私が仕事している業界って、実のところ、セクシャルハラスメントはとても多いように感じる。
私自身もそれなりに直面しているわけだけど(そのうちのごく軽い例は
こんなの)、こちらとしては、いちいち「それはセクハラだ」と指摘する気は、正直、ない。もう少し若かった(笑)時には、試しに指摘してみたが、その時の指摘した相手の表情を見て以降、その場で本人相手に指摘するのは止めることにした。だって、まるで痴漢の濡れ衣を着せられたかのような、理不尽な言いがかりをつけられ犯罪者に仕立て上げられたとでもいわんばかりの表情で睨みつけられたのだ。
年齢的にも+地位的にも+体格的にも(笑)優位に立てない私が、いちいち細かいセクハラを指摘して回るのは、負担が大きすぎる。不快なだけで実害がない程度なら、生暖かく見守るだけにとどめないと、男性が絶対多数の業界で孤立して困ることになるのは、明らかに私の方だ。そんな業界なのでセクハラ体質は是正されることなく染みついているし、そして、同業で比較的近しい位置にあった人物の一人がセクハラで職を失った例も知っている。
ま、そういう業界で仕事している訳だが、私の実際に直面した例ではこんなのがある。
前の所属にいた時、外部の講師による招待講演の後に、その講師を歓待する飲み会でのこと。所属ラボの教員が二人、招かれた講師、所属ラボで実験している修士。それに私。私以外は全員男性。教員の一人は当時30代半ば、修士は20代半ば、講師ともう一人の教員は50代後半って年格好。
飲み会ではあるが、私はアルコールは飲まないので、酒の肴をパクつきつつ烏龍茶を飲んでいた。
すると、講師の先生が言った。「碧猫さんは飲まないんだね。」
体質的に駄目みたいなんで、てなことを答える私。
そんなやりとりの後、何故そういう流れになったのかよくわからないのだが、話題が「美人には酒乱が多い」という方向になった。調子よく話に乗ってしゃべりまくるのは、30代半ばの教員、
T氏。テキトーな相づちや合いの手を入れるその他男性陣。沈黙する私。
T氏は何度も何度も「こういうことを言うとセクハラって言われるかもしれないけど」と(どこかの大臣のように)前置き・中置き(?)しつつ絶好調で語りまくり、そして飛び出す意見は「ブスは酒乱になった場合、道ばたで寝込んでも介抱されず、淘汰されるから生き残れない。だから自衛のために酒を飲めない」「美人だと、介抱してもらえるから生き残る、だから酒乱になれる」。
そもそも、きっかけがああで、話がこうなるって事は、要するに私がブスだとクサされているのだろうか?、と視線が冷えていく私。
しかし、この手のオトコは、冷たい視線に気づくような繊細さを持ち合わせてはいない。
私としては、アホを相手にする気は毛頭無く、邪魔くさいので聞き流していたのだが。
ワザワザ地雷を踏む馬鹿が、世の中にはいる。
…この流れの話が終わりかけになって、教員T氏が、この話はこの場だけのことにしてね、と言い出したのだ。
私に向かって。
言わなきゃいいのに。
わざわざそう言ってくるのなら、意思表示ぐらいはしておくか、ってなもの。
「それは甘いですよ(にっこり)」と愛想良くお答えしてしまった。
…もっとも、言われた当人、どうやら意味に気づかなかったようだった。
しかし、同席していた20代半ば修士;K君だけは、まともな神経を持ち合わせていた
(知ってたけど。よくおしゃべりする相手だったから)。
表情をこわばらせて、私をまじまじと見る。
あからさまに引いたK君の雰囲気に、教員T氏、多少は何かを感じたらしい。
しかし、とことん、あれな人物なもんだから、K君に向かって「大丈夫、碧猫さんは美人だって言っておいたら、黙っていてくれるよ」といったのであった。
…とことん、アホ?
可哀想なK君は青ざめたのだが、教員T氏は、全然何も気づかないようだった。
・・・もちろん、このやりとりは、飲み会から帰った直後の記憶が新鮮な私によってメールに書き上げられ(笑)、このラボの関係者および無関係者の区別無く
(こら)我が友人・知人一同にメール配信され、T氏がいかなる人物かを広報する一助になった。ちなみに言いふらしメールには、K君だけはマズイやりとりであったと気づいていた事まで含めておいた。
そして、数年を経てから過去メールから発掘の後、ブログネタにまでなっているのだな(笑)。
いやー、しかしまぁ、なんですねー。
「こういうことを言うとセクハラって言われるかもしれないけど」といえば、セクハラ発言が免罪されると思っているところが無邪気すぎ。
「気配りのできるヒト」という評価は、決してもらえないのに。
お断りを言ってまで言いたい話題か、それが?と思われるのがオチなのだけどね。
大体、
「こういうことを言うとセクハラって言われるかもしれないけど」という判断があるぐらいなら、黙っとけ、と思ったものでありました。
昨日付記事をうけた結論をあえて書いておくなら、プリンセス・ストーリーによってもたらされた価値観、、、「(そうでない女性を分断し)従順で若く(男性から見て)美人な女性を賞揚する」価値観って、やーねって事になるかな。
おまけ。
読者からの投稿2にまさにそのものの話が・・・。私じゃないけど(笑)。