都が昨年3月から6月末まで実施した深さ方向の汚染状況調査の報告書によると、市場予定地内の441地点のうち、青果卸売場・仲卸売場を予定している地区の2地点で粘性土が確認できていなかった。
うち1地点では、都の想定より約2メートル下まで調査しても粘性土層が見つからず、もう1地点でも5メートルほど深く調べたが確認できなかった。この地点はベンゼンが地下水から環境基準の1300倍の濃度で検出された場所だった。
そして、
ところが、東京ガスが02年まで実施した汚染状況調査で環境基準を超えるベンゼンなどが検出された地点の深さと、都が想定する粘性土層の最上部の深さなどを比較してみると、複数の地点で最上部より深い位置から汚染物質が検出されていたことが判明。この比較について確認を求めたところ、都も2地点で「粘性土層の最上部より深い位置も汚染されている」と認めた。
専門家会議座長を務めた平田健正・和歌山大教授は「信頼されるデータの出し方をしないといけない。(粘土層が未確認という)事実を明らかにして、きちっと調べることが大事だ。調査することなしに、理屈をこねる必要はない」(@東京新聞)「部分的に粘性土層が連続していない可能性はある。汚染対策をするのなら、その際によく調べ、汚染を処理すべきだ。信頼関係を築くのはデータしかない。都は不信感を持たれない情報の出し方をしてほしい」(@朝日新聞)と話したという。
都側の言い訳;
「地層の成り立ちから考えて、粘土層が連続しているという考えは変わりない」「隠すつもりはなかった。再調査を行うので、一括して公表するつもりだった」@毎日新聞 2009年1月27日 地方版『
東京・築地市場移転:豊洲土壌汚染問題 汚染物質遮断粘土層、一部確認できず /東京』
「地層の成り立ちから不透水層が不連続、もしくは存在しないことは考えられない。ポイントを変えて再調査を行う」「今年8月に公表される都条例に基づく調査に合わせて公表しようとしていた。意図的に隠していたわけではない。現時点で報告の必要はないと考えた」@産経新聞 2009/01/28 12:03 (IZA経由)『
築地市場移転に暗雲 豊洲地区の汚染拡大も 東京』
「データを調査業者の報告書で把握したのは提言後の九月末だ。今後都条例にもとづく調査の結果とともに公表するつもりだった」@2009年1月27日(火)「しんぶん赤旗」『
発がん性物質 濃度 公表の115倍 築地移転予定地 都、公にせず』
言い訳は大体かぶっていたので、他の報道は略。
後者の朝日記事に対しては、「今でも汚染の可能性は低いと認識しており、調査するつもりはない。2地点は汚染対策の際に環境基準以下に処理することが考えられる」@asahi.com 2009年1月27日15時2分『
土壌汚染、地中深くまで 築地市場移転先 都は調査せず(2/2ページ)』
その三、その記者会見は非公開 27日、築地市場内で、水産、青果の卸売業団体代表など32人への説明会を非公開で行った。「午後一時半から約三十分間」だそうだ。短っ!
会の冒頭、中央卸売市場長が「情報が後出しになり申し訳ない」と陳謝し、市場の移転方針に変わりないことを強調&「調査結果がまとまる今年八月ごろには公表する予定で、隠蔽(いんぺい)する意図はなかったと説明した。今後は重要な検査結果が出た場合、逐一公表することを約束したという」とか。この人、都側の代理人なのだろうか?
出席者からの意見;「情報をもっとオープンにしていれば問題はなかったのではないか」「都合の悪い情報を隠していたのでは」「ほかにあるのでは」と批判が相次いだ。
後の記者会見にて;
傍聴していた仲卸さん「都の説明には納得できない。きちんとした情報を公開してほしい。不信感が募った」
東京魚市場卸協同組合理事長「都は今回はすぐに説明したが、こういうこと(情報隠し)がもし二度三度と続けば、我々と都の信頼関係は危うくなる」
参加者のお一人「不信感が強まった。なぜ、汚染物質が次々に見つかる場所へ税金をかけて移転しなければならないのか」
移転反対派の人「ぼくらは自信をもっていい魚を売りたいのに、のっけからこれじゃ、魚を食べる人を裏切ることになる。都への信頼感は全くありません」
移転推進派「事前にきちんと説明してくれればこんな騒ぎにはならなかった。都とは深い信頼関係を結んできたと信じてただけに、今回の対応には不信感が募ります」(ここの二つは、MSN産経 2009.1.27 21:06『
業界からも不信の声続出 築地市場土壌汚染問題』より)
見て回った報道;
毎日新聞 2009年1月26日 東京夕刊『
東京・築地市場移転:豊洲土壌汚染問題 発がん性物質の濃度、公表の115倍』
asahi.com 2009年1月26日3時0分 『
発がん性物質、都公表の115倍 築地市場移転先(1/2ページ)』
スポーツ報知 2009年1月26日23時12分 『
築地市場移転先から発がん物質』
MSN産経 2009.1.26 12:01 『
築地市場移転先、公表の115倍 発ガン物質検出を都報告せず』
毎日新聞 2009年1月27日 地方版『
東京・築地市場移転:豊洲土壌汚染問題 汚染物質遮断粘土層、一部確認できず /東京』
毎日新聞 2009年1月27日 地方版『
東京・築地市場移転:豊洲土壌汚染問題 汚染物質遮断粘土層、一部確認できず /東京』
2009年1月27日(火)「しんぶん赤旗」『
発がん性物質 濃度 公表の115倍 築地移転予定地 都、公にせず』
東京新聞 2009年1月27日 朝刊『
地層データも非公表 築地移転予定地 2地点で粘土層未確認』
毎日新聞 2009年1月28日 地方版『
東京・築地市場移転:豊洲土壌汚染問題 都の情報開示に不信感 /東京 ◇発がん性物質検出で団体代表者に説明会』
産経新聞 2009/01/28 12:03 (IZA経由)『
築地市場移転に暗雲 豊洲地区の汚染拡大も 東京』
sahi.com 2009年1月27日15時2分 『
土壌汚染、地中深くまで 築地市場移転先 都は調査せず(1/2ページ)』
東京新聞 2009年1月28日『
築地移転先の土壌汚染 都、未公表を陳謝 非公開で説明会業者ら『不信感強まった』』
その他;
26日付、日本共産党 東京都議会議員団による石原慎太郎東京都知事宛の『
豊洲移転予定地の土壌汚染の情報隠しに関する申し入れ』
本日、築地市場移転予定地・豊洲が、高濃度の発がん性物質「ベンゾ(a)ピレン」によって汚染されていたにもかかわらず、東京都がこれを隠していたことが報道されました。
「ベンゾ(a)ピレン」は、発がん性の物質として健康リスクの高い物質に指定されているもので、欧米では2ミリ~3ミリがリスク評価の基準とされるものです。ところが、豊洲では、最大値で590ミリ、5ミリ以上が58地点、50ミリ以上が15地点も検出されており、これを隠して移転作業を強行してきたことは、都民にたいする背信行為と言わざるをえません。
東京都は、法の対象ではないとか、正式の調査項目ではないなどと、言い逃れをしていますが、今回のデータが移転の障害となること、都民世論の盛り上がりをおそれて、このような重大な情報を隠していたことは明らかです。
すでに豊洲では、これまでに4万倍以上のベンゼンやシアン、ヒ素、水銀などの高濃度の有害物質が検出されており、今回あらたに高濃度の有害物質の検出が明らかになったことは、豊洲が都民の台所としての市場として不適格であることをあらたてめてうきぼりにするものです。
現在、東京都は「専門家会議」の調査報告書を受けて、「技術会議」において対策を検討していますが、基本となるデータが隠されたもとで安全な対策を講じることは不可能です。
よって、以下の点について緊急に申し入れるものです。
1. 専門家会議の調査で検出された物質及び有楽町層など、すべてのデータを公表すること。
2. 専門家会議による調査の対象物質は、欧米と比べて限定されており、ダイオキシンなど対象物質を拡大して再調査を実施すること。
3. 東京都と「専門家会議」及び「技術会議」との間で交わされた文書、メールなどすべての記録を公表すること。
4. 「技術会議」による汚染対策の検討を中止し、環境学会、市場関係者、都民をふくめた第3者機関による、移転計画の再検討をおこなうこと。
以上
跡地を、誘致しているオリンピックのメディアセンターにするために、豊洲移転を強行するなんてとんでもないっ!!!…築地で食べたお寿司美味しかったなぁ、また行きたいなぁ(と、誰にともなく)
共同通信 2009/01/30 16:33 『
都知事「土壌汚染、隠してない」 築地移転先の発がん性物質検出で』より、
30日、石原都知事はこの件に関し、
「隠してない。(専門家会議への)報告は遅れたけど。移転のために調べる対象でない汚染物質が出てきたが、簡単に除去できる」
…
簡単に? 元の所有者の東京ガスに対して
「(都が)何を信じて買ったか知らないけれど、あれほどひどい土壌汚染の状況とは都側も知らなかったと思うから、弁償というか、責任は果たしてもらうべきだと思う」
…
汚染調査の結果を隠しまくったのは東京ガスではない。
あるいは、
中央卸売市場の豊洲への移転を決めたのは、東京ガスだとでも主張するつもりか? 豊洲が東京の所有地であることを批判しているわけではない。そこに深刻な汚染があることが判明してなお、中央卸売市場の移転を強行しようとしていることを批判しているのだ。