このところ、民主主義って意見を出し合って相手の意見を聞いたり(読んだり)、ここぞという点にはつっこみを入れ、、、それやこれやで、とりあえずは意見を出さなきゃ話にならないと考える機会が多い。しかし、そういえば、私の住んでいる地方自治体の首長はそういうのが嫌いらしいと聞いたようなおぼろげな記憶があり、どうもその下部組織はそういう意思が優位なんじゃないかという話が一件
(以上かもしれんがとりあえずはここで思い出さされたのは一件)あったっけ。そういえば。
事の発端は 2006年の4月13日に、東京都教育委員会・ 中村教育長名でだされた「通知」。
朝日新聞2006年4月14日の報道によると、
「学校経営の適正化について」と題する通知では、職員会議について「議決により校長の意思決定権を拘束する運営は認められない」との方針を強調。校務や、児童・生徒の成績判定などについて「『挙手』『採決』などの方法を用いて、職員の意向を確認するような運営は不適切であり、行わない」と具体的に指示した。
都教委は、学校経営の中枢機関は、校長がメンバーを選任する「企画調整会議」であるとして、その機能強化を要請。一方、職員会議の機能は「教職員に対する報告、意見聴取、連絡に限定」するとしている。
都教委が今年初め、都立学校の運営を調査した結果、十数校で職員会議で挙手などの採決があり、校長の意思決定に何らかの影響を与えていたという。
これには、
「
教育の現場に対して、自ら民主主義を踏みにじる運営をしろと指示している東京都教育委員会(教育長)とは、一体何なのだろう」
「
命令を忠実に実行するロボットのような教員。そしてそうした教員がはたらく工場のような学校。それが都教委の理想とする学校なら、いやはやなんともというしかない。」
「
校長の権威だけに頼る運営をせよという通知で、一般の教員の参加意欲をそいでしまい、学校を活力のないものにしていくのではないか。(略)これで生徒にどうやって民主主義の多数決原理を教えられるのか。教育現場の荒廃はここまできたか、と思わせられる。」
平成十九年六月二十一日付の
東京都議会文教委員会速記録第七号でも、大山委員により
(略)
都教委の通知というのは、所属職員の意見を聞くことが必要な場合においてまでも、挙手、採決などの方法を禁止した。意向が反映されないで、だれが意見をいうでしょうか。意見をいえないで物を考えるでしょうか。これは物をいうな、物を考えるな、黙って従えということ、このように書いています。私もそのとおりだと思います。
そして、通知の内容の三点目は、校務に関する分掌組織や校内人事等を検討させる委員会を設置したり、委員会等から分掌組織や校内人事案に関する調整をさせたりすることは許されないということですね。また、委員会等の互選は許されないことを徹底したということです。
大体、こういう通知を出して、学校を縛ること自体、不当です。こんなことをしているのは東京の中だって、都立だけですよ。
(略)
そもそも都教委が出しているのは通知であって、通達ではありません。絶対に従わなければならないものではありません。それを一校残らず、シラミつぶしに従わせるというのは、支援じゃなくて、強制だといわなければなりません。
といった批判が集中していたにもかかわらず、この通知は徹底されてきた。
ところが。
毎日新聞 2008年5月2日 2時30分付より、
「
撤回要求:現職校長、都教委に…職員会議の挙手禁止通知」より一部のみ;
通知後の職員会議について土肥校長は「教職員が『何を言っても意味がない』と思うようになり、活発な議論がされなくなった。教員の意見が反映しにくくなった」と主張。4月11日に立川市内で開かれた都立高校長会で、通知撤回を訴えた。
都教委は通知後、都立学校への調査を繰り返し、生徒の生活指導や学校行事について挙手をさせた校長を厳重注意にしている。07年2月以降は実施校がゼロとなっていた。
そして、レイバーネットその他で「
三鷹高校の土肥信雄校長にエールを、都教委に抗議を」という、以下のような緊急アピールを土肥校長および、都教委に宛て出すための賛同署名が呼びかけられている。
2008年5月9日
「教育者としての信念を貫かれる校長先生に敬意を表し、
都の理不尽な通知に反対する市民と保護者のアピール」
2006年4月に都教委が「職員会議において『挙手』『採決』等の方法を用いて職員の意向を確認するような運営は不適切であり、行わないこと」を都立学校に通知したとき、私たちは本当に驚きました。教育現場で日々子どもたちに接している教職員の意見を聞く場がないようなところで、子どもたちを大切にする教育ができるわけがないからです。
この通達は、「校長は管理者であって教育者である必要はない」という都(知事)の意向を色濃く反映したものであり、教育を上意下達の場にし、子供たちにも上から言われたことに疑問を持つことを許さない、または疑問を持っても口に出すことを許さない学校を作るためのものであるとしか考えられません。
しかし、学校現場では、都教委の言うことに異を唱えれば、校長先生をはじめ、教職員は身分や経済的保障をも奪われかねないような事態が2003年頃から発生しています。教員が、現在の都教委の方針が正しいと思っていなくても、それを意思表示できない状況であることはだれの目からも明らかであり、どんなにばかげた通達であっても従わざるを得ないという、まさに都の目指している方向に事態は進んでいるのだと、私たちは半ばあきらめの気持ちで都立学校を見つめてきました。
こんな学校では、子どもたちは自分で考えて行動することも、まわりの友人たちと共に考えて行動することもできなくなる、こんな教育が続くのならば東京の子どもたちの未来はどうなるのだろうと暗澹たる気持にもなりました。
ところが、そんな状況のなかで、きちんと声を上げている校長先生がいらっしゃることを知り、私たちは本当に嬉しく、感動しました。そして、東京の教育も良識を取り戻す可能性がなくなったわけではないことに、またこのように「教育者」として深い見識をそなえた校長先生が都立学校に存在しておられることに、私たちは救われる思いです。
校長先生や教職員がきわめてまっとうな意見を述べることに対し、都教委は「事情聴取」や「処分」といった圧力を加え続けていることを私たちは知っています。こんな「恐怖政治」とでもいえるような教育行政は今すぐやめてほしいと心から願っています。また、間違った通達はすぐに撤回し、教育の場が真に子どもたちのためにある本来の姿に戻してほしいと強く願っています。
声を上げてくださった校長先生に心から敬意を表するするとともに、わたしたち保護者や市民も都教委の横暴に対し、きちんと声を上げ続けていく決意です。
一点だけ指摘したいが、私の調べた範囲では、「職員会議において『挙手』『採決』」を行わないように、としたのは、「通達」ではなく「通知」らしい。そして、「通知」は「通達」よりも強制力が弱いものとして認識されているらしい。
……だから、その通知後「都立学校への調査を繰り返し、生徒の生活指導や学校行事について挙手をさせた校長を厳重注意にして」、強制した教育委員会は余計にとんでもないんじゃないかって、つっこみいれたいって事だが。
趣旨に賛同したので、署名記入用フォームへのリンクをご紹介することにしました。
アクセス集中の対策として受け付けるURLは三つありますが、以下リンクはどれも同じフォームで宛先も同じ。締め切りは5/14だそうです;
署名用のフォームその1 署名用のフォームその2 署名用のフォームその3