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「彼ら」が教科書を標的にする理由;若桑みどり氏の「戦争とジェンダー」より 

 10/4のこと、目についた報道があった。
asahi.com2007年10月03日21時11分で「美術史家の若桑みどりさん死去

 ジェンダーの視点からの美術史研究で知られる、千葉大名誉教授の若桑みどり(わかくわ・みどり)さんが、3日午前3時ごろ、虚血性心不全のため、東京都世田谷区の自宅で死去した。71歳だった。(略)東京生まれ。東京芸大卒業後、イタリア留学を経て東京芸大教授、千葉大教授、川村学園女子大教授を歴任。イタリア美術史が専門で、美術における女性の位置についてのジェンダー研究や発言も多く、ジェンダー文化研究所を主宰している。80年に「寓意(ぐうい)と象徴の女性像」でサントリー学芸賞、「薔薇(ばら)のイコノロジー」で84年度芸術選奨文部大臣賞、03年に紫綬褒章。04年には「クアトロ・ラガッツィ――天正少年使節と世界帝国」で大佛次郎賞を受賞している。(後略)


 若桑氏の文章を最初に読んだのは、「ジェンダー白書3 女性とメディア」(明石書店 2005年3月初版)の「アニメとジェンダー -少女を取り込むプリンセス神話/消費される少女像」と題された寄稿だった。前半がディズニーのプリンセスストーリーについてのジェンダー視点での論評であり、後に私が読んで、このブログでも取り上げた「お姫様とジェンダー アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門 (ちくま新書 2003年6月第一刷)」のダイジェスト版という感じ。後半が、

家父長制文化が生産してきたもっとも量の多い女性像が、「処女にして母なるもの」であったことを論じる。これは西欧社会では聖母マリアに表像されるが、日本で生産され、これもまた世界で認知され消費されている宮崎駿の「美少女英雄」ストーリーがまさしく対応する。

とはじまっている文章で、宮崎アニメで「大人の男たち」が破滅させた世界を救うのは「少女」であるという定型的な図式と、その背景にある、あるいはその図式が人気を博する意識の考察は大変印象深いものだった。

 だから、後に、「慰安婦」問題関連で興味をもち、戦争と女性との関わりの本を探した時に、若桑氏にそういう著作があることを見つけると真っ先に手に取ったものだった。
「戦争とジェンダー」(大月書店 2005年4月発行)
予想通り、非常に面白くて、すでに「戦争とレイプの相関」の箇所は当ブログにて取り上げた。

 しかし、この著作は戦争とレイプに限定して論じたものではない。この著作の内容は、アメリカ兵の強姦事件や、財務省官僚の強姦事件、それにこのところの社会の「空気」から、もっと紹介したくなるものだったので、、、あちらこちらで言及していることもあり、興味を持ってくれる人が増えてほしくて、もう少し、この若桑氏の遺作を紹介しておこうと思う。
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[ 2007/12/20 00:00 ] 自爆史観 | TB(2) | CM(10)












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