セクハラ言説遭遇体験が思い起こされてならない。ベタに書くと洒落にならない様な気がするし、当ブログのお客様は、ふと気がつくと男性比率が比較的高いようなので、、、うちをわざわざ読みに来る人がこういうのの加害側に立つ事は考えにくいのに、そういう話をふるのって嫌がらせみたいで申し訳ないから自粛していたのだが。
いわゆる「オヤジの居酒屋談義」については、学生時代から先生が連れてってくれたので、隅っこに入り込んで聞く機会が比較的あった。就業した後も、私の指導的な立場にある人物が「こういう場で重要な話が出ることもあるし、何より、顔をつないでおくことが大事」と言って連れ出してくれることが多かったので、私は居酒屋談義の観覧(?)体験は結構ある方じゃないかと思う。
居酒屋談義をしていた同業の年長男性諸氏は、私がまぎれ込んでいても気にならないのか、あれでも控えめだったのか、無邪気な話をしていたものだ。もっとも、居酒屋でひとしきり盛り上がった後に「これから女性同伴お断りの店に行くから」と追い返されたこともあるので、あれでも控えめだったのかもしれない。
そして、その控えめだったのかもしれない内容は、と言えば。。。聞いている私からすれば、これじゃ内容的に女子中学生が女子トイレでやっている会話と変わらんな、と思ったものだ。同業の、いわばムラ社会の、誰それが誰それとくっついたの、何タラ部長が部下と不倫してるだの、それを奥さんに隠すために部下を海外支所にだしたの、某と某は怪しいの、と。
私にしてみれば、重要な話が出るかもって聞いたからまぎれ込んでるのに重要な話でそうにないな(^^;、とか、仕事でつながっている関係なんだから仕事の話したいなぁとか思うのだが、これっぽっちも出ない。という訳で、居酒屋談義に対する私の認識はかなり前に確立してしまっている様な気がする。
さて、少なくとも私の遭遇した居酒屋談義とは、そういうものであって、話題がそうである以上、話題のネタが必要となる。すると、こういったムラ社会では不思議な現象が発生する。ムラ社会の参加者は、自らの私生活を酒の肴に提供しあうことが暗黙の内に強制されるのだ。
すると、既婚の男性諸氏は、自分の結婚生活の非円滑さを競い合いはじめる。円満な結婚生活を送っているらしい既婚男性は何故か口数が少なく、多少そういったことを口に出しても、自称不幸な結婚生活を送っている男性方からは歓迎されない。そしてさらに、不思議な現象が発生する。隅っこで温和しく話を聞いている私に、話がふられるのだ。そもそも、自分のプライベートを酒の肴に提供する趣味はないので口を濁すと、なんだか解せない方向に話がふられる。
この、私に話をふってくる人達は、つい今し方まで、自分達がいかに不本意な結婚生活を送っているか競い合っていたはずだ。
なのに、何故、私に対して「結婚」がらみの話を熱心に尋ねるのだ? しかも、方向性としては、私に業界の誰かと結婚させよう、なんとか世話をしようという方向になる。
いや、そういう世話はいりませんから、勘弁してください(^^;、と思いつつ、
「今さっき、奥さんにどれだけ迫害されているか、とか、結婚なんてするもんじゃない、とかおっしゃってませんでした?」と尋ねると、
「いや、碧猫さんは是非とも結婚すべきだ」
…私が、パートナーを迫害しないと考える根拠はなんなのだろう? しかし、酒の入ったオッサンはそんなことは気にしないで、勝手に周りに声をかける。
「誰かー、碧猫さんと結婚してやってくれー」
…いえ、結構です。っつか、私は売れ残っている叩き売りの野菜かよ(^^;「いやー、こう見えても碧猫さん、料理上手でねー、家庭的なんだよ」
…自分が喰って美味いものを自分で作るのと、家庭的ってのは違いますよ。家庭的ってのは家族のために料理を作ることが前提なんだから(^^;「うちの○●ちゃんは、名字変わったんだよ。碧猫さんはまだ?」
…私、名字変わると、いろいろと支障があるんですけど。 年に数回しか顔を合わせない同業の年長男性諸氏から、毎年毎年、顔を合わす度にそういった話題を振られると、いい加減うんざりする。
そろそろ、アンタッチャブルな話題って事になって、後ろ指指しながら「可哀想に(ヒソヒソ)」という段階に達してくれると嬉しいのだが、時代がそうなっちゃったせいなのかなんなのか、どういう訳か静まってくれない。
うんざりしている私としては、少しでも静かになる方向を探ろうと思って、試しに「いい男いないの?」と聞いた某年長男性に向かって、真っ正面から目をみながら「いやー、未だかつて、いい男って見たこと無いですね」と言い切ってみた
(ひでぇ)。鼻白んで黙ったので、今後この手は使えるっと喜んで、しばらくやってみた。
しかし、敵は手強かった。
その後、それでも食い下がって根掘り葉掘り訊こうとする某年長男性に遭遇した。
いい男って見たこと無い発言でも引き下がらない。
「いつも身綺麗にしてるじゃない、男性に関心あるんでしょ」
…元々大した格好してないし、この時は出張で出てたんだから、小汚い服装をしている訳はない。だいたい、服装に関しては女性の目の方が、私は怖いよ。と思いつつ
「この程度は単なる最低限の身だしなみですけど?」でも、引き下がらない。
「男性に関心なくて、そんなちゃんとしてる訳ないじゃない」
…だからしてないって。どうして、男性の目だけ気にして生活してるって思えるかなぁ。それに、どっちかってと、貴男に関心がないだけ。と思ったけど、これははっきり言えない(^^;言葉を濁す私に、その某年長男性は衝撃の(笑)言葉を吐いた。
「女性の方に関心があるの?」
…周りが静まった。
私の隣に座っていた古くからの知人が「怒ったらダメだよ」と言ったのはともかく、何故か私の袖をおさえる。殴りかかると思われたんだろうか(^^;
もはや、この段階になると、私は面白くって仕方なかったんだけど。
どう答えようかと迷ったのだが、ちょうど、この時、ちょっとした大当たりなタイミングだった。
「
屁理屈をこねる専業主夫なんて、真っ平ごめんだよなぁ」と思っていたタイミングだったのだ。
思わず、つい、口走ってしまった。
「家事の上手な女性の専業主婦っていいですよね」…とたんに、なぜか、その某年長男性は「そうか、やっぱりそうだったんだ」とつぶやいて、むっつりと黙りこくってしまった。
あれー、もしかして誤解されたかしら、と、もしかしてもへったくれもない事が、脳裏をよぎった。
しかし、と思い直した。
これで、酔っぱらった同業男性諸氏から五月蠅くされずにすむなら、それでいいや。私にはなんの支障もない。 以来、なんだか静かになって今現在に至っている。
おそらく、狭いムラ社会に何かの噂が回っているのだろう。