(暫定的にアップしたエントリーを書き直し、12日分報道を追加しました)
9/12の沖縄タイムス報道で「教科書検定審議会日本史小委員会の複数の委員」が審議実体がなかったことを沖縄タイムス取材に答えていたとのことでしたが、さらに踏み込んだ報道が出てきました。
琉球新報10/11 9:40付報道より「
文科省調査官が介入、波多野委員が初明言 教科書検定審議」
(以下、強調は引用者による、以降も同じく)琉球新報社の取材に対して、「教科用図書検定調査審議会」の日本史小委員会委員の波多野筑波大教授が明らかにしたところによると、
(略)
会合では、調査官が自身が作成した検定意見の原案となる「調査意見書」を読み上げる。審議内容について波多野教授は「調査官はもちろん議論に入ってくる。いろいろなことを意見交換する。全く委員だけで話すことはない」と話し、調査官を交えて議論すると説明。審議会の位置付けについては「文科省から独立した(第3者的)機関ではない」と明言した。
ただ、沖縄戦の「集団自決」について「議論はなかった」としている。
引用中断、議論があったらあったで「調査官」が議論に加わって問題だけど、
議論無しに「調査官の作成した検定意見原案」素通しも大問題なのですが。。。
波多野教授は審議会の在り方について「沖縄戦の専門家がいなかったのは事実だ。専門家に意見を聞く機会があっていい。透明性という点でも不十分だ」と問題点を指摘した。
「集団自決」に関する記述に初めて検定意見が付いたことに「学術的に、沖縄戦の集団自決をめぐる大きな変化があるかと言えばそうではない。わざわざ意見を付けることにやや違和感があった」と述べた。
伊吹文明前文科相は今年4月に「公正な第3者の審議会の意見」と発言。渡海紀三朗文科相も10日の衆院予算委員会で「審議会は専門的、学術的立場から中立公平に審議するものだ」と答弁している。だが、調査官の具体的な議論への関与を許す審議会の公正・中立性は確保されていないと批判が高まりそうだ。
というわけで、政府が審議会を「中立公平、第3者機関と位置付けているが、検定意見の原案を作成する調査官が、審議過程にまで介入している実態が浮かび上がったとの事。
ただし、
琉球新報10/12 9:38付報道より「
『集団自決』軍強制 文科次官、調査官関与を否定」
銭谷真美文部科学事務次官は11日午後の記者会見で、教科書検定意見の原案となる「調査意見書」を作成する文科省の教科書調査官が、教科用図書検定調査審議会の審議に参加していることについて「調査意見書を供して議論するが、最終的な検定意見は審議会で決めている。調査官は説明はしていると思うが、そこ(検定意見の決定)に調査官が加わったり、議決はしていない」と述べ、検定過程での関与を否定した。(中略)審議会に沖縄戦の専門家を入れることについても明言を避けた。
なんて報道はあるにはあるけど。。。
あー。この事務次官さんって、
平成19年4月25日の166回国会の教育再生に関する特別委員会で、民主党の川内委員から教科書調査官が「つくる会」関係者じゃないのかと追求されて、一生懸命言い逃れてた人ですね。
また、2007年10月12日(金)「しんぶん赤旗」より「
『強制』削除 文科省ぐるみ 衆院予算委 赤嶺議員 撤回迫る」
高校日本史の教科書検定で、沖縄戦での「集団自決」に日本軍の強制があったとする記述を削除する発端となった「調査意見書」が、文科省ぐるみで作成され、専門家によるまともなチェックさえなかった――十一日の衆院予算委員会で、日本共産党の赤嶺政賢議員の質問で明らかになりました。赤嶺氏は「文科省が勝手につくった検定意見に固執することこそ『政治介入』だ」と批判し、検定意見の撤回と記述の回復を要求。気迫の追及に、第一委員室は静まり返りました。(中略) 赤嶺氏は、これまで二十年間、意見がついたことのなかった記述を削除した発端は、この調査意見書にあると指摘。同意見書には、「集団自決」が軍の強制であった記述について「誤解するおそれのある表現」と意見をつけ、担当局長ら七人の決裁印も押されています。文科省の金森越哉初等中等教育局長は「(同意見書は)検定意見の原案」と述べ、発端であることを認めました。(中略)審議会メンバーに沖縄戦の専門家がいなかったことも認めました。
赤嶺氏は、今回の検定意見は結局、文科省のいう「専門的、学術的観点」どころか、「文科省の一職員が自分の考えでつくった」にすぎないと強調。しかも、調査官が意見の根拠とした文献の著者である関東学院大学の林博史教授も怒りの声をあげていることを紹介し、「検定意見の撤回、記述回復を求めるのは『政治介入』ではない。真実を回復してくれというやむにやまれぬ県民の要求だ」と迫りました。(後略)
林先生のコメントも収録されている、論戦ハイライトも必見。その他メモ。
以下、アニカさんの「
ポジティブで行こう」より
2006年10月3日沖縄タイムス
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200610
米公文書に「軍命」慶良間・集団自決/発生直後の住民証言
関東学院大、林教授発見
沖縄戦時下の慶良間諸島の「集団自決」をめぐり、米軍が上陸直後にまとめた資料に、日本兵が住民に「集団自決」を命令したことを示す記録があることが、二日までにわかった。関東学院大学の林博史教授が米国立公文書館で発見した。記録は1945年4月3日付の「慶良間列島作戦告」
(中略)
報告では、慶良間の住民を男女別に収容し尋問した内容として「3月21日に、日本兵が慶良間の島民に対して山中に隠れ、米軍が上陸してきた時には自決せよと命じたと繰り返し語っている」と記述されている。
また座間味島については歩兵第七七師団「アイスバーグ作戦段階1作戦報告慶良間列島、慶伊瀬島」で、座間味の「集団自決」の生存者に対し、医療スタッフが治療を施していることを記述。
「一部の民間人は艦砲射撃や空襲によって傷ついたものだが、治療した負傷者の多くは自ら傷つけたものである。明らかに、民間人達はとらわれないために自決するように指導されていた」と記録されている。
林教授は、各島の間で「3月下旬の時点において、慶良間では日本兵が自決せよと命じていること、座間味でも島民達が自決するように指導されていたことが保護された島民たちの証言で示されている」と解説する。(後略)
集団自決発生直後に既に自決は軍命であることは証言されていた。
戦後何らかの意図をもって「軍による自決強制」を捏造したのではないことを証明する「公式文書」がちゃんと存在するのだ。
琉球新報10/10 16:03付報道より「
福田首相、検定撤回に否定的」
(略)福田康夫首相は10日午前の衆院予算委員会で、検定意見の撤回について「(検定は)文科省が採っている制度で、制度をうんぬんすることは、特別に考えているわけではない」と否定的な考えを示した。福田首相が検定意見撤回の可否について考えを明らかにするのは初めて。民主党の菅直人代表代行の質問に答えた。(中略)「審議会は民間の教科書会社が策定したものを専門的、学術的立場から中立公平に審議する。われわれが、こういうふうにしろということは政治介入に当たる。そうであってもどういうことができるのか、なお慎重に検討している」と検定意見の撤回を困難視し、記述の復活に向けた方策を検討するとの従来の見解を繰り返した。
…つっこみ略。
時事通信 2007/10/11-14:48報道より「
沖縄戦決議、衆院でも提示=民主(魚拓とれず)」
(略)検定のやり直しを求める決議案を提示し、各党に協力を求めた。自民党は「難しいという議論が多いが、持ち帰って検討する」と述べた。
自民議員と民主党でダブルでへたれると予想。
時事通信 2007/10/12-13:35報道より「
検定やり直し決議、見送る意向=参院議長」(魚拓とれず)」
自民党の伊吹文明幹事長は12日昼、国会内で江田五月参院議長と会い、(中略)国会決議案について「採択しないのが見識だ」と採択見送りを求めた。これに対し、江田氏は「全会一致の原則は重い。(教科書検定に)政治介入してはいけないのはよく分かっている」と述べ、見送るべきだとの意向を示した。
こっちはすでにへたれました。
山陰中央新報'07/10/11付コラムより引用「
沖縄での兵士の体験記がない」
(略)「日本兵が沖縄で何をしたか、書けないでしょう」。穏やかな中にも頑とした口調の初老の運転手。沖縄の住民が旧日本軍に集団自決を強いられたとされることなどを示していた(中略)検定意見は、文科省の教科書調査官が提出した調査意見書を検定審議会が十分精査せずに認めて付いたという。安倍前首相の「戦後レジームからの脱却」が後押ししたのではないか▼そして先月、ハト派とされる福田首相が誕生。沖縄の思いを受け止め「文科省で検討していく」と述べている。(中略)見直しは歓迎したいが、政治介入を排除するはずの検定審議会が形がい化しかねない。審議会自らが検証し、必要なら豹変するしかない▼集団自決などで軍の関与を否定する根拠とされるのが、文書などが残っていないこと。戦争体験者がいなくなると、その根拠がわが物顔になりかねない。体験者の証言を余すことなくとどめる取り組みが急務だ。
やっぱり全国紙より、地方紙の方が鋭い。