fc2ブログ










既視感の「男の子」 

 タイトルは、謎の釣りです。遙洋子さんの本から、抜き書きしておきたい箇所があったので。


 遙洋子さんはしばしば、講師として招かれるそうだが、これは、その招かれた際の1エピソード。
[ 2009/07/16 19:17 ] ジェンダー関連? | TB(1) | CM(3)

「自由」ってどういうものなのか、よく解らない 

 このところ読み返している何冊かの内の一つで、遙洋子さんが男女共同参画社会基本法をこんな風に表現していた。

これはみんなで平等になりましょう。で、平等というのはね、という法律だった。そして気づいたことがある。それは、平等というのは、平等を定義しなければならないほど、人は平等がなにかわからないということだった。「平等はいいことだ」はわかっていても、じゃあ、なにが「平等?」と聞かれて、いったいどれぐらいの人がそれにこたえられるだろう。(略) なにが平等かを定義することとはつまり、なにが平等でないかを指摘することから始まる。


遙洋子「働く女は敵ばかり」朝日新聞社2001年五月一日第1刷発行、P125-126より


 そうして、2001年の正月に、遙さんはこの法律に関するテレビ番組に出演し、旧知の番組スタッフに問われたいう。

「で……どうしたらよろしいのん?」
「え?」
「いや、だから、基本法の理念はわかるんですが、で、……僕らどうしたらよろしいの?」
 彼らは下請けのスタッフだった。つまり、市場経済でいう周縁部の位置に属する。働いても働いても経済的強者になりにくい位置だった。(略)「どうにも出来ないよね」という言葉を飲み込んだ。

 平等に生きることなど、たった一人の心がけや努力程度じゃ困難すぎる話なのである。差別は社会に歴史的に長く深く構造化されている。そこで生まれ育つと、それが自然にも見える。僕が働き、君が家を守るのが自然で、そうとしか生きられない社会制度や慣習があれば、役割分担の歴史性は「そう生きたい私」という個人の意思にまで作用するだろう。(略)
「どうすればいいんだろうね」
次のシーンが始まる。
「二十一世紀は女性も自由に職業を選べる時代になりました。自立して女性も生きられるようになりました」(略)
カメラが止まった。(略)
また、ディレクターが私に近づき言った。(略)
「女性も自由になれるんですか?」(略)
 一体、女性の何割が自由に職業選択できているだろう? 自己実現を期待し仕事を選んでも、やめていく理由は相変わらず子育て・家事・介護だ。(略) 不景気においては、いつでも首を切れて低賃金の女性労働で企業はその命をつなぐ。中高年女性はパート。(略)いったい何割の女性が「自由な選択」など実現できているだろう?


遙洋子「働く女は敵ばかり」朝日新聞社2001年五月一日第1刷発行、P128-130より

[ 2009/07/15 17:34 ] ジェンダー関連? | TB(5) | CM(10)

全国4件目の裁判員裁判が、性暴力事件 

 すでに東京地裁で8月3日、さいたま地裁で8月10日、大阪地裁で9月8日の日程で、裁判員制度の公判日程が組まれているとのことだが、これらに続く全国4件目の裁判員裁判が青森地裁で性暴力事件を扱うことに、8日、決まったという。

(略)
 起訴状によると、被告は19歳だった2006年7月、十和田市のアパートに侵入、20代女性に包丁を突きつけ、現金約1万4千円などを奪い、暴行したとしている。

 被告はこの事件以外に、今年1月に十和田市で別の女性を暴行し現金約5万円を奪ったとする強盗強姦罪や、別の住居侵入・窃盗罪など計3事件でも起訴されており、併合して裁判員裁判で審理される。(後略)



[ 2009/07/09 17:15 ] ジェンダー関連? | TB(3) | CM(26)

『産経の感覚は独創的』 パート7 

 私は寡聞にして知らなかったのだが、全国一斉DV調査でも行われているのか、日曜日には河北新報でこんな報道が出ていた。

 配偶者やパートナーから殴る、けるなどの暴力を受けた経験のある女性が2割以上もいることが、せんだい男女共同参画財団と仙台市が行ったドメスティックバイオレンス(DV)に関する調査で分かった。(略)
 DVの「加害経験がある」と答えた人の傾向を分析すると、子どものころに身体的暴力やネグレクト(育児放棄)の被害を受けた人の割合が高かった。

 また「共働きでも家事・育児は女性がした方がよい」「しつけや教育のために子どもをたたくのはやむを得ない」など、男女の役割分担や体罰に肯定的な人が多かった。(略)

 面接調査は、被害者支援を行う市民グループ「仙台女性への暴力防止センター(ハーティ仙台)」が協力、仙台市などに住む20~50代の女性に聞き取りを行った。

 「肋骨(ろっこつ)3本、前歯5本を折られた」(30代)、「首にのこぎりを当てられ、壁に押しつけられた」(30代)などの暴力のほか、セックスを断った40代女性は、寒い季節に裸で外に出された。

 このほか、「逃げ出さないよう現金を持たされなかった」(30代)など経済的に虐げられる事例も多く、生活費を渡さない、パート代を取り上げられるという人もいた。

 支援に対する要望で最も多かったのは広報啓発の充実。(略)被害者保護のための民間シェルター(一時避難所)など「施設の充実・増設」、「金銭的支援」「住宅支援」を望む声も多かった。



 この報道を見かけたのは、ちょうど角田由紀子さん関係で情報を漁っていた直後で、そういえば、同じ河北新報でこんな情報に行き当たっていたものだ。

 ドメスティックバイオレンス(DV)被害者を助け、支援するため設置された青森県唯一の民間シェルター(一時避難所)が運営を休止したことが17日、分かった。県の補助金打ち切りなどで、資金的に継続が困難になったという。(略)
 DV被害者の女性を支援する角田由紀子弁護士(静岡)は「行政の支援が不十分なのは、DVが深刻な社会問題として認識されていないことの表れ」と指摘。「民間シェルターは公的施設より柔軟な対応ができる。受け入れ先の多様性を確保するため、自治体は民間にもっと援助すべきだ」と話している。


ユーザータグ:  『ま・た・産・経・か』
[ 2009/07/07 17:48 ] ジェンダー関連? | TB(0) | CM(14)

同じ目的を違う手段で達成しようとしているのだとは思う 

 私が「これは凄いネタ元だ」と高く評価し(?)注目している個性派論者は何人かいるが、その内の一人には、バレンタインデーでチョコレートを渡された人が自分が本命かどうかは、渡す女性の血液型による行動パターンの違いによって解るとか、「愛されるための聴くサプリ」と称して女性の血液型別お薦め音楽をあげてみたり女性の血液型別取扱説明書を発行したりするスゴイ女性が含まれている。この人物が某恋愛相談コーナーで、結婚式を控えた時期に相手の男性の不機嫌が続きマリッジブルーになっている女性へした回答が、言いふらしたくなるぐらい凄かった。

あなたは自分の言い方が悪いから彼を怒らせていると考えているようですが、それはまったくの考え違いです。
男性はそもそも、女性に何か言われるのが嫌なのです。
だから、あなたが取るべき手段は唯一。黙っていることです。
そして笑顔だけ見せて、彼から何か言われた時だけ簡潔に「はい」「解りました」とだけお返事しましょう。
(略)
目下の者が、目上の方に何か申し上げるということは、それだけ大変なことなのです。
(略)泣き暮らす前に、三笠書房から出版されている「サレンダード・ワイフ 賢い女は男を立てる この人と、もっと幸せになるために」 Laura Doyle (原著), 中山 庸子 (翻訳)を読んでみてください。(略)たとえ彼以外の男性と結婚生活をはじめるとしても、きっとあなたにとって有意義な情報になると思います。(後略)


…大抵の男性は、ありえねーと思うだろう、と思う。でも、本当にそうなのだろうか。

[ 2009/06/30 18:00 ] ジェンダー関連? | TB(2) | CM(39)

捜しものが見つかったので 

 引用したいエントリを書いてるときに見つからずに,復習(笑)している時に見つかる。まぁ、私の場合、よくあること。復習しているのは,それはそれで理由があるのだけど、それは後の話として、置いておく。

 アメリカの大学で学生に配られている「デートレイプ」啓発リーフレットで、女性(被害者側)の言い分として、こうあるそうだ。
[ 2009/06/28 22:12 ] ジェンダー関連? | TB(2) | CM(7)

「表現の自由」は誰のものですか? 

6月6日付エントリの続きである、6月8日付エントリの続き)

 板坂耀子氏の「私のために戦うな(弦書房、2006年12月25日発行)」の117ページに「ありふれたパターン」と題された章に、こんな記述がある。

 昔から恋愛映画のクライマックスになると、どんなに優しくおとなしい男性と強く積極的な女性のカップルでも、男性が女性を抱き寄せ、女性はそれに抵抗し、そして最後には必ず男の胸を押しのけ叩いていた女の手は男の首にからまって、二人はベッドに倒れ込み、結局のところ幸せになる、と指摘する。(略)これまでの映画は、国も時代も問わず、男女のラブシーンといえばまずはもう必ず、男が抱き寄せ、女が押しのけ、そして最後に女の抵抗が終わってめでたし、という図式を踏襲しつづけてきた。(略)大抵の人間なら、繰り返し見せられれば、恋愛とはこういうものと思い、それに自分を遭わせるように学習するのが普通だろう。「現実が芸術を模倣する」というワイルドの言葉は警句というより真実だ。

…そして、板坂氏はこう指摘する。

フェミニズムの論文がしばしば指摘するように、(略)恋愛映画のラブシーンのパターンは、基本的には男が女をレイプする図式である。


 昨日のエントリで引用した天理大学のキャンパス情報誌の一節を再度引用しよう。

 「強姦神話」っていうのがありまして、「女のノーはイエスのサイン」ってね。(略)「女のノーはイエスのサイン」で、女っていうのは本当は強姦されたがっているんだと、心の中で。強姦されて、性的なエクスタシーを得たいと、思ってるんだから、いややって言うけど、あれはOKのサインよっていうね、神話があるんですよね。(略)フロイトが「女の本性はマゾヒズムだ」って言ってるんですね。


天理大学教養部発行キャンパス情報誌チューリップス 特集:Fフォーラム第4回講演会
セクシュアル・ハラスメント  -フェミニスト・カウンセリングの視点から「男が作った強姦神話」」強調は引用者


 「基本的には男が女をレイプする図式」と指摘する板坂氏は、そういう図式に乗りたい人はそうすればいい話であり、そうでないカップルも現実にいると指摘した上でこう続ける。

 問題は、その図式のみしか存在しないことにある。しかも、水面下のもっと露骨な少女たちがレイプされるゲームやアニメ、昔からあるポルノビデオが、より大量に積極的に、あるいは隠微に、あるいは公然と、その図式を肯定し、拡大して人々の頭にたたき込む。(略)それをしばしば支えるのは、「これが女の本質だ」「いやがりながら屈服するのが、女の性だ」の論理であり、それはレイプの肯定に家庭内暴力に、仕事の上での差別にまでつながっていく。


「私のために戦うな」(弦書房、2006年12月25日発行)板坂耀子著



 これも、昨日のエントリで引用した東京レイプクライシスセンターのコンテンツは、昨日引用部分と続けてこう述べる。

強姦神話が吹聴され、被害者は責めを負わされ、犯行は容認され助長されています。この間違った「常識」をリセットすれば、被害をなくすためにできることがはっきりしてきます。
 まず始めに、男は女性に性被害を及ぼしてはならないという、当り前の社会規範を、当り前に築くことです。(略)たとえば現在、社会が日々ばらまいているのは、強姦や痴漢を男の楽しみだと肯定してそそのかす、おびただしい量の出版物であり映像です。それらはポルノと呼ばれるものに限らず、誰でも見られるインターネットのサイトやTV番組、身の回りにある雑誌、漫画本なども例外ではありません。女は強姦されるのを待っているとか、男に身体を触られるのを喜んでいるとか、肌を出した服装はオレを誘っているとか、女を思いどおりに支配するのは男らしさの証だなどというメッセージを、子どもの頃から受けて育つ男たちが、女性にどういう認識を持つか、言わずとも知れています。(後略)




 この「常識」に占有されている社会で、性犯罪を告発することの困難さを想像すると、息苦しくなりつつ、被害者の勇敢さに敬意を表さざるを得ない。

自分の同意なく、性行為を強いられるということは、自分の体、心がモノ扱いされているということだ。自分の体なのに、自分の意思は無視され、他人の思うがままにされているということだ。
それが、どれだけダメージを与えるものなのか、わかっていなさすぎる。いや、わかろうとする気さえない人が多すぎるのだと思った。



 なのに。

(略)
性犯罪を報道する時の新聞各社の見出し。ポルノと勘違いしているような見出しです。
「監督の胸モミで、女子高生、公表しなかった学校を訴訟」実際にあった記事です。(略)
ある女性タレントが痴漢被害にあった時も「○○、胸モまれる!」と記事に出ていました。
性犯罪がテーマになっている映画に出演した女優が映画に関するトークショーで(映画に絡めてでしょう)性被害を告白した時も、
翌日の新聞の見出しが「○○に胸モまれた過去」「○○恥ずかしい経験」でした。


akira's room: 自分にとって大切なものとは」(2008年10月04日 09:07付コメントより一部)

 現実の性犯罪による被害を矮小化し、性犯罪と犯罪と認識させづらくするメッセージまでもが氾濫する。


 さて、こういった常識が行き渡っている社会で、あるトピックがしきりと議論されていたのを、私はやや遅ればせなのだが読める範囲のエントリを追っていた。

(以下、性暴力被害経験者の方はFBの怖れがある表現を含みますので、ご注意いただけますようお願いします)

[ 2009/06/10 17:22 ] ジェンダー関連? | TB(14) | CM(31)

「それ」がもたらす「社会の『常識』」 

6月6日付エントリの続き)

 最高裁で出た痴漢訴訟逆転無罪判決をきっかけに、(その事件では被告が誤認されていたという判決であったにしても)痴漢に遭遇することそのものって本当に多いのだと、増田を含め、はてな界隈で痴漢に関するエントリが多数上がった。その中には、どきりとする記述がしばしばあった。

なにより、彼らのお楽しみとして使われる。道具というか、ものみたいに扱われるのが、ホント、腹が立つし、傷つく。(略)んだろうなぁ、試食コーナーの食品みたいに扱われるのが、腹立つんだよな。

「お前がそこにいるから、悪いんだよ」「売り物としてさらしているんだろ。なにが悪い」「触るわけねえだろ、置いてあったからぶつかっただけだ」


たぶんほとんどの女性はさ、男性に性欲の対象として消費される存在としての「女という性別」を、うっすらとであれ理解して受け止めてると思うよ。積極的にじゃなくて、消極的に、事実として受け止めるしかないっていう感じで。

だから痴漢に対しても、心のどこかで「しょうがない」って思ってる。一部にそういう性癖の人間がいることを、そして通り魔同然にたまたま自分がその対象になってしまったことを、不運な事例として黙って心にしまってしまう。


性犯罪は、確かに、ごく一部の悪質な人間のすることだ。それらは被害者をモノ扱いしている訳で。
 だが、この、モノとして消費される・扱われる・値踏みされる感覚というのは、不本意ながら覚えがある。

 『消費される存在としての「女という性別」』という表現に、どきりとして思い出した件があった。
ユーザータグ:  『男は熊』
[ 2009/06/08 18:50 ] ジェンダー関連? | TB(2) | CM(24)

なら、その言葉を使わずに試してみよう 

 京都教育大の学生が、居酒屋コンパで酒に酔った女子学生へ性的暴行を行ったとして集団準強姦容疑で逮捕された事件について、またぞろ『「男の飲み会に一人で参加するなんて」という事実誤認に基づく「誹謗」とすらいえるような』被害者へのセカンドレイプ言説を表明する人がいたと、「土曜の夜、牛と吼える。青瓢箪。」さんが「いい加減代替可能なロジックで被害者を責めるのはやめたらどうか。 」と、エントリを上げてらした。

 毎度ながら憤りつつ、しかし、哀しくなるほど見慣れてしまった光景だ。

 2008年の2月に在沖海兵隊の米兵が中学生を強姦したとして逮捕された際には、被害者に対し、花岡信昭なる人物が産経新聞に『基本的な「しつけ」が徹底していなかった』と書いた。クライン孝子とかいう人も「この女子中学生は基地反対派によって送り込まれたハニートラップかも」などという文章を公表した。当ブログにまで『深夜まで遊ぼうが、うろつこうが、何も問題は起こらないと、安心していたのでしょうか? 』等というコメントが湧いた。

 2007年の10月に岩国基地の米兵4人が未成年女性を集団強姦したとして逮捕された際には、藤田雄山広島県知事が「盛り場でうろうろしている未成年もどうかと思う」と発言した。この時に、とあるブログに付いたコメントでは「熊出没注意のエリアには不用意に立ち入らないのが賢明」というのもあった。

 2007年4月にあったJR北陸線の特急内で起きた強姦事件の際には、こういう事件はレイプされる女側に責任がある・一人で電車に乗り、助けを呼ばない所かスタンガン、防犯ブザーすら持っていなかった・最近のレイプされる女は自分の非を棚にあげ、何でも加害者のせいにするなるコメントを見かけたし、『メスが弱くて防犯道具も持たずに無防備だから悪いってのはもっともな言説』なんてのもあった。
 さすがにこれはネタだろうって? ネタだから許されるレベルだろうか。しかも、同方向で類似の発言は、匿名ではない誰かも発言しているのに。

 2003年7月には、後に日本国首相になった人物が「女性にもいかにも『してくれ』っていうの、いるじゃない」「そういう格好しているほうが悪いんだ。男は黒豹なんだから、情状酌量ってこともあるんじゃないの」なんて発言していたぐらい、この社会の本音はそっちなんじゃないのか? 最近でも、「気の毒な冤罪被害者を出さないために、世の女性には痴漢くらい大目に見て欲しいなんて冤罪の原因を司法にでなくて被害者に向ける勘違い発言も出たそうだし、それに続いて「どうしてレイプする権利はないのでしょうか」と言い出す人もでたぐらいだし。

 そういえば、元警察署長という人物が、自身の孫が女性を監禁して性的暴行を加えていたとして逮捕された事件で、テレビ局の取材に対して「本人のせいじゃなくて、最近は女性の肌の露出が多い。着物の国で裸の女がいたら、誘っていると思われても仕方ない」と発言したこともある。この事件、逮捕が2005年6月頃だったと聞くが、事件被告の男が『いわゆる「調教モノ」のアダルトゲーム約1000本』を所持していたとしても知られる。


 そういった犯罪に及ぶ人間はごく少数だという指摘はよくあるし、それは確かにその通りだろう。
[ 2009/06/06 17:16 ] ジェンダー関連? | TB(5) | CM(16)

無いと思って見る目に差別は映らない 

 4月21日のネット版朝日新聞に、こんな記事が出ていたのに注目した人は結構多かったのではないだろうか。

 自民党の外交関係の合同会議で21日、女性差別撤廃条約(*)の「選択議定書」をめぐって白熱した議論があった。批准を求める意見の一方で、「国連に助けを求めるほどの女性差別は今はない」「堕胎、離婚促進法だ」などの反対意見が続出。(略)
 ある女性議員が「我が国には伝統文化に根ざした法制度がある」と慎重論を唱え、男性議員からは「(批准を)後ろで支援しているのは左翼だ。日本の家庭崩壊の危機は、人権など西洋的な考え方を教えて日本の伝統教育がないからだ」という反対論も出た。

 松浪健四郎外交部会長は会議後、「取り上げてもらっただけでもありがたいと思わなくちゃ」と記者団に述べて、党としての意思決定は行わない考えを示した。


asahi.com 2009年4月21日19時2分「ひどい女性差別ある?ない? 自民部会で激論」より、
*は引用者による。エントリ末にて注釈。

 こういう光景には面白がるような感慨しか浮かばなくなってしまった今日この頃だが、こんなになるには前段階があったようだ。

 国籍法の時にもネットでいろいろ呼びかけていた「ジャーナリスト」の水間政憲氏が公表した「緊急拡散してください。ネットだけ転載フリー」という「ジャーナリスト・ 岡本明子さんが「女性差別撤廃条約」の危険性を纏めてくれました」なる文章がネットで大量増殖したらしい。

緊急「女性差別撤廃条約」が危険 - AOL Video
緊急「女性差別撤廃条約」が危険 - Yahoo!知恵袋(選択議定書批准方向の解答がベストアンサーになっているのは何故だろう(^^;)
必読! 赤池議員が女子差別撤廃条約選択議定書に反対 ・・・赤池氏、頑張って欲しい! - 日本の底力 20日付』
緊急! 残り今日入れてあと2日! 女性差別撤廃条約の批准反対のために是非、協力を! - 日本の底力 19日付』こちらはこんなイントロ部分がついていた。

 売国勢力は子供や女性などという弱い立場にいるものを利用して,再び慰安婦問題を日本に持ち込もうとしている。
 何度も言うが,慰安婦問題は朝日新聞の捏造である。
 それを決定的に日本で論破していったのは、西岡力さんと始めとする方々である。
 アメリカにそのような決議がなされたときも、安倍元総理が潰しにいってくれた。

[ 2009/06/04 18:07 ] ジェンダー関連? | TB(4) | CM(19)












無料カウンター