀行になった。
企業が合併などする場合、一方の企業の名前が無くなってしまうのは、両者の力関係に大きな差がある場合である。私たちのイメージ、顧客との関係からいっても、AとBが合併して、もしAの名前が落っこちたら、AはBに吸収合併されたと思う。対等な合併ならば、名前も対等にするのである。
つらつらと日本の夫婦の姓を考えたら、ほとんどの女性が姓を変える日本の結婚は、男性に対する(中略)吸収合併的な結婚ではないか。女性の性は必ず落っこちるのだから、対等ではない。
(III 姓を変えること、3 夫婦同姓の問題点 P.152-4)
そして、諸外国の例が紹介されているのだが、この一節はかなり笑った。
夫婦同姓を強制している国は、日本くらいで、世界でもまれな制度であるが、昔々は、諸外国でもそうではなかった。
イギリスのコモン・ロー(慣習法)の世界では、妻は夫の姓を名乗っていた。その理由がおもしろくて「妻は、夫の動産だから」というものである。確かに、妻は、土地・建物といった不動産ではないのだから、動産といったのかもしれないが。
(III 姓を変えること、3 夫婦同姓の問題点 P.156)
…いや、もう、笑うしかない。さすがは、上野千鶴子さんと並び称されていたフェミナチ(笑)。
そして、自分の姓を手放す事を避け、パートナーに自分が嫌なことを強いるのを避けるなら、、、事実婚という選択肢になるが、子供が生まれれば非嫡出子差別に直面するというわけ。そして、それが
「仮に子に不利益があっても父母の信条によるもの」なんて、裁判所のお墨付きがでるそうな。実にうまくできたシステムだと感心する。
さて、締めに遭遇した実例を一つ。
私の大学の後輩で、気の合う女性がいる。
彼女がある時、連絡してきた。今度結婚して関東に移住するから、一度、ご飯一緒に食べようと。
もちろん二つ返事で、都合を合わせてご飯を一緒した。
彼女は関西で地方公務員をやっていて、仕事にやりがいをもって取り組んでたのは知っていた。
そして、私と気が合う以上(笑)そっち系。職場でも女性問題関係にヒト噛みし「この前、こんな女性問題の講演会をやった~」とメールで自慢してくるような子だ(爆)。もちろん、以下のような会話における前提は共有している間柄だ。
仕事やめたの?と訊いた私に、彼女はそうだと答える。
相手が関東住まい、恋人同士だったら遠距離でもかまわなかったが、子供を産みたかったので同居する必要はあったのでやめたと。
相手に仕事やめさせる選択肢はなかったの?とつっこむ私に、言葉を濁す。
それで、名字はどうするの?と尋ねると、相手の名字を名乗る、と。
なんで?とさらに尋ねると、いろいろ考えたけど、まぁ名字ぐらいどうってこと無いかなと結論したと。
アンタ、それでほんとうにいいの?と追求すると、、、怒られた。
それを訊くな、と。先方の両親、彼女自身の両親からは「当然夫の姓になるもの」と最初から扱われ、それに抗して事実婚も検討したが、4人の親たちに反対された、と。
ジェンダーフリーを実践していたの彼女でさえ抵抗できない圧力がかかるのかと、呆然としたものだった。
どうやら、この社会は15年の間、あまり変わらなかったようだ。
少しは社会の構成員がもつ意識は変わっているはずだが、随分ゆっくりのようだ。
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No. 2690
福島瑞穂党首(笑)、政治家としてはあまり評価していないのですが(TVのコメンテーターの時から)、この本の論旨はとってもいいですね。今回の判決は一体どの時代だ? と私も考えました。日本は伝統的に別姓が長かったのですし・・・。明治時代のくびきはなかなか外れないようですね。これから富国強兵が必要なんで、そうなるか? などとあらぬことまで考えてしまいます(笑)。婦女子は銃後で貞節を守って、とか言われそう(^^;。
No. 2691
弁護士の榊原冨士子先生のお話を聞く機会があり。
榊原先生も福島さんと同じように「遅くても数年後には民法が改正される」とおっしゃっていて
私も「時代の流れからいって、当然だよなあ」と思ったのですが。
あれから、15年かぁ(遠い目)
No. 2692
夫婦の姓の選び方にしても、選択肢は多いほうがいいという当たり前のことが浸透するのに時間がかかるのは日本の特質ですね。(タメイキ)
まあ、誰がどこでどのように何年何月何日何時何分何秒に決めたかわからない「常識」とやらが法的には憲法より上位にあることがひんぱんにあり、その常識に全員が従うべきだという「教義の強制」(「狭義の強制」とするつもりだけど、この変換もありかな?)が力を持つ国、日本。人間の幸福に制度や慣習が奉仕しない国、日本。
その力を解体するには何世代もかかるのでしょうか...。日本人でいることがますます重荷に感じられます。(ふたたびタメイキ)
まず政権交代で自民党を追い落とせば夫婦別姓選択制度を法案として国会に出せるのではないかと思いたい。
No. 2694
法務省の法制審議委員会が、選択的夫婦別姓を含む民法改正法案の要項を発表したとき
高校生だった私は、自分が結婚する頃には実現しているだろうと思いました。
まさか(予定より少し早かったとはいえ)実現していなかったとは。
>政権交代で自民党を追い落とせば
私の、一番身近な反自民の動機はコレです。
No. 2695
↑名前入れる場所、間違えた。
かっちょわる。
No. 2697
>4人の親たちに反対された、と。
>ジェンダーフリーを実践していたの彼女でさえ抵抗できない圧力がかかるのかと
「身内」だからこそ、抗しきれない圧力がかかるのかと思います。
「他人」や「隣人」「世間様」に対してであればそこそこ抵抗ができる現代ですが、こと「身内」による圧力というものはまったく前時代のそれであると思えます。
親子関係において、子の側は心理面で親への気遣いを忘れることができないものです。
それに対して親の側が「
子は親の動産」との意識を残したままであれば、いくらでも圧力はかけ得るのでしょう。
夫婦に力関係があり、親子にも力関係がある。この二つを同時に正さないと、バックラッシュが発生する余地はなくならないのかも知れません。
No. 2699
郵政選挙で安倍晋三のすすめ(笑)で政界に入った超保守派(極右というべきですね)の弁護士・稲田朋美などは、とうぜんながら夫婦別姓絶対反対です。
私は夫婦別姓を認めない現在の法律は、きわめて時代錯誤な物だと考えていますが、稲田のような人が自民党のこの種のことを検討する部会に所属しているような現状では、この状況はしばらく続くと予想せざるをえないと思います。また、日本の有権者も、このことについてはとても保守的だと思いますので・・・。
No. 2700
なんでこういう形態をとっているかというと「お互いの業務上生じる不利益を相方に肩代わりさせないため」というのが一つ。手前のケツは手前で拭くべし、ってこと。
同姓別姓なんて別に我々にとってはそう重要な問題ではないんです。
むしろそちらに争点を持っていくことで、法律婚偏重による差別がうやむやにされてしまうことの方が問題だと思います。(姓の選択にまつわるトンデモ体験談は非公開コメで)
No. 2701
このコメントは管理人のみ閲覧できます
No. 2702
『妻たちの思秋期』という本がありまして。
一九八二年に、斎藤茂男という新聞記者の人が書いた記事を、まとめた本なのですが。
高度経済成長期を経て、「男は仕事女は家庭」真っ盛りの時代を生きた、三十代から五十代の専業主婦を取材したものです。
私がこの本を読んだのは十年ほど前なのですが、その地獄絵図のような内容に絶望したのを覚えています。
夫が銀行員で転勤を繰り返し、友人も子どもも出来ない孤独からアルコールに溺れていく女性。子どもが出来ないことで姑から責められる一方で、夫は仕事人生を満喫する。その陰で、夫の職場でも自殺者や失踪者が相次ぐ。
同じくアルコール中毒の女性は、酔ってどこでも寝てしまうから夫に貞操帯を着けさせられている。夫一家は妻の欠点を夫に告げ口する。夫曰く「同僚だってみんな同じ状態で仕事をしているんです。それなのに女房がアル中っていうのは僕だけですよ!」
製薬会社重役の夫の、妻に対する言。
「あんたの病気のために俺に会社を休めと言うのかね。あんた、どうかしてるんじゃないか?」「こんなオンボロ機械を俺に押しつけときやがって!」
記事に対する読者の投書。
「実に腹立たしく、この意志薄弱な妻達に怒りを感じる」(三十代女性)
「お金や暇があるのに、なぜ夫についていく努力をしないのか」(五十代女性)
「主人に不満を持つよりも、主人の喜ぶ妻に成りきることで自分の喜びにもなります。相手の身に成りきることが、本当に愛することではないでしょうか」(四十代女性)
オタクでエリートな夫は、転勤先のNYから母親と文通する。内容は妻への不満。夫一家は団結して妻を責める。「あなた、こんなことお母様に申し上げたんですって?」「お前はお母さんに何を盾ついてるんだ!」
「背広が汚れる」と、歩き始めた子の手を払いのける夫は、火事の時も背広に着替えてから逃げ出す。妻が入院する時、妻の妹夫婦が車を出したのをタクシー代わりに使う。入院費は出さない。妹夫婦が入院中に世話をしてくれたことに対して「俺は一度も頼んだことないからな。彼等が勝手にしたことじゃないか」
別の投書。
「……二十一年の結婚生活の間、実家に帰れたのは祖母の死んだ時、父の死んだ時のたった二回でした」(五十代女性)
「俺の女房だから自分がどうしようと良い、お前は俺の言うことを聞かねばならん、俺は男だから、お前は女だからと言うんです。奴隷ではないと反発すると大声とともに暴力です」(六十代女性)
……お忙しいところに長文、ごめんなさい(汗)。
No. 2706
人生アウトさんの話を聞くとなんだか足下の地盤が沈下するような気持ちに…
私は理系なので研究生活をしている友人もいますが、事実婚あるいは通称として旧姓を使っている人は多いですね。論文も旧姓じゃないと、結婚前の論文が“他人のもの”になっちゃう感じがするし。
明らかな不利益。
~さんの奥さんと呼ばれるのがいやなんで、私も事実婚にしとけばよかったかなと思っています。改姓の手続きは面倒だし。仕事は旧姓でやってますが、郵便局から郵便が届かず、あげくの果て○○方と書け、と指導されたことも…(アタシはちゃんと転居手続きで旧姓も書いたんだって!)
No. 2707
私もしてますよ、事実婚。もうそろそろ10年か。
別に親の反対もなかったし、娘はすくすく育ってるし、
周りとの軋轢も大してありませんでした。
まあ、お互い独立自由業だから、ってのもあるんでしょうけど。
なんかのこだわりがあってそうしてるんじゃなくて、
ただなんとなく事実婚なってるだけなんもんで。(根がいいかげんなんですね)
もし将来何らかの必要に迫られて籍を入れることになったら、
私が妻の姓になるでしょうね。
No. 2708
>アオネコさん
>政治家としてはあまり評価していない
いや、ほら、村山富市氏がぐっちゃぐちゃにした後、おたかさんが頑張ったけどトラブって、大変な時期に背負うことになったから、福島さん、大変なんですよ。その局面に十分な力量がないのは事実でしょうけど(<採点極甘)。
個人的な関係まで管理したいんですかねぇ、エライ人達は。
あ、それから、こちらで何かディスカッションしてらっしゃる様なので、お気がむかれたらちらっと御覧下さいな(^^;
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://azuryblue.blog72.fc2.com/blog-entry-304.htmlこちとら、はてな日記じゃないんだから、うっかりしていると気がつかないわけで、そんなとこでご指摘いただくよりご訪問いただける方がと思うんですけどね。
>gegengaさん
この本でも民法改正を今か今かと待つ女性たちの話が紹介されていましたよ。15年前といえば事実婚という選択肢もあまり知られていなかったように思いますし、、、結局、事実の方が先に行ってしまいましたね。法律を作ったり行使したりする人達の意識がずっと後の方。
>村野瀬玲奈さん
法律婚の場合の当事者の同姓は狭義の強制ですが、女性側が姓を変える例が多いのは広義の強制ですよねぇ。
民法にはどっちでもいいと書いてあるし、憲法では両性の平等がうたわれてますから。
でも、子供を育てるときに、女の子に「自分の意志を貫き通せる強い人間になれ」、男の子に「人の想いをくみとる優しい人間になれ」とは、、、あまり教育しないのではないかなーっと。でもそう書いた公文書は存在しないのです。
>さくらさん
…そういえば、民法改正法案の噂を最近聞かなくなってません?
共謀罪復活とかきな臭い話は聞きますが。
コメント、ミスった場合は、FCは編集効きますよ^^。さくらさんはパスワードも入れてくださってるから。
>人生アウトさん
>子の側は心理面で親への気遣いを忘れることができない
<
そうなんですよね。他のケースは解らないのですが、私の後輩の場合、両親たちが反対した理由が世間からの評価や親類縁者の視線だったそうです。世間の価値観がそうじゃなかったら、そもそも圧力がかからなかったでしょう。
…どういう訳か(^^;、その入籍ずみの彼氏を連れた彼女ともご飯を一緒しているのですが、当事者2人は対等ないい関係でしたけどね。可哀想に彼氏の方が、仕事を辞め名字を変えた彼女に、微妙な負い目を持ってたりして。
>『妻たちの思秋期』
>記事に対する読者の投書。
…ちょうど時期的に、その投書をした人達が、こちらの本で紹介されてる熟年夫婦の年代に相当しそうな気が。
http://www.amazon.co.jp/%E5%AE%B6%E6%97%8F%E5%8F%8E%E5%AE%B9%E6%89%80%E2%80%95%E3%80%8C%E5%A6%BB%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E8%AC%8E-%E4%BF%A1%E7%94%B0-%E3%81%95%E3%82%88%E5%AD%90/dp/customer-reviews/4062119951/ref=cm_cr_dp_all_helpful/250-2603273-3581038?ie=UTF8&customer-reviews.sort%5Fby=-SubmissionDate&coliid=&showViewpoints=1&customer-reviews.start=1&qid=1194598085&sr=8-1&colid=#customerReviewsと思ったら、レビューでは言及されてない…(^^;、著者が見かけた国内旅行している退職後夫婦で、能面のような無表情な妻が、夫の指示にてきぱきと一言も発せず従っているという(のを見て著者が唖然とした)描写が、めちゃくちゃ怖かったのです。
>Bill McCrearyさん
>弁護士・稲田朋美などは、とうぜんながら夫婦別姓絶対反対
<
…稲田さんが議員などの活動をするのでしたら、「夫婦別姓絶対反対」側にいてもらった方がいいんじゃないでしょうか。。。なまじ、別姓賛成側に来てもらっても。。。
あの、稲田さんですから。。。
>えぼりさん
いやー、凄い話ですねー。ご紹介のお話だと、同姓婚だろうが選択制別姓婚だろうが、、、ですね。
うちらの業界の場合、仕事の成果に名前(苗字)がつきものなので。姓が変わるのはかなり意味が重くなるのですよ。特に結婚するぐらいの年齢の女性だと、仕事の進み具合も中途半端なことが多いだけに、、、で、通称使用だと組織によっては煩いことをいいますし。苦労している人を見てると、ねぇ。
法律婚偏重による差別の危惧は指摘ごもっともだと思いますし、個人的な絆を国に認めてもらわないといけないという発想は私はなじめないのですが、それで安心するヒトもいる様子です。この社会で一足飛びは難しいかなと思うと、民法改正による選択的別姓制度をまず実現というのも有りかなと思うのです。
>えあしゃさん
理系でも文系でも、研究成果を自分の名において出す研究者にとっては、名前が変わることは意味が重いでしょうね。
>人生アウトさんの話を聞くとなんだか足下の地盤が沈下するような気持ちに…
<
ん?
こんなのどうです?
http://www.amazon.co.jp/%E7%B5%90%E5%A9%9A%E5%B8%9D%E5%9B%BD-%E5%A5%B3%E3%81%AE%E5%B2%90%E3%82%8C%E9%81%93-%E4%B8%8A%E9%87%8E-%E5%8D%83%E9%B6%B4%E5%AD%90/dp/customer-reviews/4062124130/ref=cm_cr_dp_all_helpful/250-2603273-3581038?ie=UTF8&customer-reviews.sort%5Fby=-SubmissionDate&coliid=&showViewpoints=1&customer-reviews.start=1&qid=1194598085&sr=8-1&colid=#customerReviews>オサーンさん
周囲に恵まれてらっしゃる様で何よりです^^
そういう人が増えてくださって、それがどんどん普通になっていけば、ようやく、システムの方も追いついてくるかもですね。いまなんて、裁判所とマスコミが説教するようですから。
No. 2711
碧猫様、こんばんは。
いえ、福島さんは弁護士で専念された方がよかったかな、というくらいの気持ちで(^^;。政治家向きではなかったかも、と思っているのです。頑張ってらっしゃるのは理解しています。弁が立つ、というタイプではないようなので。(人としてはいい人かも(笑))ところで、せっかく紹介していただいた先は、どこでディスカッションされてるのか分かりませんでした(T_T)。すみません。入れないところみたいで。たぶん、歴史的に見た姓に関する話題なのでしょうが・・・。入ってみたかったです。ご紹介の労を頂いたのに、生かせなくて申し訳ありませんm(_ _)m。
No. 2712
前夫は言いました。「形式的な事にこだわりすぎではないですか。ボクの苗字に変えられないのは、愛情がないからだ」私も周囲の圧力に負けて、夫の苗字に変えましたが、そういうことをヌケヌケと言う前夫への愛情は、その時点で無くなっていたかも、と、今になると思います。当時私はテレビの仕事をしていて、自分の顔の下に「結城水葉」とテロップが出る。結婚後フリーで仕事をする予定だった私には、改姓はデメリット以外の何物でもなく、旧姓を使っていました。住所は「○○方」で。フリーで仕事をすると、自宅に仕事関係の書類が届きます。そのため滅茶苦茶不自由な思いをしました。で、表札に夫と私の苗字を並記したいと言ったとき、かなりの悶着がありました。「そんな家は、このマンションで他にない」と。
今も夫の姓を名乗っています。マスコミの仕事も辞めていたし、新天地で心機一転の私には、姓が変わってもデメリットはなかったからです。でも、夫の姓を名乗ろうと思ったのは「変えたくないなら、ボクが変えるよ」と言ってくれたからですね。事実婚という選択肢はありませんでした。こちらは田舎で、女性の仕事が本当になく、年金や健康保険を払えるメドが立たなかったからです。私の年収は5分の1以下に減っています。「生涯収入」を考えると、今も結婚を後悔することがあります。
No. 2713
私も、夫が自分が改姓してもよいと言ってくれましたが、直前になって撤回されました。どうも、改姓がどこまで影響するか想像できなかったらしく「自分はこだわりがないから平気」とだけ思っていたようですが、現実的に考えると仕事上の不都合が沢山あると気づいたようです。
事実婚でも良いよとも言ってくれましたが、知り合いの誰もいないところへ引っ越してきて頼れるのは夫だけという状態でしたので、法律婚で保護を受けたいという気持ちは大きかったですね。
稼ぎのない学生ですから、水葉さん同様、年金や健康保険の心配がありました。夫はそれも払ってくれると言いましたが、そこまでは・・・。
実は、年金や健康保険は事実婚の配偶者も「配偶者」として扱われるのですよ。私がそれを知ったのは、法律婚をして、新姓を必要とする場面が意外に多くて嫌な思いをしていたときでした。
>民法改正法案
毎年通常国会の終盤に野党(民主・社民・共産)が提出して、無視されています。出す方も無視されるのを前提に、年中行事的な感じ。
今年は再婚禁止期間の短縮にだけ絞った法案を国民新党も含めて4党で提出しました。もちろん無視されてます。
無視するのは当然与党なんですが、公明党は夏の選挙のときの政策実行力NO,1とかいう実績に、夫婦別姓の法案を「継続審議中」というのを挙げていたようです。(主犯が自民だとはいえ)無視して吊るしてるだけで実績になるのか・・。
No. 2718
>アオネコさん
福島さん、弁が立つタイプじゃないですね(苦笑)。田原総一朗氏に発言切られてどうする(福島さん相手の態度が他と違うような気が何となくするのですけど)と拳を握ったことが何度も。
社会党はこちらの最後でちらっと言及されているように「生き血を吸われてポイ」でしたね。
http://tekcat.blog21.fc2.com/blog-entry-470.html誘導先は、一言言いっぱなしになっちゃうところですので、あれだけです。だから御覧頂くだけになっちゃうんです、すみません。
>水葉さん
事実婚が可能かどうかは、職種にも居住地域にもかなり左右されてしまいますね、確かに。選択制夫婦別姓制度が民法に盛り込まれても、地方によっては選択できないカップルがかなり多く出るかもしれない可能性に思い当たりました、今さらですけど。
…仕事の場で個人を呼ぶのはほぼ確実に「名字」の方なんだから、それを変えるのは不利な局面が多いのに。と思ったら、さっきつけていたニュース番組で、関口宏氏が、コメンテイターの法政の先生(だっけ?)に「ゆう子さん」と呼びかけて発言を振ったので、ぎょっとしてしまいました。
>さくらさん
年金や健康保険で、事実婚でも「配偶者」として扱われるのですか。。。その事実ができるだけ周知の事になって、なし崩し事実婚増加に期待ですね。
国会議員の女性だって、通称利用とか事実婚とかせざるを得ないようですから、もっとまじめにやってほしいものです。>年中行事的になっている民法改正案提出
No. 2736
山谷えり子だって、旧姓使用だもんねえ!!
ほんで別姓反対だなんて、ふざけんなっちゅうの。
No. 2741
>水葉さん
その人、「家事は祈り」の人でしたっけ。。。
「通称使用による苦労は祈り、その苦労に耐えるのが愛、、、うふふ」(←別キャラ混じった?)
なんて発言を想像してしまいました。怖いよー。
No. 2779
はじめまして。時折拝見して勉強&楽しませていただいています!
私は夫に改姓してもらったのですが、身内からの反発は半端じゃありませんでした。親不孝&家族不孝なので、まあ謝り倒して、やったもん勝ちと開き直ってます。
トラバさせていただいたのですが、不慣れで何度か試行してしまいました。ご迷惑をお掛けしていたら申し訳ありません。
今後とも、ブログ、楽しませていただきます。どうぞよろしくお願いします。
No. 2787
>ハルさん
はじめまして。トラックバックとエントリーでの紹介ありがとうございます。気がついていたのでご挨拶に伺おうかと思っていた矢先でした。問題意識を共有していただいてるのに迷惑なんて事は全然ありません、大歓迎です^^
大変でしたね。男性のご家族の方が否定的な御意見をもたれるのは簡単に想像がついたのですが、女性のご家族の方が(ご経験されたような視点での)否定的な意見を持たれるのは、実は、想像が及んでいませんでした。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
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