8月24日付のエントリで、
アムネスティインターナショナル・オーストラリアの7月18日付記事にあった「慰安婦」被害者、吉元玉(キル・ウォンオク)さんのメッセージを引用させていただいた。
「日本政府は、全ての『慰安婦』が死ねば、『慰安婦』は葬り去られ忘れ去られると考えています。しかし、そうはなりません。次の世代が知っている限り、忘れ去られることはないでしょう」
26日付で、また、「慰安婦」被害者の訃報がでていた。
韓国で「慰安婦」であったと公表している方の中では、存命被害者中、最高齢だった方だ。
OhmyNews 2008.08.26 13:38付、
『
생존자 중 최고령 위안부' 이옥금 할머니 별세 (『生存者中で最高齢慰安婦』 李玉琴(イ・オックム)ハルモニ死去』
以下、OhmyNewsより概略。
現在生存している「日本軍慰安婦」被害者中で最高齢だった、釜山在住の李玉琴(イ・オックム)ハルモニが23日夜、亡くなった。享年95歳。26日に韓国従軍慰安婦問題対策協議会が、23日の死去の報と、25日に出棺式を執り行った旨、公表した。
李玉琴さんの死去に伴って、「日本軍慰安婦」であった被害を公表している生存者は97人となり、90歳のハルモニが最高齢の被害者となった。
李さんは、これまで療養院で過ごしていた。釜山キュリン病院に用意された殯所は釜山地域で「慰安婦」被害者らを支援している「釜山市民会」所属ボランティアメンバーらによって守られ、葬儀は、李さんの甥が一人とボランティアメンバーらによって質素に執り行われた。
1914年生まれの李玉琴さんは、24歳の時に就職詐欺で日本軍に徴集され、台湾、マカオ、中国、ハイナン、ベトナムなどの地で「日本軍慰安婦」とされた。李さんは、解放後にも1ヶ所に定住できず、全国を転々としながら暮らしたという。
故人の情報を探していて、こんなWEBページに行き当たった。
『
韓国戦後補償速報 No.101 2004.10.31』
*「慰安婦」ハルモニたちの博物館建立基金寄付
日本軍「慰安婦」の被害者であるハルモニ2名が慰安婦の名誉回復のために博物館建立基金として2千万ウォン(約200万円)を寄付した。28日に、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)によれば、「慰安婦」の被害者である黄錦周(ファン・クムジュ、85)、李玉琴(イ・オックム、91)ハルモニは27日、日本大使館の前で開かれた水曜デモの後、「戦争と女性の人権博物館」の建立基金としてそれぞれ1千万ウォンずつを寄付した。黄ハルモニは19歳の時満州に連行され慰安婦生活をしたが、解放後に帰国し、「6.25」(朝鮮戦争)の際に避難する途中で出会った戦争孤児5名を引き取り、勉強させて全員を独立させた。戦後に登録した「慰安婦」被害者ハルモニのうち、最高齢である李ハルモニは最近少しずつ貯めた積立金を博物館建立費用に充てた。ハルモニたちは「私たちが生きている間に記念館が建立され、自分が生きてきたことが無駄ではなかったと確かめられることが最後の願い」だと話した。(10/28、連合ニュース)。
(略)
*日本の国民基金を拒否、フィリピン慰安婦訪韓
10 月20日、628回のソウル日本大使館前での「水曜デモ」には、遠くフィリピンから来たトマサ・サリノグ(76)ハルモニが参加した。14歳の時から故郷のフィリピンのパナイ島で「慰安婦」生活を強いられたサリノグさんは生存している200余名のフィリピン慰安婦ハルモニの中で唯一日本の「女性のためのアジア平和国民基金(国民基金)」を受けていないことで有名になった人物である。サリノグハルモニは日本政府の公式賠償金ではないという理由で基金を受けていない。サリノグさんはこの日、集会で「韓国の『慰安婦』ハルモニたちとともに日本の物質的誘惑を振り切った同志たちと韓国挺身隊問題対策協議会、日本カトリック正義平和委員会など、『慰安婦』問題をともに苦しみながら闘っている団体の力があれば誘惑を拒むことができる」、「日本政府は『慰安婦』問題を公式謝罪し、賠償金を支払わなければならない」と話した。(10/20、韓国日報)
*編集者注:現在までにフィリピンでは約450人の「慰安婦」被害者が名乗り出ており(300名以上が生存)、そのうちの200人前後が「国民基金」を受け取り、200名以上が受け取っていません。トマサさん以外にも「国民基金」に反対して受け取っていない被害者は多数います。
*軍隊慰安婦被害者の40%が死亡
日本軍「慰安婦」被害者ハルモニたちの40%がすでに高齢により息を引き取ったことが明らかになった。現在、韓国政府に登録されている軍隊慰安婦被害者は 215名であり、これらのうち今年に入ってだけで7名が亡くなったのをはじめ、現在までに全体の40%に当たる86名が亡くなったことが確認された。生存者129名のうちでも80歳以上の高齢者が60%の75名に達し、名誉回復と賠償などの解決策が急務であることが指摘された。(10/22、YTN)
…2004年時点の生存者が129人で、この時点でも名誉回復と賠償などの解決策が急務であると指摘されている。それからもう4年。知っている次の世代の一人として、忘れ去らせない為の、ほんの少しの力にぐらいはなれればいいのだけど。
李玉琴さんのご冥福をお祈りします。
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